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違和感と境界

今日はなんだか違って見えるな。

不気味の谷というものがある。
リアルに近づけば近づくほど、無意識にリアルとの差がやけに目につき、不思議に不気味に見える現象のことだ。
特にヒューマノイドの分野でよく聞き、最近生成AIの分野でもよく聞くようになった。

おそらく、いつも見ているもの。
それが大きく変われば、「変わったんだな」と思うだけ。
しかし、それがほんの少しだけの変化だったら。
具体的に何が変わったのかよくわからないが、普段と違うという違和感を得る。
この違和感に対して「なんだか」と言ったのだ。

これは物語の始まりになりうる。
ここから物語が始まる。
違和感に気づくことで、そこが日常と冒険の境界を見つけられる。
その境界を越えれば、冒険が始まる。

一体どんな冒険があるのか。
異世界との接触によって、出会うもの、見るものがなんなのか。

妖怪のようなものだろう。
普段は日常の中に紛れ込んでいて、ふと境界を超えると妖怪の世界に入り込む。
全てが解決してから元の世界に戻る。
しかし、一度世界を見た人間はきっと境界に敏感になる。
また魅入られて、また踏み入る。

今日はなんだか違って見えるな。あんなところに道なんてあったっけ?

取り返しのつかない世界に踏み入れる主人公

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