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生物学者の逞しさを知れ

私は生物学専攻、博士過程を日本で終了した後はヤクザのように海外を転々する生活。

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我々生物学者の多くは、本当はかっこいい宇宙物理学とか素粒子物理学とか量子力学をやりたかったのだ。もしくは聞いたこともない数学を駆使して、ホワイトボードの前に突っ立ってマーカーペンを頬に宛てシェルダン・クーパーみたいに思考にふけりたいのだ。

でも、ワシにはできなかった。頭悪いからだ。

はっきり言って物覚え悪いし、論理的思考を紙に書かないで続けようとしても脳内バッファーが足りない感じでどんどん消えていく。数学者が考えている時は視覚イメージをキープしてルールに従ってシンボルの変換を繰り返して考えるという。

そういうのがまるで苦手なのだ。

だからワシは生物学者になった。生物学には論理的思考力はあまり必要ない。なぜなら証拠1と証拠2に論理を加えて結論1を引き出すような最小限の論理しか使わないからだ。私もJohn PlattのStrong Inferenceをありがたがって読んだが、いらないのだ。

それは証拠の質の問題である。生物学で実験して得られる証拠とはあやふやで頼りなく、一つの実験結果からはほぼ何も言えないのだ。だから繰り返して再現性があることを示し(証拠1)、同じ結論に別角度からたどり着くような独立の実験を考えて証拠2を得て、その両方を満たすような結論1が可能だよといいつつも、間違ってるかもしれなくってこれとかあれとかそれという可能性もまだあるよという非常に曖昧な結論で満足することを余儀なくされる混乱の極みが実験生物学である。

頭のいい人たちはこんな劣悪な研究状況には耐えられないであろう。

しかし、生物学者は違う。我々はマゾである。

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数年間、地を這うようにして集めた実験結果をまとめて論文を執筆し、有名雑誌に投稿すれば、たぶんあいつとあいつだろうなーとわかってしまうレビュアー達(且つ競争相手)に無理難題なコメントを頂戴し、水戸黄門が家紋を見せたときのように「へへー」と有難いコメントに全力で対応するのが生物学者である。有名雑誌に論文が乗るためなら家内の不満も耳に入らず、休日も実験室へこもり動物の世話をしたり、追加実験をしたり、混んでいる機材を使用しに出かけるのである。

長期休暇でも取ろうものなら「ああ、私の培養細胞たちは元気だろうか?」とか「動物はちゃんと食べているか?糞尿の掃除は大丈夫か?」テクニシャン達は言ったことを言ったと通りにやってくれているだろうか?と気が気ではないのである。

しかし、こんないつも矛盾する弱い証拠のガラクタと毎日格闘し、数年程粘りに粘ることである日「ピカー」と光る非常に強い結論が見えることがある。そして、その時に今までゴミに見えていたデータの数々が宝物に見えてくる。そしてあれとこれの追加実験でこういう結果が出ればこのゴミ山からNature誌に投稿できるような論文がかける!と悟るのである。

こうやってゴミを再利用しつつ成果を出し続けるのが我々生物学者である。期待した通り、計画どおりのデータがでることなど稀だ。却って嘘くさい。予想の真逆で、自身の仮説の全否定の内容になることもある。その方がいい論文だったりする。

そんなつらい現実に毎日直面し、忍耐力だけが飛び抜けている馬鹿でも光る分野があった。それが政治である。

こと政治に関してはニュースはウソばっかりであり矛盾している。頭の良い学者はこれを肌で感じるので無駄な時間を費やさないように政治の問題には脳みそを使わないのである。特に数学や物理に素養がある研究者は自分が政治に興味がなく、詳しくもなくどちらかというとナイーブであることも自覚しており、一生政治には関わらんと割り切っており、なんの引け目も感じないのだ。

しかし、一度生物学者が政治に興味を持つと、不完全な情報の海の中を辛抱強く泳ぎ、臭い情報源を捨てて捨てて、生き残った情報の点と点をつなぎ合わせる作業を淡々と当たり前のように出来るのである。これは職業病である。

生物学者は物理学者や数学者にコンプレックスがありまくりではあるが、政治問題、時事問題では我々の方がスキルが上であると気づくのである。

ロジックを厳密に適用する習慣が付きすぎるとこれが思考の障害になることもあるのだ。私の友人の数学者は「チーズバーガーはおかしい!」と🍔を食べつつ言い始めた。🍔はハンバーグをパンで挟むから🍔であるのでチーズバーガーはチーズ以外は挟んではいけない!そうだ。😮しかし彼は天才であった。

しかし、私よりはるかに聡明な頭脳をもつ研究者各位に言いたい。

ここ数年で世に出た情報はものすごいのである。もはや陰謀論や政治的な話題について質の悪い情報で堂々巡りして徒労に終わる時代は急激に過ぎ去っているのである。

後はあなた達一人ひとりが点と点をつなぐだけでいいのだ。

そして、そうやってたどり着く結論は恐ろしいものに違いなく、自分自身でやらなかったら到底信じないようなものだ。

私は2018年の9月から4ヶ月程苦しんだ。恐ろしい世の真実を見てしまった。二週間チビって眠れなかった。でも、同時に希望もあった。そして4ヶ月目には全てが腑に落ちて、表面的には暗く残酷に見えるこの世界が希望に満ち溢れていることがはっきりと見えたのだ。

でも、ここで答えを言うことは差し控える。

なぜならそれは我々一人ひとりが自分で調べることでしか、決して到底信じない場所だから。

ヒントすらださない。

You have more than you realize.

それは、あなたの得意分野で、なんかおかしいなっていう疑問から始めて、社会がどう動いてきたのが?その謎に自分で迫ってほしいからです。この世のウソを見抜くにはあなたの得意分野から始めて下さい。それで結局同じところにたどり着きます。

そして仲間になって下さい。

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あ、そうそう。もしあなたが生物系でしたら、殺菌シリーズから始めるのも一つです。

時事ネタはTwitterが5つ目のアカウントが死んでもう作らせてくれないのでgabgettr で。


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海外をウン十年と転々とする職業研究者(生物学)。 2018年9月からQ情報出してたツイッターが5代目以後垢作成すら出来ずNoteへ。 少なくとも250年のあれをひっくり返す様を応援できる幸運を噛み締める仲間を特に学者さんに増やしたい。 時事ネタはgab.com/shironoで