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【WACK】眠れぬ森の美女事件推理会議

この記事は、ピスタチオちゃん推理コンテストの謎解きを含みます。謎解きに参加される皆さんは、それを理解した上で読んでね。もし、まだ謎解きが終わっていなかったら、終わらせた後に読んだ方が、ミスリードされないかもよ笑

プロローグ

如水喫茶店では、ワディとピスタチオが推理会議を開いていた。

「やあ、捜査は順調かい?」

白は二人にそれぞれ飲み物と軽食を差し出し、そこに腰を下ろす。

「白さん、いつもありがとうございます。これは…ビスコッティですか?」

「そうそう、この間黒猫ドゥギーちゃんが遊びにきてね。そのときに振る舞ったんだが、これが好評でね。そちらの山羊ミルクには今日はマタタビはやめておいた。」

「流石に酔っちゃうと推理になりませんからね」

ピスタチオは笑いながらビスコッティをつまむ。

「うん、これは美味しい!」

「えーと、これは?」

ワディが自分の前の皿に視線を移す。

「ああ、それはスィートポテトさ。もし、気に入ってくれたなら奥様にお土産にどうかなと思って。石川の五郎島金時…ああ、ここの外界から取り寄せた芋を使っているんだ」

「それ絶対喜ぶやつ!どんなツテがあるんだよ白さん…」

「まあまあ。それでライナスは見つかったのかい?正当防衛といっても殺めたことに変わりはないからね。」

「え?ライナスが?殺めた?」

「ん?そんな話じゃなかったっけ?違った?」

「白さん、どうしてそう思ったのか、もうちょっと詳しく教えてくださいよ。」

「お?ああ。」

白は、不思議そうな面持ちで二人を眺めると、ゆっくりと話し始めた。

※※※

謎解きの部

…という感じで、始まりました推理編参加企画。俺からもひとつの答えを導いていきたいと思います。

最初に、正直にいっておくと、さっぱりわからん笑

さすがピスタチオちゃん。こんなに溢れ出る文才を持っているとは、ほんと電子出版してw

さて、まず、俺は犯人はライナスだと目星をつけている。

それは凛ちゃんのオーラ視に全幅の信頼を置いているからだ

え、ずるい?笑

「まず、このちょっとイケメン風の男性。何か強い感情を胸に秘めてますね。愛情か・・・もしかするともっとネガティブなものかも。嫉妬、怒り・・・うーん、結界の影響で正確には読み取れないけど」
凛が最初に指を指したのは今回の事件の被害者であるニコラスの写真だった。
「もう一人、この女の人もかなり強い思いを抱いてますね。この美人さんです。この人の感情も誰かに対する愛、のようなものかもしれない」
2人目に指差したのはインソムニアの写真だった。
「それから、この人も・・・さっきの2人に比べると少し穏やかだけど、やっぱり強い思いを秘めている。彼から感じ取れるのは、責任感や使命みたいな感情かも」
3人目はコリネウスの写真だった。

