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舞台好きは絶対にハマる!「ジャックジャンヌ」で演劇の世界にどっぷり浸かる青春を過ごしてみませんか?


はじめに

今日は、私が今ハマっているゲームについてお話したいと思います。
タイトルは「ジャックジャンヌ」、Nintendo Switch向けのゲームです。


発売は2021年、つい先日3周年を迎えました。
公式的なゲームジャンルは「少年歌劇シミュレーションゲーム」です。

─少女は少年を演じた─

このキャチコピーとキービジュアルを発売前にHPで初めて見た時に「これは絶対好きなやつだ」と思いました。
ただ、その時の私はSwitchを所持しておらず、じゃあこのゲームのためにSwitch本体まで買うのか?と言われると、踏み出せないまま時間が過ぎてしまいました(本体はもちろんソフトもそれなりの価格だった)。
もちろんプレイをしないのでその後の評判を見ることもなく。

それからしばらくして、たまたまSwitch本体を買い、新たにゲームをプレイするようになり、昨年たまたまセールになったタイミングで「ジャックジャンヌ」に再び出会い、今度こそ購入しプレイすることになったという訳です。



世界観

主人公は立花希佐。私達が操作することになる少女です。
昔から兄や幼馴染と演劇ごっこをすることが楽しみで、兄が演劇に特化した「ユニヴェール歌劇学校」に進学し、そこで華々しく演じる姿に「いつか自分も…!」と夢をみていました。

でもこの「ユニヴェール歌劇学校」に入学できるのは男性のみです。
つまり、私達の世界軸でいう「宝塚音楽学校」の真逆ですね。
一度は夢を諦めた希佐でしたが、そこから事態が動き出しなんとユニヴェールに入学することになります。

ただし先述したようにユニヴェールは「男子のみ」の学校です。
特例で入学した希佐は校長から以下の条件をクリアしなければ退学というハンデを背負わされます。

1.女であることを周囲にバレないこと
2.周囲との信頼関係を築くこと
3.1年間の集大成である「ユニヴェール公演」で主役を務めること

女であることがバレないように、しかし舞台は皆で作るものなのできちんと交流して関係性を築き上げ、さらに厳しい入学試験をくぐり抜けた才能たちがゴロゴロといる中で1年生の身で主役を勝ち取る。

この厳しい条件下で同期や先輩たちと切磋琢磨しながら、時には苦境に立たされながらも、大好きな演劇に真摯に向き合って成長していく、というのが大まかなストーリーです。

どうでしょう?演劇やミュージカルが好きな人のアンテナにピン、と引っかかりそうな設定じゃないですか?元ヅカオタで今も舞台好きの私はまんまと引っかかりました。

ゲームシステム

ユニヴェールでは1年を通して「新人公演」「夏公演」「秋公演」「冬公演」そして集大成である「ユニヴェール公演」があります。
毎回公演ごとに台本と役が与えられ、クラスの仲間と稽古を重ね本番を迎えます。
公演までの期間は約1ヶ月半、毎日稽古の内容を選び、各ステータスをコツコツと上げていくのが基本のシステム。

1日に1つ、上げたいステータスのレッスンを選ぶ


そして本番は実際の舞台で演じる劇中歌やダンスが評価の対象となります。
ここはリズムゲーム要素がありますが、判定は割とゆるく難易度も選べるので、よほどのヘマをしなければ高評価を獲得できるのでそこまでハードルは高くありません。

本作のNORMALがリズムゲームでのEASYくらいに思えば大丈夫

公演後には「クラス賞」と「個人賞」がそれぞれ発表され、そこにリズムゲームやステータスが反映されていきます。各公演でしっかりと賞を獲得していき、主演としてユニヴェール公演を迎えるのが目標です。


個性あふれる魅力的なキャラクター

ユニヴェールには4つのクラスが存在します。
「クォーツ」「アンバー」「オニキス」「ロードナイト」
それぞれのクラスが独自の個性、強みを持っています。

その中で主人公である希佐が配属されるのは「クォーツ」。このクラスで舞台を作り上げていくことになるのですが、ここで6人の生徒と深く関わっていくことになります。いわゆる「攻略対象」というやつですね。
先輩、同期、幼馴染。
皆がそれぞれ個性的で魅力的、舞台に立てば普段とは違う演技に思わず引き込まれてしまうキャラクターたち。さらにそこに他クラスの生徒たちもこれまた絶妙なバランスで絡んできます。本当に学園生活を送っているような体験。

