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一週間を紐解く…Ep6(金曜日)

私は
金曜日が
愛おしい

私は
終わりが始まることが
恐い・・・ので

一週間の終わりは
土曜日~日曜日と思っている
終わりが始まる手前の
金曜日は
たまらなく愛おしい

誰にも指示されない
誰にも邪魔されない
誰にもさわられない

そんな自分の空間を
もう少しで満喫できる
・・・という希望
その空間が
時空が
一週間の終わりに
待っているからこそ
私は
息をして
生きていられるのだ

その希望を
持てる日が金曜日

ある日
先生は
「いつものあなたらしくない」・
「いつもの冷静さが見られない」
「あなたの書く文章ではない」
「こんなあなたではダメだ」
「いつものあなたに戻りなさい」
・・・と言った

金曜日なのに・・・

「いつもの」・・・ってなんだろうか?
確かに
今まで観せなかった私がいた?

今まで
どこでも
いつでも
誰に対しても
演じたつもりも
装ったつもりも
なかった

私は・・・私
その先生が
私の一部しか
観ていなかった・・・と言うことだろう

自分という多面性を
人は
観ていたり
観ていなかったりすることを
知る

最初の疑問を
フーッと
吹き消すと
妙に落ち着いた

そして
私は
金曜日という宝箱を
そっと
開いた