魔法の結界に阻まれているとはいえ、ライナスを除く登場人物から凛ちゃんが強い思念を読み取ったのは3人。ニコラス・インソムニア・コリネウス。

そして、ここに写真のない人物が一人。それがライナス。

殺人を犯したものがシリアルキラーでもない限り、何らかの念は読み取れるはず。だが、死んだニコラス以外に念を読み取れたのは二人。

しかも、この二人は相互にアリバイを補完し合う仲であり、タイミング的に首を絞めて殺すことはできない。

よって、ここに姿が見えないライナスが犯人である。

これがライナス犯人説の根拠である。

では、ミスリル製品を身につけていたニコラスの首を、ライナスがどうやって締めたのかという点だ。

そもそも、首を絞められたときには、ニコラスはミスリルを身につけていなかった、と考えたらどうだろう。

このミスリルのペンダントはマーリンが

「かすかにじゃが、何か魔法がかかっていた痕跡が残っている
「うむ、すでに効果は切れているので詳しくはわからんが・・・魔法か、あるいは一種の呪いか・・・」

と述べるように、何らかのエンチャント(付与魔法)があったと思われる。マーリンがそういうなら、ミスリルそのものが持つ力ではなく、後から付与されたものだろう。

また人狼除けの効果ではないとマーリンが明言していることから、ペンダントがある状態で、ライナスが触れないのはほぼ確実だろう。

こと魔法に関して、マーリンのような大魔道士が偽りを述べることはないと信じれば、のことであるが。

工房は魔法付与を行なっていないという。ならば、それを付したのはニコラス、またはインソムニアと考えられる。

黒い魔女は私が彼女から学んだ全ての魔法の力を奪った。

この話から、インソムニアはどうやら白魔法については奪われていないと思われるので彼女がエンチャントするなら、白魔法であろう。しかし、タイミング的にライナスを守るための人狼がミスリルに触れるような魔法付与ではなさそうだ。

もし、彼女が魔法をかけたとすれば、ニコラスへの治癒魔法かな。ミスリルの力と彼女の治癒魔法によって、蘇生を試みたが、すでに事切れていたため、命は助からなかったということか。

あるいは自分がニコラスの呪縛からの解放されることが頭をよぎったか、ミスリルを身につけたままにさせることでライナスを嫌疑から守ることになると気づいたか。

どうも苦しいのでこちらの線はないと考える。

もうひとつの線はニコラスがインソムニアの呪縛を強めるために街で何らかの魔法、例えばチャーム(魅了)などを付与した線。

ライナスが来るので今は外していたが、普段はインソムニアに身に付けさせるためにニコラスが工房で作らせたのが、このミスリルペンダントという線だ。

どちらにせよ、殺人との関係性は少ないのでこれもミスリードの類であろう。

結果として、俺が考える犯行に至る流れは、時系列でいうと、こうである。

①ニコラスがライナスに害をなそうとする。

②結果としてライナスがニコラスを殺める。

③ライナスが窓から逃亡する。あるいはそう見せかけて屋敷内に潜伏する。

④インソムニアが倒れているニコラスと現場の状況から事情を悟り、ニコラスにミスリルのペンダントを身につけさせた後、悲鳴をあげる。

ライナスは、動機としてインソムニアの呪縛をときたいという気持ちは持っていただろうが、犯行は、正当防衛の結果のものであると考える。

ライナスが何らかの思いをインソムニアに向けていたとすれば、それが愛情であれ友情であれ、ライナスの性格から、インソムニアを解放してやりたいと考えていたというのは頷ける話だ。

ニコラスのインソムニアに対する愛情は、常に2人でいたという周りの証言から、多分、偏愛といえるほどのものであったろうと思う。それは、インソムニアにとって非常に息苦しいものだったに違いない。インソムニアが毎晩のようにパーティを催すのは、常にニコラスとともにいなければならない状況を紛らわせるための苦肉の策だったとも考えられる。

メアリーアンは、そのインソムニアの気持ちを知っている。だからこそ、死によってイバラの呪縛から放たれたインソムニアの思いを「不幸中の幸い」と表現したのだ。棘のあるイバラは、この館(そしてニコラス)を、その館の中でメアリーアンの育てる棘のない薔薇は、インソムニアをそれぞれ暗示しているのかもしれない。

ちなみに、人狼複数説も考えてみた。

まず、ニコラスもまた人狼であるという説を考えたが、そうだとしたらミスリルを身につけた時点で、きっと皮膚にも影響があるだろうから却下。

次に、インソムニアが人狼ならば、永遠の美を持ち、呪いを受けていて、なおかつ人狼であるというなんともお腹いっぱいの設定になるので、これも却下。

他の人物で最も可能性があるとすれば、メアリーアンだろうか。マーリン、コリネウス、シャムロックは、それぞれライナスとの関係性やミスリル製品への関わりから可能性は低いだろう。ああ、メアリーアンも荷物を受け取っているから、違うな。

