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夕陽のなかで

筆者は以前、療育センターへ母子通園していた。
ひとり息子が、自閉症であるためだ。
事前にいろいろな文献を読み漁り
不安になっていた。(ろくなこと書いてない(笑)、難しい)!!


不思議な場所
不思議な感覚
不思議な人たち、とても純粋

「はじめてなのに、こんなに静かなんて」
先生が言った
わたしと子どもたち(自閉症児)は馴染んで

ことばは消えていた。

ひとつになった感覚
融合した感覚。
専門家(療育家)は
その「子宮」から蹴り出し
「ことば」を与え
社会に適応させる訓練を行う仕事

それは正しいのだ。
しかし、この感覚は・・・

懐かしくて、
夕陽のなかにいるようだ。


人間存在の本質
いのちの本質に触れる・・・ことばは、通り過ぎていく。
ことばはピンとこない。


ことばを失う。



自閉症児によくみられるケースをあげる。
地震や災害などの時に、かれらはよく体調不良を起こす。
遠くの地震を感知しているのだ。

ある女の子は地球の裏側で起こった地震を感知し
生命の危機におちいるほどの反応を示した。
幸い、いのちは助かったけれど

かれらは、どれほど重い障害でも
いろいろなことに気づき、理解している。
わたしはそれを知り、最重度の、ある方の
気持ちを受け取った(という気がする)。

彼は目の焦点が合わず、よだれを垂らしているが
いろいろなことを理解している(わたしはそう思う)
夫も同意見だった。

(彼の事を折に触れ思い出す、元気かなぁ。
わたしのなかに暮らす、
大切な地域の仲間)。


人がみずからを見下していることなどには
とても敏感だ。

一瞬で本質を見抜き、
いやな人間には近寄らない。

争いを好まない平和主義者だが、
いやな、わるい人間関係、環境のなかでは
とても不調になってしまう。

ことばが無いかわりに
まるで”第六感”を使って、生きているみたいだ。
かれらの周りには、不思議なエピソードがとっても多い。

嘘がつけない。

意地悪をしない。


一緒にいると、言語や、社会の、
またみずからの黒い気持ちを、

嫉妬や虚栄心、他人との比較
お金のこと、周囲に合わせすぎること・・

自分の未熟さを思い知らされる。

かれらと関わる時、嘘は通用せず
みずからもまた、誠実に自分と向き合わねばならない。
そうでなければ、すぐに見抜かれる。

おそらくそれは、程度の差はあれ
すべての子育てや、人間関係に通じている。

日が落ちる寸前の
グラデーションの空の色、
われわれはみな溶け合って生きている。


繋がっているんだ、

(だから、みずからの闇と向き合う
みずからの傷を癒す、これからの人、世界のために)




(言語化出来ない)、

夕陽のなかの
いのちのきらめき





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