糸山志泉

日本画をお仕事としております。日々の中で気づいたことや大切に思ったことなどを記していま…

糸山志泉

日本画をお仕事としております。日々の中で気づいたことや大切に思ったことなどを記しています。

マガジン

  • 歩いた道を地図にする

    昔のことを当時の感性を辿りながら書いた記事をまとめます。 時系列バラバラに思い出した順になると思いますが、基本は今がベースとなるエッセイです。

最近の記事

桜の思い出

桜の思い出

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  • 歩いた道を地図にする
    1本

記事

    母という存在について

    今日は母の日。 これまで母という存在とはいったい何だろうとずっとみてきたけれど、今日はこれか、と意識がスッとなることがあった。 それは以前日本画の恩師がそっとつぶやいた言葉からの気づきだった。 「他の人の作品をみて、もっとこうした方がいいとか自分ならこう描くとかそんな気持ちが生まれた時は気をつけた方がいい。」 もう10年ほど前に伺ったのだが、このような内容だったと思う。 当時はそこまで深くこの言葉の意味が分かっていなかった。分からないながらも言葉通りに捉えて、そういった気

    母という存在について

    京都を巡り繋がる

    〜雨の夕刻、翌朝の道中〜  急遽決まった京都への旅で真っ先に思いついた目的地は日本画画材店『放光堂』だった。ずっと想ってきたが、ようやくお店に伺うチャンスが巡ってきたようだ。  お店に初めて行ったのはちょうど10年前だった。今回は2度目になる。岩絵具の入った袋に貼られたシールの店名が目に入る度にお店に行っている気がしていた。岩絵具は鉱物等でできていて何年経ってもほとんど変わらないのもあり、あれから10年も経っているとは驚いた。  どんなに熱い想いがあっても、所詮はほぼ一見さ

    京都を巡り繋がる

    中央線で思い出す人生の目的

    リュック1つで帰京した。 1人で中央線に乗るのは約6年ぶり。 電車の窓が開いている。 そういえば地下鉄も窓が開いていた。 静かに開いたそこから外気とともに電車の走る音がものすごい音量で車内に響く。 昔ながらのガタンゴトンの音にシュルシュル、キーキーと不思議な電子音が混ざり合う。電車同士がすれ違う度にボフッと外気が入り込む。 音楽を聴かなくても、この音だけで十分楽しめる。 電車を乗り降りする見知らぬ人々もみんな元気そうでよかった。まさに人ごとながらも、心からそう思

    中央線で思い出す人生の目的

    言葉は映し出す

    久しぶりにnoteの記事を書いています。どうしてこういった記事やSNSでの投稿を続けているのか、人と話すのはどうして面白いのか、そんなことを思っていてふと感じたのは『言葉』の持つ力についてです。感じたままに記します。 話し言葉も書き言葉も、発した途端に自分から他者へと広がりを持ちますが、『自分の言葉で書く』という言葉そのままに自分そのものを映し出すものだと捉えています。プロであっても趣味で書いている場合でも、巡り巡って自分に戻ってくるような力がみられます。 丁寧に話す人は

    言葉は映し出す

    田平天主堂

    田平天主堂

    一人の時間の過ごし方

    今月から自然の中で季節の移ろいを見つめながら自分のリズム、時間を感じることをテーマにした会を不定期ですが始めました。 不要不急の外出自粛が続く中、5月は予定していた日時に集まらず、それぞれのお家でお過ごしいただくことになりました。 今回の参加者の皆様にお伝えしたい内容をこちらに掲載いたします。 どなたさまでもご興味ございましたらお読みください。何かご参考になれば幸いです。 もしご家族がいらっしゃる方はご家族にもご協力いただいて、予定していた日時を一人の時間として過ごしまし

    一人の時間の過ごし方

    受け入れる心を花に託す

    桜の満開に合わせて、と開かれた杉謙太郎先生の花会へ伺いました。幸せなことに知り合いの方に子どもを預かっていただけて、ひとり、全てをこのひと時に託せました。貴重な機会をいただき深く感謝するとともに、個人的な感想にはなりますがこちらに書き留めさせていただきます。 会場では杉先生が約1年間作り続けた器の一部に出迎えられ、始まってからはずっと、花と花器が溶け込んでいくような様をただ眺めていました。行き来する靴音が時を刻み、ドラマーの田中氏が音を重ねる度に空間が広がっていくのを体感し

    受け入れる心を花に託す

    文化が心を育てる

    子育てをしていると子どもによって心も身体もそれぞれのペースで育っていくのだと肌で感じます。 身体が大人になっていくのは『見える』成長でもあるからか、イメージするのは簡単です。心が大人になるにはいったいどのくらいの年月が必要なのでしょうか。 「それは人によるよね。」 そうです。 人によりますね。 心の成長には大人も子どももなく、その人のペースでゆっくりと、時にはぐんと勢いよく育つもの、生きている限り育ち続けるものと思います。そして、ご自身の心の内で「大人になったな。」

    文化が心を育てる

    令和3年という年

    令和3年という年

    祝福、幸せ、自分の時間

    少し振り返る記事となりますが、12月になるといつも気になるクリスマス。クリスマスにはどんな意味があるのか。長年考えていた事柄でした。今年は「答えをひとつ見つけた!」と思ったのが、youtubeで拝聴したマドモアゼル愛先生のお話でした。 世界各地でお祝いされているクリスマス、日本ではケーキをいただいてお祝いしています。「これだけ多くの祝福がある」というのが答えで、全ては祝福されているのです…という内容でした。 今ここに居るということはすでに満たされており、足りないものはない

    祝福、幸せ、自分の時間

    生まれる

    今日は様々なものが生まれる日でした。 今朝 自分のための小さな作品が【聖誕】という言葉を示しました。 詳しくはブログをご覧ください(→ブログへ)。 偉大な人はもちろんのこと、どの命も尊く、生きているだけでそれは奇跡のようなことです。そして魂のある限り続いていくものなのでしょう。 この言葉は何を示したのか。 それはまだ判りません。 これから紐解かれるのだろうと思います。 穏やかに眠りにつく頃 さらに生まれたものがありました。 最近夜イメージワークを続けていて

    生まれる