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お餅と石油ストーブ

世の中の出来事

1月1日 - ギリシャが欧州諸共同体(EC)に加盟。
1月1日 - パラオが自治領となる。
1月19日 - イラン政府、1979年11月4日以来約14ヶ月間にわたって拘束したアメリカ人兵士52人を釈放することに合意(翌日、444日ぶりに解放される)。
1月20日 - ロナルド・レーガンが、ジミー・カーターの後継として第40代アメリカ合衆国大統領に就任。
1月25日 - 中華人民共和国元最高指導者毛沢東の妻江青に対し、死刑判決が下る。

お餅と石油ストーブ

年の暮れから元旦にかけて、毎年祖父母の家ですごした。
元旦の朝、当時3歳だった私は7時前に起床した。
お祖母ちゃんが台所で朝食の支度を始める物音がしたからだ。
前日の大晦日もいつも通り早く寝たことが、早起き出来た理由でもある。
元旦の朝は昨年の暮れに搗(つ)いてカットされたお餅を焼いて食べる。
信州では基本的に砂糖醤油に焼いたお餅を浸して食べる習わしがある。
その日の朝は、お雑煮と焼き餅が振る舞われるようだ。
小諸市西原の元旦は極寒であり、台所の北の窓からは雪化粧した浅間山が見える。
お祖母ちゃんはダルマストーブにマッチで火を灯す。
ストーブの上に金網を置いてから熱くなるまでの間、二人で話を愉しむ。
段ボール箱に入れられたお餅をひとつづつ丁寧に取り出し、順に金網の上に並べて載せる。
ストーブの火に炙られたお餅は、香ばしい匂いをした白い煙を上げる。
時々お餅をひっくり返し、両面に満遍なく火が当たるようにする。
やがてお餅は美味しそうな焦げ目がつき、膨れて大きくなったら食べ頃である。
最初に焼けたお餅は私が砂糖醤油に浸して食べることができる。
これは早起きした特権でもあった。
また段ボールからお餅を取り出し金網に載せ、ダルマストーブにあたりながらお餅を頬張った。

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