ということで、人狼はやはりライナスだけであり、ライナスが傷を負い、抵抗する中でニコラスの右手を殴打したと考えるくらいが自然だろう。

そうすると、やはり人狼の血はライナスのもの。血がポタポタ落ちているような状況だから、ひとつひとつに後でミスリルをつけて砂にするのは大変だし、そもそも、その知識があるかどうかは不鮮明である。ミスリル製の何かで傷をつけられたと考えた方が自然。リストから推測するとナイフかな。

サイドテーブルのワインはミスリード。あるいはニコラスがライナスをそこに待たせて一旦部屋に戻り、ナイフを持ってくるための方便だったとか、そこで一人ワインを飲みながらライナスを待つつもりだったくらいかな。毒殺の線があるならワインの成分を鑑定する必要ありだね。

ガラスだが、今わかっていることは内から外に割れたこと、大人が通れるくらいに大きく割れていることの二つ。

割れた音は一度であるから、体ごとぶつかるような形でないと大人が通れる程度の割れ方はしない。もしくは椅子やテーブルで殴るとかかな。だからといって外に出たとは限らないので、屋敷内にライナスが潜伏している可能性はある。

ミスリルでの深傷がライナスを蝕んでいるのは確実だから、もし外にいるのなら、程なくフリーザが見つけるだろう。

屋敷内であればメアリーアンが匿っている(もしそうならインソムニアも加担)可能性はあるな。

さて、最後にひとつ。

この事件で一番得をするのは誰か。

それはインソムニアである。

死が二人を分かったのだから、晴れて自由の身になったインソムニアは、ここでやっと黒の魔女に打ち勝ったことになる。白の魔女から魔法を継承した彼女は、老いと死から遠い存在となったのだ。

また、ニコラスが異国のミスリル採掘権を持つ王族であることはシャムロックの口から語られている。

「ミスリル鉱山の採掘だ。ご存知かどうか知らないが、ニコラスはある国の王族でね。その国にあるミスリル鉱山の採掘権を持っている。かなり上質なミスリルが出る山で、僕の調査では埋蔵量も相当なものだ。ニコラスと手を組んで、その鉱山から産出されるミスリルを一手に扱えることになったんだ」

王族でありながら、国を離れてこの森の屋敷にインソムニアと暮らしているところを見ると、王位継承権はそこまで高くはないと考えられる。

しかし一方で、ミスリル高山を自由に裁量できる力を持つことから、ある程度の地位や名声、富を所有していると考えてもおかしくはない。まあ、第三王子ってなところか笑

そのニコラスが不慮の事故で死んでしまった。

とすると、長らくその奥方だったのだから、その地位の継承権はインソムニアにあるのではないだろうか。

さらに、彼女はすでに大きな人脈を持っている。そう、毎晩の夜会によって。

つまり、もともと自身の手で人脈を、そして魔法により無限の時間を得ていたインソムニアは、ニコラスの死によって自由さらなる富をも手に入れたのである。

その死によって最も得をするものを疑うとすれば、インソムニアは、残念ながらその条件を十分に満たしていると言ってよい。

すなわち穿った見方をすれば、実行犯はライナスであったとしても、それはインソムニアによって誘導されていた…とは考えすぎだろうか。

ライナスが、ミスリルによって致命的な傷を負って命を落としたならば、それもまたインソムニアには好都合なのだ。なぜなら彼女にとって、最も愛するものは自分であり、自分の美しさなのだから。

エピローグ

「…という感じかな。まあ君たちから聞いた話だけからの憶測混じりだから、我ながら信憑性に欠けるとは思うがね。」

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(2人の反応はまた種明かしの後で、追記しよっと。ということで、現段階ではここまで!)

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