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天上のバレエ・地上のダンス(37) 発表会リハーサル終了

ヒップホップダンス発表会、当日。
いよいよ、わがチームのリハーサル開始。
「だいたい覚えたからイイよね」
中高年メンバーのお気楽3人は……



からっぽの客席

ライブハウスでの発表会。
ヒップホップダンスの利用も多いのです。
ダンス用ではないので形が正方形に近く、演者の出入りは1ヶ所。
運動会のような入場・退場が別で慣れているわたしたち。
ハッキリ言って、混乱します。


舞台袖ぶたいそでといった、演者の待機場所もほとんどありません。スペースが狭く感じます。

リハーサルでは、最初、舞台上での「立ち位置」の確認。
移動した後、まわりの人との距離のバランスなど、短時間で覚える。

まだ、お客さまの入ってない空っぽの客席。わたしはリハーサルが好きなのだ。

舞台を味わう、じぶんだけが楽しむ。


顔の向き・目線・ポーズの身体の角度……
わたしは最初に習ったダンスが「バレエ」
なので舞台での立ち居振舞い「ステージワーク」は身についている、はず。
余裕まで練習を重ねること。
どこの世界でも基本にして究極。


立ち位置確認のあと、実際に音を鳴らして踊る。
照明つき・衣装つき・本番同様リハーサル。
「ゲネプロ」が始まりました。



メンバーはギクシャク

わたしと先生は普通に動いている。
中高年メンバー3人、
わたしのとなりの麻宮サギさんは振りを覚えていない。
おもいっきり、まわりを覗き込んで動いている。「初舞台あるある」

ミライさんは、客席に背を向けている。
照明がキツくて辺りが消し飛び、じぶんがどこ向いているかワカラナイ。「初舞台あるある」


む、無表情……緊張している……!
工藤くんは、足先がうわずっている
しかもステップが滅茶苦茶だ。
工藤くんもリハーサル大苦戦。
「初舞台あるある」


若手3人はレッスン中と、さほど変わらない。
人前で披露するダンスは、平気なのだ。
SNSなどに動画や画像を投稿したりする世代なのだから。


中高年メンバーに、ヒップホップ初舞台の洗礼が。
楳図かずお先生ばりに……怖い。



リハーサルで真っ白

「お疲れさまでした!」
さらに練習してくださいと言い残し、先生は舞台の裏方に戻る。

あっという間に終わった。

「あの~、あそこの振り付け、もう一度……」
工藤くんに話しかけられる。
「テンパっちゃって……」
ははは、と笑う工藤くん。笑ってごまかす中高年。初舞台あるある。

変え室で、おさらい。しばらく踊る。
麻宮サギさんと、ミライさんはトイレに行っている。
トイレでサボる昭和女子。長い。
いろいろ疲れるのはわかるが、工藤くんを見習ってね。


「練習したのに~間違えたわぁ~」
麻宮サギさんが大袈裟にトイレからご帰還。
普通は黙っているはず、こんな時。
ホント黙ってたら美しいのに、ナンノその。


「誰も見ていない、大丈夫」
わたしは励まし少々と、舞台では上手い人しか目に入らぬ現実を叩きつける。
これぐらい毒があっても良いだろう。

そのとき、工藤くんが叫んだ。


ミライさんが……
振り付け全部、忘れた
……って!」



毎週木曜日は
「バレエ・ダンス」の日

いつも こころに うるおいを。
水分補給も わすれずに。


最後までお読みくださり、
ありがとうございます。

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