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基尺考 業界人は読まないで!


基尺とは

積み木のオモチャをつくる際に考える基本の寸法を基尺と言います。建築などの規格サイズと少し違うと思う。本膳料理などの日本料理には基尺の考え方で器やお膳がつくられていると思うが、現代の日本料理では基尺が崩れてきたと思う。

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積み木と言えばスイスのネフ社の積み木が有名です。ネフ社は2.5cm角が基尺になっています。そしてその倍の5cm角もよく使われますが、2.5cmの倍の大きさなので、もちろん一緒に使用できます。

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この様に基尺が同じであれば、ネフ社以外の積み木とも組み合わせて遊ぶ事が出来ます。この考え方を応用しようと考えました。

器の基尺をつくる

御所坊で使用する器は出来るだけ綿貫先生の器を使いたいと思っています。そこで機会がある時に器を集めているのですが、ある時若干問題を感じる時がありました。それは先生もその時の感じで器を作っているので、組み合わせとして器を使おうとすると微妙に大きさが違うのです。

そこで新たに先生の器を使う時に、先生の了解を得て大きさの調整をしてきたのです。というのは先生の器の作り方は大きく2種類あって、一つは基本の形を先生がつくり、それを基に石膏型をつくり量産できるようにするのです。そしてその器に先生が描いた絵のシールをつくり、そのシールを器に貼って、更に焼くと器が出来上がるのです。

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まず鉢の大きさを12㎝にしました。オリジナルより直径で5㎜大きくしたことになります。同様に角皿も少し大きくして12㎝に揃えました。そうするとその角皿に10㎝角の市販の網が置けるので、天婦羅にも使えると思います。

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30㎝角の箱をつくるとしたら、12㎝の鉢や皿がちょうど収まります。箱の外寸が30㎝角になります。

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升目を9つに区切ると小さな皿が入ります。そうすると皿の直径を8.5cmにして、ソース等を敷けるように少し窪みを付けたオリジナルの皿をつくりました。もちろんそれ用に先生に文字を書いてもらい、皿に描きました。

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そうすると、もう一つ別の仕切り方が出来ます。

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直径18センチの皿、深鉢が収まります。もちろん四角器もOKです。

また8.5cm×18cmの横長の器も収まります。

器の基尺が決まると・・・

ちゃんとした箱が出来上がったのが一昨年の年末。つまりコロナが始まる前の事。そこで昨年コロナが始まり、お客様とスタッフの接触の機会を減らせるように、これらの器を使ってお弁当形式で料理を提供しました。

そしたら・・・うちのスタッフが文句を言うのです。「テーブルに器がのらない!」

まあそうだな、考えてみたらテーブルを選択する際に提供する器の事を考えていなかったし、設計士もその感覚はないんじゃないかな?

そこで御所坊の料理を提供する為のスペースを決める事にした。結論から言うと幅80㎝、奥行き40㎝。

そしたら又文句を言うのです「鍋がのらない!」。ではテーブルの奥行きは100㎝にしよう! 20㎝置くスペースが確保できるし、それ以上大きければ手が届かない。

テーブルをつくる

テーブルの奥行き、100㎝というテーブルはネットで探しても見つからない。唯一、幅100㎝、奥行き80㎝というテーブルを購入して縦横逆にして使うか!?とも考えたが、もう一つテーブルに組み込みたいものが有って、やっぱりテーブルをつくることにした。

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通常のテーブル比べて、横幅より奥行きが大きい。それを視覚的にごまかす為にテーブルクロスの上にセンターを置く事にした。

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従来使用していたテーブルより20㎝奥行きが長くなった為に、椅子の位置が20㎝通路側に伸びたが、そんなに違和感がない。黒のテーブルクロスにしたことで視覚的に小さく見えるのも作用したかもしれない。

テーブルについては上記の2つのノートをお読みください。

その次は・・・

器とテーブルが決まると、器を運ぶ 脇取りが合わない。器は色々なサイズが出てきているが、脇取りは基本的に昔のサイズを踏襲している。尺貫法でいう肩幅のサイズ約60㎝のモノが多い。

そうすると先述の箱が二つのらない。非常に動きが無駄になる。最近の若い子は体格も良いので、肩幅も広くなっているはずだから、60㎝より大きくても良いはずだ。

箱のサイズが30㎝角だから、二つで60㎝、1㎝ぐらい隙間があった方が良いので内径が63cm。木の厚みを1㎝とすれば65㎝の脇取が必要という事になる。現在問合せをしてオリジナルサイズをつくるとしたらの価格を聞いている。

そしてその脇取りを収納する場所を考える。

この様に、問題にぶち当たったら次々と解決していく事が必要ではないかと思います。

STEAM教育

AI時代の中、子供たちにプログラミング教育が世界的に行われている。有馬玩具博物館でもSTEAM教育用のおもちゃを揃えている。

今回のnoteは古典的な積み木のおもちゃの話から始まったので、ここで一つのおもちゃを紹介しよう。

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RUSH HOUR という名前のゲームで、問題の解決能力を養う事が出来る。車は縦か横にしか動かせない。赤い車を右手の欠けている所から出すというゲーム。

赤い車を動かすには何が障害になっているのか? その障害のある車を動かすには又、障害があり、それを解決するには・・・と次々と障害を解決していくゲームです。

たまには有馬温泉にお出かけください。有馬玩具博物館も少しづつですがオープンしています。


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