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【俺の本棚】今さらF.S.S.

恒例の気まぐれ俺企画『俺の本棚』

今日は、『ファイブスター物語』のお話。

人が好きなものを好きになる性癖がありまして、いや恋愛の話ではなく。

俺は、よくも悪くも自分がない。

自分から好きになることはほとんどなくて、大抵きっかけは、誰かが好きなものを俺も好きになる

きっと何かにハマって、それについて目をキラキラさせているのを見て「そんなにいいなら俺も」となるのだろう。

ファイブスター物語は、中学生の頃「こいつは天才か?」と思っていた友達がハマっていたのがきっかけだ。

そいつは、ファイブスター物語のモーターヘッド(まあ、ロボットね)やファティマ(ロボットを動かすのに必要な人型の人工生命体)、騎士(ロボットを操縦できる超人類)などを全て手書きでカード化して、しかもダイスを使ってテーブルトーク RPGができるきめ細かな設定を全て自作で作りあげるという天才だった。

その頃はスーファミとか、メガドライブとか、PCエンジンとか、ゲームボーイとか、そういう魅力的なコンピュータゲームが世の中を席巻していたが、そんなものより彼の作ったゲームで遊ぶほうが何倍も楽しかった、それほどの出来栄えだった。

 だから、当然その元ネタとなった「ファイブスター物語」にもハマることになったのだ。

永野護は漫画家ではないと思うんだよな

まず断っておくと、ここに書く作者評は俺の主観であって、一般的ではないかもしれん笑

本当はどんな人だとか、深くは知らないからほんとのところを知りたい人はググってみてほしい。

さて、俺から見て「ファイブスター物語」の作者である永野護は、クリエイターというべきか、デザイナーというべきか、ともかく漫画家というにはあまりにも漫画家らしくない。

宮崎駿がナウシカの漫画を描いているけれど、彼を漫画家だと言わないように永野護も俺の中では漫画家ではない。

勧善懲悪でロボットが主役だった巨大ロボアニメ時代(鉄人28号〜マジンガーZとかあたり)から、ロボットが道具として使われるようになった、人間ドラマが主軸のロボットアニメに変わった時代があった。変えたのは「機動戦士ガンダム」だ。

その後、そこを皮切りに色々なロボットアニメが登場した。マクロス、バイファム、ダンバイン…そしてエルガイム。このエルガイムこそが永野護の手によるものである。多分サンライズにいたから、ダンバインとかにもメカニックデザインあたりで絡んでいた気がするが、よくは知らない。

そんな感じで、どちらかというとアニメ畑のメカニックデザインとかを中心にやっていたデザイナーというのが、俺の中ではしっくりくる。

ちなみに、今ググったら

永野 護(ながの まもる、1960年1月21日 - )は、日本のメカニックデザイナー、キャラクターデザイナー、漫画家。株式会社EDIT代表取締役。京都府舞鶴市出身。身長175cm。愛称(自称)は「クリス」(Wikipedia)

だそうだから、俺の認識はあながち間違ってないようだ笑

だからファイブスター物語は漫画の常識が通じない

つまり、ファイブスター物語は、メカニックデザイナーであり、キャラクターデザイナーである永野護が、自分の世界観を表現するための一つの手段として漫画というメディアを利用しているだけなのである。

だから、常識は通じない。

色々あるんだが、一番ぶっ飛んでるのは、これまで作品の中で重要な位置を占めてきたロボットの全体的な呼び方が「モーターヘッド」(MH)が、漫画の連載途中で突然「ゴティックメード」(GTM)という呼び名に変わり、メカデザインもそれまでと全く変わり、個別の機体の呼び名も

L.E.D.ミラージュ→ツァラトウストラ・アプターブリンガー
エートール→バーガ・ハリ

などと、それまでとガラリと変えちゃったところ。

わかるかなあ。ガンダム見てたら、途中からガンダムがエヴァンゲリオンの初号機に変わったけれど、そのまま何事もなくお話が進んでいく感じといえばわかるだろうか。

…ね?無茶苦茶でしょ。

でも、メカニックデザイナーが自分のデザインの発表を、自分の漫画の世界観に落とし込んでるだけと思えば、昔書いたデザインは気に入らないから新しいのに差し替えますよってのもなんとなくわからないでもない。

ちなみに、永野護さんは昔からこういう人で、漫画が連載されているNewtypeに掲載された漫画と、単行本収録の漫画との間に加除修正が山ほどありすぎるために、本来の単行本

これとは別に、一番最初にも載せた、リブートという、Newtype掲載時そのままを収録した単行本の二種類がでている。

また、デザイナーとしての真骨頂が設定資料集にも表れている。まあ、すごいのよ、作り込みが。

普通、その辺はなんとなく放置して書き込まないだろうという、民間人の乗る乗り物の内部構造だとか、その機械のその部分が何のためについているのか、だとか、そういう細かい設定ががっちりと書かれている。いわゆる工業デザインのそれなのだ。

だから、3Dモデルも作りやすいのかこっちもすごい。

かっこいいよね。ちなみにコイツも「ダルマス」みたいな名前になって全然別デザインになっちゃいました。

何物にも縛られないファイブスター物語の心配は完結するのかってこと

こんな感じの無茶苦茶な漫画、ファイブスター物語。

作者の永野護さんはいろんなことに興味があるので、よく休載しては他のことに手を出してきた結果、もう30年以上経つのに、まだ15巻なんだよねー。

この巻末には、年表があり、その通りに漫画が進むことになっているし、そもそもエンディングからこの話は始まっているから最後どうなるのかも知っているんだが、その年表の、漫画による肉付けが全く進んでないんだよな。

だから、未完のままファイブスター物語は終わるかもしれない、それが目下の心配ごとである。

終わりに

支離滅裂な漫画紹介となったが、そもそもファイブスター物語が支離滅裂なんだからしょうがない。もし、読もうと思った人、リブートの方がお安い上に二巻分が一つになってるからお得かも

めちゃくちゃだが、ハマったら最後。

FSS沼は抜け出せない

今日はそんな作品をお勧めしてみたよ。







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