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ゲームプランナーって何する人?

こんにちは。家庭用ゲームデベロッパーでプランナーをしています。
最近になって 仕様です。(@shiyoumasayume)という名前でSNSを始めました。

普段はプロジェクトの一員として色々な遊びを考えたり、セクションリードとしてディレクターやプロデューサーが旗を振ったイメージを具体化する仕事をしています。

弊社では新卒入社された方全員に向けた研修として、全職種についての説明をその各職種についている先輩社員が担当し行っています。

ゲーム開発というのはチームで行うものであるため、どんな職種の人間がいてどのような仕事や役割を担っているのかを理解しておくことは、業務内外のコミュニケーションや相談といった際にとても役立つことだからです。

また、弊社が各職種についてどういった認識をしているのかを新人に提示する側面もあります。

今日はそんな研修の際に話しているゲームプランナーという職種についての説明をまとめてみます。

そもそも"ゲーム"って何さ?

ゲームとはプレイヤーの入力に対して出力を繰り返すものです。

プレイヤーがボタンを押したらド派手な技が出た!
プレイヤーがスティックを倒したらスタイリッシュにキャラが動いた!
プレイヤーが選択肢を選んだら予想外の方向に物語が動いた!

プレイヤーが何か入力を行うことでゲーム側がリアクションします。それが適切だったりエモかったりするとめちゃくちゃ気持ちよかったりして面白さを感じてさらに入力を繰り返したくなるというわけです。

ゲームを構成するリソース(素材)

ゲームはデザインと、プログラムと、サウンドのリソースで構成されます。

それぞれのリソース作成について専門の職種があり、面白いゲームを作るべく稼働しています。

デザイナー「かっこいい画を作るぜ!…で、どんな画を作ればいいの?」
プログラマー「ガンガン処理するぜ!…で、どんな処理をさせたいの?」
サウンド「臨場感のある音を鳴らすぜ!…で、どんな音を鳴らしたいの?」

プロの手によるハイクオリティなリソースがあるだけでは残念ながらゲームは成立しません。枝を集めても森にはならないのです(戒め)

「プレイヤーのこの入力を検知できるようにしてください!」
「検知したらこんな画を出してください!」
「その時一緒にこんな音も鳴らしてください!」

ゲームとはプレイヤーの入力に対して出力を返すもの。
その出力を返すためのルール(仕様)を決めるのがゲームプランナーの仕事です。

ゲームプランナーに求められる能力

色々ありますが、特に重要なものを一つあげるならば、それはコミュニケーション能力です。

自分の思考を適切に伝えられるか。デザイナーとプログラマーの橋渡しになれるか。プランナーが適切に仕様を伝えられていないまま作られたリソースはたいてい何かしらのリテイクや追加作業が発生することになります。

僕は最初から完璧で抜けの無い仕様を出す必要はない(要求仕様まで固めたら実装担当と相談しつつ進めていくべき)と考えていますが、プランナーがプロジェクトの方向性や要件を正しく理解できていないまま仕様を決めて発注してしまうことは無いようにしたいと思っています。

リテイクの積み重なりは開発期間を圧迫し、その結果もっと面白くできたかもしれない、という無念を残したままゲーム開発が完了(もしくは中止)してしまうからです。

他の職種に比べてゲームプランナーになるにあたり必須の資格やスキルはありませんし実際必要もないのですが、仕様を適切に理解して他人にも伝えられる能力はプランナーになった後まず第一にできるようになってほしいと思っています。(自戒です)

ゲームプランナーの担当箇所

プランナーと呼ばれる職種の中にも担当箇所の違いがあります。代表的なところを並べると、以下のようなものでしょうか。(ややアクションゲームに寄っています)

個別に独立しているものもあれば当たり前のように兼任するものもあります。区分けや名称はプロジェクトや会社によって変わると思います。

レベルデザイン
ダンジョンやフィールドなど、いわゆるステージの遊びを設計する人。いやらしいギミック位置を決めるのもこの人。チュートリアルステージが腕の見せ所。

プレイヤー
ユーザーが操作する主人公の性能を設計する人。どんなアクションをさせるか決めたり移動速度の調整をしたりします。ちょっとの変更で各所に影響を及ぼすので、何の都合であれ一番仕様変更には慎重。

アクター

ゲーム世界にある物体や敵など、プレイヤーが触れることのできるものを設計する人。必然的に管理するリソース数が多くなり、気づかないうちにアクターが想定外の使い方をされることも。レベルデザイナーと揉める場合があります。

バトル
文字通りゲーム内の戦闘を設計する人。アクションゲームの場合は敵アクター(エネミーと呼ばれる)を担当する人が戦闘の遊びを設計することになります。レベルデザイナーと揉める場合があります。

シナリオ・テキスト

ゲームの世界観や物語を設計し、世界観を損なわぬようゲーム中に出てくる文字全般を打ち込む人。プレイヤーがゲームを続けて遊びたくなる動機づけをします。対象年齢によって使用する漢字の種類に気をつけたり、海外でも発売するようなゲームの場合ローカライズチームと一番やりとりしたり。

イベント・シーケンス
シナリオ担当が設計した内容をもとにゲーム内のイベントを組みます。イベントを起点に別の要素が解放されたりするので、ゲーム内で使用するシステムの操作なども行い、さいしょからはじめたゲームがエンディングまで繋がるようにします。シナリオ担当が兼任し、自分で考えたお話は自分で実装しろとなることも。

データ
ゲーム内のパラメーター部分を設計し面白いバランスを作る人。かなり職人芸な部分を持つこともあります。一部他の担当が兼任することも。ゲームを通して手に入る通貨量や敵のドロップ確率など、プレイヤーがゲームを遊ぶ際の時間に直結する仕事でもあります。

UI
ゲーム中に表示される体力などの画やメニュー画面などを設計する人。システムを視覚的に表現する仕事で、プレイヤーが不自由なく遊んでくれるかはUI担当にかかっています。不備不足は目立つのにいい仕事は目立たない…ただしプランナー界隈ではゲーム全体の仕様を把握しなくてはこなせない上位職という認識で、一番食いっぱぐれないとも言われています。

思いつく限りではこんなところでしょうか。抜けているところやもっとこの仕事について詳しく…などもあればコメントいただけると嬉しいです。

まとめ

思った以上に長くなってしまいましたが、以上がプランナーという仕事についてになります。何か参考にしていただけるものがあれば幸いです。

・ゲームとはプレイヤーの入力に対して出力を繰り返すもの。
・ゲームプランナーとはその出力を返すときのルール(仕様)を決める仕事
・プランナーにとってコミュ力は大切


ここまで読んでいただきありがとうございました!

書いた人
https://twitter.com/shiyoumasayume




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