何気ない日常に詰め込まれた青春のキラキラ

ちなみに「攻略対象」と言いましたが、確かにそれぞれルート分岐がありはするのですが、乙女ゲームほどの糖度はありません。
分量としては友情、舞台、青春が9割、恋愛要素?は1割もないかと。
よくありがちな「主人公がハーレム状態」にもなりません。
先輩には時に厳しく指導され、同期には嫉妬され、拒絶されることすらあります。
それに対して不屈の精神で立ち向かっていく演劇バカと言えるほどの主人公の強さにどんどん惹かれていくので、恋愛要素はおまけ程度と思っておけばオッケーです。乙女ゲーム苦手な人でもやりやすいはず。

切磋琢磨しながら舞台を作り上げていく楽しさ

配役が発表され、本読み、立ち稽古、歌やダンスの練習など、本番に向けて目まぐるしく日々は過ぎていきます。
先述したようにユニヴェールは男性のみの歌劇学校です。
つまり、男性役も女性役も男性が演じることになります。
男性役は「ジャック」、女性役は「ジャンヌ」と呼ばれ、それぞれのトップは「ジャックエース」「アルジャンヌ」と呼ばれ、尊敬と羨望の眼差しを向けられる存在です。

多くの生徒は容姿や体格などを考慮し、どちらかに振り分けられるのですが、主人公の希佐は公演ごとにジャックもジャンヌも演じることになります。
ここで希佐がぶつかる壁がジャンヌ役。あくまで「男子生徒」として入学している彼女は女性であることがバレないように「男子生徒を演じながら男子の演じる女性役」を演じる難しさに悩み、苦悩することになります。
バレそうになるドキドキ感、役作りでもがき苦しむ中で、周囲とどう関わっていくのかも見どころです。

もちろん、希佐だけではありません。
他のキャラクターも全知全能の神、という訳ではなく、それぞれが毎回各々のもつバックボーンや課題にぶつかり苦しみながら役作りをしていくので、それぞれのキャラクターが役を作り上げていく過程を見る楽しみもあります。


声優さんの演技に圧倒される

個性あふれるキャラクターをそれぞれ演じる声優さんの素晴らしい演技にも注目です。
全編とまではいきませんが、稽古中も含め演技パートはフルボイスです。
そして、劇中劇の役を演じる声優さんの凄さをここで存分に味わうことになります。
本読み段階のたどたどしさ、稽古を通して徐々に変化していく演技、自分の演技に納得がいかず探っている時の台詞回し、そして本番の舞台で見せる圧巻の演技、そのどれもが全然違う!

それがエース級の先輩であっても、稽古序盤と本番では見違えるほど目覚ましい変化を遂げます。劇中劇なので、あくまで基本のキャラクターの演技をしながら、劇中劇の役の演技を段階にあわせて演じ分ける。おそらく大変な作業だったと思うのですが、聞いていて本当に面白く、本番ではそれぞれが役としてきちんと命が吹き込まれているのを感じられるのがこのゲームの楽しみのひとつであることは言うまでもありません。

個人的には脚本・演出を担当する3年生、根地黒門(ねじ こくと)を演じる岸尾だいすけさんの演技が本当に魅力的で、どれだけ演技の引き出しを持っているんだろう?と思うほどくるくると変わる台詞回しはずっと聴いていたくなります。

根地先輩が稽古ごとに着る面白Tシャツにも注目!


石田スイ先生による繊細で美しいビジュアルと舞台作品の完成度

本作の原作、キャラクターデザイン、劇中歌の作詞は「東京喰種」の石田スイ先生が担当しています(シナリオは十和田シンさんも参加)。
失礼ながら東京喰種は未履修で、本作で初めて石田スイ先生のイラストを見たのですが、その繊細な美しさに一目惚れしたといっても過言ではありません。
キャラクターの立ち絵はもちろん、それぞれのシナリオに差し込まれるスチルのイラストもどれも丁寧で美しく、1枚の絵画のようで吸い込まれるような魅力があります。公演ごとの衣装もキャラクターに合わせた個性的だけど美しい衣装で舞台映え待ったなしです。

さらにそれぞれの公演のシナリオも綿密に練り込まれており、本番が終わる頃には本当の舞台を鑑賞したような満足感を得ることができます。

こちらは公演中のシーンを切り取ったもの


本当の面白さは2周目から!

