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菊一輪日常は常ならぬこそ

菊(きく)三秋
kiku【子季語】
白菊、黄菊、一重菊、八重菊、大菊、中菊、小菊、菊作、厚物咲、初菊、、乱菊、千代美草、懸崖菊、菊の宿、菊の友、籬の菊、菊時、菊畑
【きごさい季語と歳時記より抜粋】

夏休み、本を読む

たまちゃんに触発されて、遅読ながらこの夏、積読(つんどく)を消化している。

たまちゃんはこの宣言の後、みんなからオススメを募り、それらを購入し、読み倒している。

俺には同じことはできないんだよな。本を読むときはいつも向こうから声をかけてもらえないと手にとらないし、かといって書店で平積みされて「今一番売れてます!」とか、あんまりに押し出しが強くても、「いや、間に合ってます」と引いてしまうこじらせドッカー(読家)である。

今回読んだ本のお話

先日、「そろそろ読んでみない?」と、うまく声をかけてくれたのがこの子。

2020年の本屋大賞にノミネートされていたと思うんだが、まあ一年寝かしていたわけだ。

実は、この本漫画化されていて、多分講談社だけにマガジンだと思うんだが、俺的には面白かったんだよね。急に終わったから打ち切りだったかもしれん。打ち切りといえば、月刊マガジンの女の子がラップするやつも…はっ、話が逸れてしまった。ともかく楽しみに読んでいたので内容がある程度入っていた分、逆に読んでいなかったというね。

で、今回読んでみたんだが、漫画はかなり忠実に描かれていたなと思ったので、この本を読んだことがある人は、逆に漫画を読むのもありだと思う。わずか4巻だしね。

ざっくり述べると、高校生のときに、両親を突然事故死で失い、自己喪失していた主人公が、水墨画と出会い、自分と向き合えるようになる話。

鍵になる水墨画について、俺は雪舟くらいしか知らなかったから、水墨画の輪郭を知るという意味でも面白かった。

四君子

水墨画の初心者が取り組む画題に「四君子」というものがある。「蘭、竹、梅、菊」の四つのことだ。この四つの画材に水墨画の全てが詰まっているのだそうだ。この話では春蘭を描くことから始まり、集大成として菊を描くことになる。

冒頭の句について

日常は常ならぬこそ菊一輪  白月

この本を読み終わった後の俺の心に残ったものを詠んだ。

日常は日ごろから常にあるものだから日常という。我々はともすれば、今日という日と明日という日は、何も変わらないと感じるし、当たり前にそこにあるものとしてとらえている。

しかし、些細に感知するならば、一切はひとつとして同じであり続けはしないし、変化し続けている。

つまり、常ではない。

この本で「菊」は、後半の重要な鍵となる画材だったので、「菊」を取り合わせてみた。

技術的にいうと、下五「菊一輪」が、六音の字余りになっている。「ん」という撥音の響きはそれほど邪魔にならないかな、むしろそこに印象を残せないかなというところなのだが、ここは教わりたいところ。

あとは俳句なのか川柳なのかというそもそも論もあるけれどね😏

※※※   追記 ※※※

Rxちゃんの推敲を受け、

菊一輪日常は常ならぬこそ

と直しました!破調になるんだけれど、この方が確かに菊のイメージがまず飛び込んできていいね!


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