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小さかった頃の恐怖。

まだ、小さかった頃
一時的に外食が怖かったことがある。

それまでは普通に食べれていたものが、周りの人が食べているのを注視してからしか食べれなくなり、
テーブルの中で料理に手をつけるのはいつも1番最後だった。
家で食べるものは何も気にせずに食べられるのに、
外食の時はどうにも、、、。 

当時の私が自覚していたかはわからないが、今覚えば思い当たることがある。
「千と千尋の神隠し」だ。
1番好きなジブリ映画は?という話になれば、必ず一度は話題に上がる人気の作品。
しかし、私にとってはかなりのトラウマ。
物語の冒頭。
美味しそうな屋台のご飯。
ほわほわと湯気が上がっていて、
それに齧りつく両親。
が、一転。
突如豚の姿になって横たわる。

幼い私にはただただ恐怖だった。
もしかしたら今もそうかもしれない。
なぜなら、未だにその先を見ようと思えたことがないから。

外で食べ物を食べたら、豚になってしまうかもしれない。
あの場面は当時の私に強いインパクトを残した。
アニメのフィクションの中のことが、現実にも起こってしまうような気がして。
外食は憂鬱。
特に一口目にかかるプレッシャーは大きかった。
お家だとお腹いっぱい食べれるのに、箸が進まなくなった。

別に、現実に豚になった人を見たことはなかったし
もちろん、そんなニュースを見たこともなかった。
自分でも、そんなことはありえないとなんとなくわかっていたから、家族や友達にも話したことがなかった。
わかっていたのに怖かった。

でも、その一方でどうやって恐怖を克服したのかは全く記憶に残っていない。
大丈夫だと何か確信を得たのか
恐怖に慣れていったのか
忘れてしまった今はただ、怖かった記憶だけ。

大きくなって家族に話してみたら、笑い話になった。
お父さんにもお母さんにも、妹にも
えー!そんなこと考えていたの?って爆笑された。
未だにトラウマなのは秘密にしとこう。

小さい頃の恐怖が今の笑いに。

うん。悪くない。


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