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殺菌シリーズ第二弾:キャンプの飲水の殺菌

しろのPh.D.

さて、シリーズ第二弾はアメリカのバックバッカー達が現地で飲水を確保するときのフィルター事情について見てみましょう。

山奥深く入り込んで、自然を満喫する。そんな時にも飲水の確保は重用ですよね。そして、出来るだけ荷物は軽く済ませたいバックバッカー達は湧き水などをフィルターしたりして確保しています。でも、いつも簡単なフィルターで済むようなキレイな水が確保できるわけでもありませんよね。実際、人、動物の糞尿によって飲水が汚染されていることもよくあります。

今回の除菌シリーズは、汚染されているかもしれない水からキャンパーがどのようにしてプランクトンや菌、ウイルスを取り除いているのかを見ていきましょう。

とりあえずは高性能ウェブ検索サイトDuckDuckGoでサクっとでてきたこのサイトを見てみましょう。

中頃に除菌の方法の良し悪しが列挙してあります。

① Chlorine Dioxide Chemical Treatment
 二酸化塩素での化学処理。時間がかかるが安く、効果的。用法を守れば菌やウイルスを30分で除ける。クリプトスポリジウム原虫がいるときは4時間に伸ばす。
② Water Filters
 ろ過。力でフィルターに水を押し込む。速いけどウイルスは無理。
③ UV Light Purifiers
 紫外線照射で滅菌。泥水には苦手だが簡単。高い、電池も必要。ウイルス、菌、微生物に有用。
④ Boiling Water
 一分ほど沸騰させる。手間だが、既に料理しているならついでで良い方法。

④の煮沸は当たり前、③UVで消毒とかはなるほどーですね。②ろ過で済むのは水がもともとウイルスの汚染はないと分かっていないといけないですね。

①は第一弾でもみたChlorine Dioxideつまり二酸化塩素ですね。第一弾で浄水場で使われていると学びましたし、ここにあっても不思議ではないですね。

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この手の商品は割とあるようですが、例えばアマゾンなどでも普通に売っているこのアクアミラという商品は15ドルつまり1500円程度とお手頃です。二酸化塩素を含むA液とその活性剤となるリン酸H3PO4を含むB液を混ぜて水に入れて除菌を待ちます。簡単ですね。

あれ?そのキレイになった水をそのまま飲むのでしょうか?二酸化塩素が残ってませんか?大丈夫なのかな…

使用方法をみると30分ほど待てばウイルスや細菌、真菌やプランクトンを殺すことができて飲んで良いようです。クリプトスポリジウム原虫が疑われる時には4時間ほど待たなければならないとありますが、30分で大抵は良さそうです。

うーむ、もしかして二酸化塩素は放っておくと常温でも気化して水からどんどん抜けていのでしょうか?そして30分後には安全な濃度まで落ちている?

あれ?でもじゃあ4時間待つとより効果があるということと矛盾しますね。30分経ってもまだ十分残っていて、最低4時間までは有効な濃度で残っていないとおかしいです。

・・・つまり、ほぼ投入した分の二酸化塩素を飲んでいるという事になりそうです。

濃度が気になりますね。どんな濃度の二酸化塩素水を飲んでいるのでしょうか。一日に必要な水が2Lくらいですので第一弾でみたCrestが示した安全基準の0.8 mg / Lの計算で行くと1.6 mg位までは一日に飲んでも大丈夫かと予想できます。

こちらのビデオの使用例からすると、1 Lの水に対してA液が7滴、B液(リン酸)が7滴をキャップに垂らして、それを水へ注いでます。

二酸化塩素はA液の方ですのでA液のData Safety Sheetを見てみるとChlorine Dioxide 2%溶液とあります。生物学者は毎日マイクロピペットを使って一滴の何分の一という量を測っていますから、滴になって落ちる一滴というのは約20マイクロリットル(uL)だと経験的に知っています。20 uL x 7滴 = 140 uLの2% つまり2.8マイクロリットル程のChlorine Dioxideが1 Lの水へと入った事になります。

ClO2は水との相対密度が1.6ですので、水が2.8 uLなら2.8 x 1.6 = 4.48マイクログラムが1Lに入っているという事になります。すっくなーい。大丈夫そう。

上でCrestのマウスウォッシュのページのガイドラインから概算した1.6 mg(ミリグラムはマイクログラムの1000倍です)の基準値を二桁も下回るかなり安全な容量ですでに殺菌効果があり水質、ニオイの改善が望めてしまうわけですね。少量だから飲んでも大丈夫。もともと海外では浄水場でも使われているので日常生活でも多くの人がすでにちょっと飲んでいるのでしょうね。日本では水道法で認可されていないようですが、プールの水の浄化にはもう使用されているそうです。なのでプールの水を飲んじゃった人はもう二酸化塩素を飲んだことがありますね。

ちなみにヨーロッパの場合アメリカからAquamiraを買うよりもPyramid社からのBiox AquaをUKから買ったほうがいいかも。

まとめ

というわけで、マウスウォッシュに続き、汚水を飲水に変えるための化学処理薬としてキャンプ愛好家などが二酸化塩素を使っていることを見てきました。低濃度で殺菌効果があるので、そのままキレイになった水を飲んでも全く問題がなさそうです。二酸化塩素って意外に身近なんですね。

次回はこちら:


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