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ビールと水

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ビールと水についてざっくり解説するシリーズです。
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記事一覧

ビールと水〜㉓最終回

前回からの続き 前々回、前回とIPAやピルスナーと現地の水の関係を見てきました。歴史的に見て…

Shiro Yamada
4か月前
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ビールと水〜㉒ピルスナーの誕生と水

前回からの続き 前回はIPAの成立要件とバートンの水質についての話でした。今回はピルスナーの…

Shiro Yamada
4か月前
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ビールと水〜㉑IPAとバートンの水

前回からの続き 前回はビールの銘醸地と言われる各地の水質とビアスタイルへの影響と、水質資…

Shiro Yamada
5か月前
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ビールと水〜⑳水質とビアスタイル

前回からの続き 前回まではコロイドとビールの濁りについて3回に分けて触れました。ヘイジーな…

Shiro Yamada
6か月前
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ビールと水〜⑲コロイド後編、濁りの安定性とは

前回からの続き。 前回はビールの濁りのメカニズムとしてタンパク質とポリフェノールの相互作…

Shiro Yamada
7か月前
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ビールと水〜⑱コロイド中編、真犯人はプロリン

前回からの続き。 前回はコロイドの基礎理解編でした。今回はいよいよビールの濁りのメカニズ…

Shiro Yamada
7か月前
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ビールと水〜⑰コロイド前編、濁りとコロイドの基礎理解

前回からの続き 前回は香気成分と水について。Survivables理論の前提理解として、水に溶けやすい香気成分とは何かという話をしました。今回はビールの濁りに大きく関わってくるコロイドについてです。 ビールと濁りの関係一部のスタイルを除いて、ビールにとって濁りは長年の敵でした。微生物汚染による混濁、酸化混濁などはオフフレーバーを伴うので、濁ったビールは美味しくないビールの証ともされてきました。近年はHazy IPAの流行で濁りに対して好印象を持つ人も増えてきました。 Tu

ビールと水〜⑯香気(臭気)成分と水

前回からの続き 前回は現代の神話Sulfate-Chloride Ratioについて、その限界を中心に触れまし…

Shiro Yamada
8か月前
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ビールと水〜⑮現代の神話Sulfate-Chloride Ratio

前回からの続き 前回はビールの味わいに影響する代表的な5つのイオン成分を見てきました。今回…

Shiro Yamada
8か月前
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ビールと水〜⑭味わいに影響するイオン成分

前回からの続き 前回はイオン成分の概論として麦汁中のイオン成分が仕込や発酵にどう影響かを…

Shiro Yamada
10か月前
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ビールと水〜⑬イオン成分の概論

前回からの続き 前回でpHの話は終わりです。「ビールと水」の話は多くがpHに関するもので、理…

Shiro Yamada
10か月前
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ビールと水〜⑫麦芽の話

前回からの続き 前回はMash pH調整におけるラスボス・残アルカリ度を取り上げましたが、今回は…

Shiro Yamada
11か月前
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ビールと水〜⑪アルカリ度のラスボス!?残アルカリ度

前回からの続き 前回までに見てきたアルカリ度、平衡、カルシウム(マグネシウム)の固定化作…

Shiro Yamada
11か月前
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ビールと水〜⑩平衡の仕組みとカルシウムの働き

前回からの続き 前回はアルカリ度入門編ということで、アルカリ度のさわりとCarbonate Systemについて説明しました。今回は平衡の仕組みを説明し、その後にカルシウムの働きについて触れたいと思います。 そもそも化学平衡とは酸と塩基、pHなどの理解のベースとなる化学平衡とはなんでしょうか。化学反応が進行する過程で、生成物と反応物の濃度が一定の値に達すると、その後濃度がほぼ一定に保たれる状態を指します。この状態では、化学反応は進行しているものの、生成物と反応物の濃度が一定