見出し画像

【詩】貯水槽

「貯水槽」


(横書き)

死が見えた途端人は優しくなる。
相手の貯水槽にポタポタと、暖かい言葉を流し込むんだ。
(死なんていつでも側にあるというのに)
優しくされたかったからと、
一度死んで生き返ってみたあの子は今絶望しています。
良かったと言ってくれる人よりも、
よくも騙したなと激怒する人の方が多くて。
「無償の優しさなんて宝くじで1億円当たるぐらいだから期待しないほうがいいよ」
そう言いたかったけど、昔、それは呪いだと言われたから
飲み込む、私。

落雷せよ、今すぐに。
貯水槽など壊して、その衝撃音でみんな目覚めて
そしてこの先ずっと、ずっと、
優しい雨が降ってほしい。



この記事が参加している募集

私の作品紹介

していただけると嬉しいです。ぜひよろしくお願いします。