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🇨🇳#3 シルクロードのオアシス・カシュガルでフルスロットル

4/5、いよいよ中国一周がスタート。
旅のスタート地点に選んだのは、シルクロードのオアシス・カシュガルだ。

上海からカシュガルまではおよそ8.5時間

なんと、上海からカシュガルまでは5000kmもある。
母をたずねて三千里(12000km)歩いたマルコには悪いが、四十歳のわたしは遠慮なく空飛ぶ文明の利器を使わせてもらった。
いつかの猿⚪︎石なら糾弾されていたかもしれない出発である。

機内食は3回

トランジット地のウルムチまで5.5時間(待機1.5時間)、ウルムチからカシュガルまで1.5時間とあって、機内では、機内食が3回も出た。
食べても食べても出される、わんこ蕎麦状態である。

ちなみに、カシュガル空港内は撮影禁止だった。
いろいろ大人の事情があるようだ。

カシュガル市内に到着

エイティガールモスク

ついてまず向かったのが、エイティガールモスク(艾提尕尔清真寺/Id Kah Mosque)だ。
イスラム教徒が80%を占めるカシュガルでは重要な寺院である。

撮影掲載許可を得たチケット売り場のお姉さん

パスポートを提示してチケットを購入(30元=600円)。
寺院の中は電波が悪く、スマホ決済がなかなか出来なかった。

なお、「日本は果物が高いからみんなスイカの皮まで食べるんだろう」
と、チケット売り場の男性スタッフ三人に取り囲まれたので、スイカの値段の高さと皮は一般的には食べないことを伝えて、正しい日本理解をシルクロードの街に広めた。

カシュガル旧市街

モスクの隣には、旧市街が広がっている。
入るなりラクダが出てきて、歌に踊りの大騒ぎ、いきなりの異国感だ。
しかし、ここは街中で砂漠ではないので、ラクダは見せ物だろう。
カシュガルのチンドン屋かもしれない。

ウイグル人のお爺さんの後ろ姿に哀愁
ウイグル名物の焼き餃子。パイみたいでおいしい

あんなに機内食を食べたのにまた腹が減り、2元(40円)で焼餃子を購入した。
ところが、またしても支払い時に電波がなく、おじさんから「天にかざせ」と言われたのでスマホを天にかざし、なんとか支払いを済ませた。
カシュガルには神か3Gがいるようだ。

文明の利器第2号を手に入れる

西の果てでもやっぱり毛主席

歩いて人民公園に向かう。
気温は21℃、荷物が重く、まあまあしんどい…。
夢と希望を詰め込み過ぎたのか、リュックが13キロになってしまったのだ。

このままでは20:30の列車出発までにあまり観光地を回れないな…と思っていたところ、ふと、あるものが目に飛び込んできた。

デリバリー配達員もこれを利用している

シェアサイクルならぬ、シェア電動バイクである。
初めて目にしたが、色は上海で普及しているシェアサイクルの2大ブランド(ハロー/美団)と同じだ。
「これ、QRスキャンしたら乗れるんじゃないか…?」
わたしは思った。

それと同時に、外務省のカシュガルに対する安全評価の「十分注意してください」が一瞬頭をよぎったが、すかさず「一応、中免持ってるしな…」という天の声がして、QRコードを読み込んでみたら、見事に鍵があいた。
ということで、わたしはこのバイクに「十分注意して」乗ることにした。

東湖公園

カシュガル市民の憩いの場所。人民広場からすぐにある。

ユスフ・ハス・ハジブの墓

ユスフ・ハス・ハジブは、11世紀中期に活躍したウイグル族の詩人。
瑠璃瓦で作られた棺にハジブが眠っている。
こちらも入館料は30元(600円)で、わたし以外に観光客はいなかった。

高台民居

600年以上前からあるウイグル人の住居。入館料30元(600円)と書いてあったが、なぜかタダで入れてもらえた。
身なりからして貧しいと思われたのかもしれない。
なお、一部は人が住んでおらず、観光地化している。

カシュガル博物館

入館料30元(600円)。外国人は登記をして入館できる。
日本のサイトではあまり注目されていないが、ウイグルの文化がわかる素晴らしい博物館なので、ぜひ行ってみて欲しい。

アパクホージャ墓

カシュガル鉄道駅から2キロくらいの場所にある、16世紀末にイスラム教白帽派の指導者であったアパクホージャとその家族(5代72人)が眠る墓。
建物内は撮影禁止だったが、棺がたくさん並んでいて、不思議な光景だった。
入館料30元(600円)。

夜市。19:45だがこの明るさ
夜市で買った凉粉3元(60円)

今日の夕飯代は焼き餃子と涼粉で100円。明日こそはウイグルらしいもの食べよう。。

慣れてきたぞ

こうして、カシュガルで走り屋となったわたしは、市内をフルスロットル、わずか5時間で主要な観光地をほぼほぼコンプリートしたのある。

カシュガル駅の駅舎

カシュガル駅に着いたのは列車出発の15分前。
中国の列車予約サイト12306でチケットを予約していたが、パスポートで入場できなかった。
スタッフが手作業でパスポート番号を入力してもダメで、謎の操作で「中国公民」を選択して通してくれた。
(これがのちに問題となる)

一両に一人担当者がいる

安い寝台「硬卧」で寝る不審な日本人

さて、中国の寝台列車には軟卧と硬卧というのがある。
これは、ベッドの硬さの問題ではなく、前者は一部屋に2段ベッドが二列並んでいて、後者は3段が二列といった違いだ。
軟卧の方が部屋(相部屋カーテンなし4人部屋だけど…)に鍵がかかったり、鏡があったりする。
また、人が多いとそれだけ声や音がうるさいので、軟卧の方が安らかに眠れるかもしれない。

車窓には砂漠が続く

値段は軟卧と軟卧では1.5倍くらい違うので、今回は硬卧に乗ってみた。
結果、わたし以外5人全員がウイグル人のおじさんだった。
みな寝言が「#%$*?@…」と、ウイグル語でビビったが、悪夢障害のわたしも知らないうちに日本語で「おかあさん!」と叫んで彼らを震え上がらせていたかもしれない。

22時半ごろ、鉄道スタッフが5名やって来て、外国人が乗っているとちょっとした騒ぎになる。
パスポートを提示しても、なぜか「台湾人か?」「台湾人だな」「台湾人ですよね」と詰められる。
彼らはどうしてもわたしを台湾人だと思い込みたいらしい。
もしかすると、乗車の時の手続きに問題があったのかもしれないなと思った。
(外国籍を選択していなかった)

「旅行か」、「どこへ行くのか」など尋ねられたので、「中国一周する」とはいわず、「寝台列車でトルファンへ行き、明日夜には敦煌へ向かう」と説明した。
スタッフの一人は、多くの乗客が利用している現実を無視して、「こんなところで寝て大丈夫?」と尋ねてきた。

そして、最終的にはおかしな日本人の「穷遊=貧乏旅行」と理解したのか、パスポートの写真を撮って去って行ったのである。

旅はつづく…

現在の総移動距離 約5000km
現在の33地域クリア率  33分の2
降り立った都市 3
①上海/②新疆ウイグル自治区(カシュガル・ウルムチ)
飛行機  1回
新幹線  0回
寝台列車 1回
普通列車 0回


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