#22【ハタチの限界】

普段は、悩むことはない。
 
 
かなり楽天家だし、
ポジティブ思考の塊なので
悩むようなことがあっても
論理的に意見を展開し
プラスの面を見るようにしていたから。
 
 
でも、お金がないことは
予想以上に心に堪えた。
 
 
私が4つも掛け持ちして
バイトをしているのも、
家にお金がないからだ。
 
 
うちの家は、なぜか
常に貧乏だった。
 
 
だから、お金がないことで
苦労したことも
数知れずある。
 
 
私が大学に行くようになって
家賃と光熱費と食費
以外の出費は自分で払うように
なってから、少し改善されたが
また、お金が原因で
悩むことになるとは。
 
 
車で病院から帰宅し、
おばあちゃんを
定位置のソファに誘導し、
愛犬たちのお帰り攻撃を受け、
ふと、祖母を見たら
少し、ビクついているように
見えたのだ。
 
 
帰路の車の中で
母親はすでに文句を言っていた。
どこからお金が出るんだと。
 
 
それを聞いていたからだろう。
居心地の悪い空気が
流れていた。
 
 
それを見て思った。
 
 
母親と、祖母がいがみ合うのは
まだ許せる。
 
 
親子だから、喧嘩もする。 
 
 
私も母と意見が対立することもある。
 
 
でも、お互いによくわかっているから
適切な引き際でどちらかが
ちゃんと手を引くのだ。
 
 
でも、私が
どちらかの味方についてしまったら?
 
 
構図がよりややこしくなり
本来の問題が見えにくくなり
ただの気分の悪い
最悪なパターンのいがみ合いにしかならない。
 
 
私はそう思った。
 
 
だから、私は
自分の意見を押し殺した。
 
 
思っていることを
全て日記に書き記し
日記にだけ、私の本音を垂れ流し
 
 
お互いの中間にいることにした。
 
 
どちらの味方もしないが
どちらの意見も聞く。
 
 
愚痴も受け止める。
 
 
でも、伝書鳩のように
おばあちゃんがこう言ってたよ、とか
お母さんこう言ってたよ、とかは
しないと、心に決めた。
 
 
私は、祖母が亡くなるまで
精神を消耗しまくり、
1人で耐えることに決めたのだ。

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