実は、昨年購入してすぐにプレイしたのですが、推しを決めてプレイしたにもかかわらず、前述した「舞台を作り上げる楽しさ」にのめり込み、バカ正直に各レッスンを満遍なくやってステータスに勤しんでいた私はどうやら推しルートではなく主人公ルートに着地していました。
その完成度の高さとスッキリとした気持ちに満足してしまい、すっかり推しルートの存在を忘れ「面白かったなぁ」と終わらせたのが数ヶ月前。

そして先日、発売から3周年を迎えSNSでタグが作られ盛り上がっているのを見かけてふと「もう一度やってみようかな」と思い2周目をプレイし始めたのですが。

これが沼の入口だった。

今回はちゃんと推しのベストルートに行きたい!と意気込みプレイしはじめ、改めてキャラクターの魅力や劇中劇の完成度の高さにワクワクしていた私。ついに推しの好感度MAXの状態で最終公演の稽古に入ったのですが、シナリオがどうも私の記憶と違うのです。
推しがやたらと甘いセリフを囁く、とかではなく、役作りの過程も、劇中劇の台詞すらもどこかおかしい。どういうことだろう、前回プレイしたのと同じ劇中劇よね?と思うくらい違うのです。
主人公や推しの言動のみならず、周囲のキャラクターたちとのやりとりもまるで違う。

決定打となったのは本番のシナリオです。
ネタバレになるので詳細は語りませんが、フォーカスが当てられる場面や差し込まれるスチルも記憶には無い。それどころか、少なくとも私が主人公ルートで終えた劇中劇とは全く異なる台本と結末が用意されていました。

そこで私はようやく気づいたのです。

もしや各キャラクターの分岐ごとに異なる台本とシナリオ、結末が用意されているのでは?

往々にして乙女ゲームは推しのルートに行けば推しとのシナリオは展開されますが、周囲との関係性ややりとりが本編に影響を与えるほど変更されることは無い、と思っています。少なくとも昔やったゲームはそうでした。

ところがジャックジャンヌにおいては、2人の関係性が周囲の人間にも様々な影響を与え、さらには舞台の構成、演出にもその影響は派生していき、全く別の物語が紡がれていくらしい。

そうと気づいてしまったら、もう沼ですよ沼。
推しルートを進めていましたが、その途中では他のキャラクターも魅力的で「この人のことをもっと知りたい」「この場面ではこの人はどう取り組むんだろう」とムクムクと興味が湧いて仕方なかったのです。
そこに最終公演でシナリオのみならず劇中劇の台本にも変化がある、となれば全員分見たくなるのはオタクの性、というものではないでしょうか。

舞台好きにはたまらないおまけ

福利厚生がここまで充実しているゲームも無いと思います。
本編中、特に劇中歌やダンスのリズムゲーム中は背景で流れるキャストのダンスやMV使用の美しい映像をじっくり見ることができません。
それをクリア後はGalleryからムービーとして見直すことが出来るようになっています。ありがたや。

それだけではなく、なんと各公演の台本がフルサイズで読めます。
ガチ台本です。本編中は切り取られているパートも、モブの台詞も、演出のト書きも全て、です。それが全公演分。
さらに各キャラクター分岐で変化した最終公演に至っては各分岐ごとの台本が変更された演出、台詞まで当然のようにまるごと一冊ご用意されている。
うっそだろ。

ここまで来ると制作陣の熱量というか狂気を感じる勢いですが、とにかくこの「ジャックジャンヌ」という作品の世界を存分に味わってくれと言わんばかりのおまけの数々。こんなん好きに決まっています。


最後に

2周目クリア後の勢いのままに書き殴りましたが、本作は乙女ゲームが苦手な人でも楽しめる作品であり、一度でも演劇やミュージカルを観たことがある人ならさらに楽しめる宝箱のような作品だと思います。
しかも先日、続編の制作が決定したとの発表が!

またユニヴェールの世界に会える!これはもう手元にある本作をそれまでにやり込むしかありません。まだあの美しいスチルの1/4も集められてないんですよ、あれだけプレイしたにも関わらず。質量どうなってんだ。

さらに今なら3周年を記念してダウンロード版ではありますが、半額セールとなっています。半額!

もうこれは沼に落とすなら今、布教するなら今!
ということで長々と思いの丈を書き殴ってみました。
もちろん私よりもやり込んでいる人からはもっと濃度の高い感想が摂取できると思うので、SNS等で検索してみるのをおすすめします。
ただし、ネタバレは極力踏まない方がいいです。

ユニヴェールに入学した希佐と同じ新鮮な気持ちで、楽しみ、悩み、足掻き、舞台を楽しんでみてください。
きっと、極上の体験が待っていると思うので。


それでは長文にお付き合いいただき、ありがとうございました!



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