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【エッセイ】過去の書き換え

高校生だった遠い昔、周りがみんな受験していた英語検定。
よく分からないけれど、みんなやっているから自分もやっていた。
なんでやるかはよく分からないまま。

なぜ山に登るのか
なぜ生きるのか
そんなことよく分からないまま
登っていること生きていることと
同等の分からなさで受けていた。

あれから大分時間が流れた。
そして今思う。
英検の本当の意味に。

「英検とかやってた?」
と聞かれてた時のこと。

「ああ、準2級は持っています」
あった所で英語はできませんが・・・
と続けようとした次の瞬間。

「すごいじゃん!!」
と言われた。

いや、すごくはない。高校卒業レベルだし。
と、瞬時に思ったが、そういうことでは
ないらしい。

英検に受験料を払い
準2級を取るところまで
勉強したことが
「すごい」
または「偉い」
というニュアンスだった。

最近は価値観が結果主義から
プロセス重視に変わってきたとは
聞いていたが、こんな所にも
その流れがきていたのか。

高校時代に真面目に勉強を
頑張った人という目で
見られたことで
「勉強できなかったから
準2級までしか取れなかった」
という考えが吹き飛んだ。

英検をそういう切り口で
見てくれる人がいるんだと。
そういう認められ方も
あるのだと。

やってて良かった英検。

生きていると、
こういう過去の書き換えが
できていいね。



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白土紘子
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