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【解説】東大に入れるかも?と、意識した数学問題

高校生になり、とある東大の数学問題に出会いました。

1994年の前期試験、問1。この問題に出会ったことによって、私の人生は大きく変わったのです。

問題

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とするとき、任意の実数x に対し,f(x) > 0 が成り立つことを示せ。

解説

与えられたf(x) を次のように変形する。

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実数の二乗は必ず0 以上の値をとることから、f(x) > 0 であることが分かる。

そう、実にシンプルな解法で正解へとたどり着ける。

人生の転機となった数学問題

この問題は高校に入学後に二次関数を習った頃、授業中に担当の数学の先生から東大の問題として紹介されたものでした。

中学生の私にとっての灘高が手の届かないトップ校に感じたことと同様に、高校生にとって東京大学はトップ校にしか思えなかったのです。

おそらく、皆さんも「東大なんて自分には行けるわけがない」と思っていたり、そもそも挑戦への意識すら持っていないものだと思います。なんせ、日本で一番の難関大学なのですから。

そんななか、唐突に提示された東大の問題で当時の私はかなり身構えましたが,上記の解答を先生が紹介しながら、こう言ったのです。

「東大や京大でも簡単な問題はいっぱいある。それさえ解ければみんな行けるからがんばれ!!」

間違いなくこの出来事は人生の転機の1 つになりました。この出来事の後,本屋さんに行って東大・京大の赤本を買い、「今の自分に少しでも解ける問題は何かないか」とずーっと問題を睨んでいたのを覚えています。

そんなエピソードがあり、今でも忘れることのできない、非常に思い入れのある数学問題になっています。

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■自己紹介

■国公立大学の数学問題を、思考法を含めて解説しています。


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