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ゲームの難易度は「工夫させる時間」で設計する

こんにちは。「仕様です。」(@shiyoumasayume)という名前でSNSをやっているゲームプランナーです。

ふだんはコンシューマータイトルプロジェクトでディレクターやプロデューサーが旗を振ったイメージを具体的にゲームデザインするという仕事をやっています。

ゲームから切り離せない要素として「難易度」というものがあり、これはゲームを遊ぶ人も作る人も、同じように共有できる馴染みのある言葉なのではないかと思います。

まわりくどく言うと、ゲーム的な目標を達成するのが易しいか、難しいかの度合いを指す言葉です。

今日はこの難易度を設計する際の思考について書いてみようと思っています。

創作論やノウハウは人の数ほどありますので、業界の片隅にいるいちゲームプランナーの手法として読んでもらえれば幸いです。

そもそも難易度を設計する意味って。

ゲーム開発上のあらゆる設計は「そのゲームを面白くするため」という目的に収束していくのが基本だと思っています。

そのためここで設計する難易度についても「誰もクリアできない難しいステージを作ったガハハ」というものではなく、遊んだ人に面白いと感じさせるためにあるものとして考えていきます。

難易度の基準

難易度とはゲーム的な目標を達成するのが易しいか、難しいかの度合いを指す言葉です。

ためしに、ゲームの目標として「ステージをクリアする」というものを置いてみます。

それでは、「どう」だとクリアするのが易しいステージで、「どう」だとクリアするのが難しいステージとなるのでしょう。

僕の場合、キーとして考えるのは「時間」です。

■さっとクリアできるステージは、簡単。
■ずうっとずうっとプレイしてようやくクリアできたステージは、難しい。

概ねだいたいほぼほぼそんなに違和感はないと思います。(例外はある)

ただし、時間の長短=ゲームの面白さのバロメーターではありません。

■さっとクリアできるステージは面白い / 面白くない。
■ずうっとずうっとプレイしてようやくクリアできたステージは面白い / 面白くない。

急に違和感がにじみ出てきたと思いませんか?

さくっとクリアできれば素早くご褒美にありつけて嬉しかったり面白かったりするかもしれません。一方で、ただの作業でしかないのであれば面白みは無いかもしれません。

ずうっとプレイしてようやくクリアできたステージには達成感があるかもしれません。一方で、理不尽なことばかり強いられてクリアできなかったのであれば、面白みはちっとも無いかもしれません。

難易度の設計はプレイヤーのクリア時間を調整するのが目的ではなく、「そのゲームを面白いと感じられる」ように調整するのが目的です。

時間の長短だけでは難易度の基準としては不足で、そこにプレイヤーの達成感が伴っているかという観点も必要だとわかります。

お題があり、その解決のために工夫をするからクリアしたときに達成感が生まれる。工夫のない体験は作業でしかなく、工夫の余地のない体験はただの理不尽な出来事でしかないというわけです。

■少しの工夫でさっとクリアできるステージは、簡単。
■たくさんの工夫でようやくクリアできるステージは、難しい。

前提として工夫があるからゲームとして面白く、そのバリエーションとして工夫をどれだけこらすかという範囲が存在します。

難易度とはこの工夫をこらす範囲、つまりはプレイヤーが1ステージ内で工夫を要する総時間の長短で設計するものと僕は考えています。

工夫にかける時間を見積もる

プレイヤーが工夫する時間をもとにゲームの難易度を決めていきますが、考えこんだり解法をひらめくまでの時間なんてプレイヤーによって異なります。なのでもう少し単位として使いやすいものに置き換えて考える必要があります。

ここでいう時間とは、ゲームのプレイ時間ではなく、プレイヤーの考える工数というふうに考えると良いでしょう。

たとえば1の手数でクリアできるステージAと、5の手数でクリアできるステージBがあるとします。

ステージBはステージAの5倍の時間がかかるとは必ずしも言い切れませんが、ステージBの方が工夫を多く要求する分時間は多めにかかるでしょう。

工夫にかける時間とは、工夫を要求する回数とも言えます。

1回の工夫=ゲーム内の1アクションとは限らない

工夫とはプレイヤーの意識の話であり、ゲーム内の1アクションと合致するとは限りません。

たとえばジャンプで障害物を乗り越えるという遊びがあったとします。

たとえばこれに、タイミングよくだったり、制限時間以内にとか、特定のポジションからジャンプしないと、というような要素をプラスすると難易度は上がっていきます。

1アクションを発動するまでにプレイヤーが 何回 / 何箇所 意識を割く必要があったか、そういう回数を工夫の数としてカウントしていくと良いのではと思っています。

このようにして、1ステージの中でプレイヤーがどれだけ工夫を重ねる必要があるのかというところで難易度を設計していくと、ゲーム開発者の意図通りの遊びでバリエーションを出せたり、プレイヤーが面白みを感じられるものが出来上がっていくのではないでしょうか。

というわけで

今回はゲームの難易度の意味や設計の基準について書いてみました。何か参考になれるようなところがありましたら嬉しいです。

ここまで読んでいただきありがとうございました!

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コメント (2)
これはその通りだと思います。
理不尽なことをさせて高難易度というのは違う気がするし。
成長を促すゲームもあれば、応用で進めるゲームもある。
難易度というのは奥が深く、これを言うと否定的な意見もありそうですが結局ゲーム制作者が導いてあげなければならない気がします。
同感です!
遊びだとかゲームシステムは「プレイヤーを狙った通りの体験に導くための手段」だと思っているので、どこまでプレイヤーの気持ちを導ける(デザインする)かがゲーム開発者の腕の見せ所でもあるのかなあと思っている次第です!
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