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今日の1冊 その3

さてさて、眠れない夏の夜に相応しく怪談………ではなく、今回は一応ノンフィクションをご紹介

私は他記事でも書いたが知的好奇心が旺盛。旺盛すぎてジャンルも幅広く……というより広すぎ、その深度もなかなかに深くいってたりする。その中ではかなりメジャーなものを取り上げることにしよう

今回の今日の1冊はこちら!

塩野七生
ローマ人の物語
ユリウス・カエサル ルビコン以前

ユリウス・カエサル ルビコン後

こちらは文庫版
今はKindleで元々の新書版が出ている
………のを今知った
途中までで止まっていたので、最後まで読もうと思う


今までとは違う、全然違うジャンルだろう。私は大の歴史好き、だからこそ読むべくして読んだ塩野七生のベストセラーだ。知ってる人も多い…………と思っていたが、良く考えればめちゃくちゃ昔の刊行だったな………


それはともかく、世界の歴史を作ったユリウス・カエサル(英語読みのジュリアス・シーザーのほうが有名だろうか?)の話。高校世界史とかだと一瞬で終わってしまうところだが、西洋史を学んだことのある方にはお馴染みすぎるというか、偉大すぎるというかともかくすごい人物である

かなりいい男になってるカエサル像
この画像のように月桂冠を被っているものも……
これには理由、しかもなかなかな理由が……

彼がどれくらい世界史に影響を与えたかと言えば…………まず今の暦の元を作った(作らせた)のは彼だ。今使われているグレゴリオ暦は以前のユリウス暦(もちろん名前も彼のもの)の誤差を修正したもので、基本は変わっていない

そして「ヨーロッパ」を作ったのも彼だと言われている。実際イギリスでもフランスでもその他諸地域でも、それは変わらない認識だ。さらにさらに東方アジア以外の地域で「皇帝」というのはカエサルという彼の名前が由来となっている。正確にはラテン語の「カエサル」が皇帝の事と訳されていて、中国史の皇帝とは異なるもののことなのだ。つまり訳が間違っているので同一視されてるだけで、元々は全く別のものだったという事になる


と、これだとユリウス・カエサルの説明になってしまう。わざわざこの本を選んだのは理由がある。この本は歴史書にあるカエサル、ではなく、人間ユリウス・カエサルをユーモアたっぷりに書いているからだ。彼はエピソードに事欠かない人物と言える。下手をすれば最近の偉人達より知られていることは多い

例えば…………彼の代名詞といえば…………

借金と愛人


だ。え?世界的大人物の代名詞、コレ?となる方が多いだろう。だがこれも彼の並外れた一面に間違いない。細かなことは本書や他のサイトで確認して欲しいが、彼ほど(個人で)多額を借金して、またそれでも動じなかったという人物を私は知らない。また彼ほど愛人が山ほどいた、しかも純粋に相手に惚れさせ、さらに愛人同士で争わせなかった人物を私は知らない

そりゃ借金も愛人(というか妾とか側室とか)も多かった人物もいた。いたがそれは権力の中で、であって個人的な側面ではない。彼はあくまでも個人でも別格なのだ。正直カエサルの方法論の話が売ってたら、即ベストセラーだし私も必ず即買って読む!


まあ何から何まで規格外、ある意味完璧超人な彼の話。それが詰まったいっさ………いや、2冊(文庫版だと6冊)だ。そのあまりの魅力に取り憑かれちゃった人は数多い。もちろん日本の著名人にもファンは数知れない

最初の画像の理由は………これ!
ハゲちゃったんだな、これが……
さすがのカエサルも髪の毛だけはウィークポイントだった
本人かなり気にしていたらしい
人間、いくらすごくてもどこか欠点はある
もちろんそれを良し!とする方にとってはなんでもない事だし、
それはそれで正しい!


そんな彼から世界史を学ぶきっかけを手に入れられる、そんな本となっているはずだ。これこそ是非とも読んでみて欲しい!


P.S.オマケだが、当時カエサルはそこまで美男子とは言われてなかった。ポンペイウスとかオクタヴィアヌスとか、いくらでも美形男子はいたそうだ。それでもカエサルだけがやたらモテた。つまり顔の美醜だけがモテ要素じゃない!!
男性諸氏、我々も自信を持とう!(女性も同じだと思うが)

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