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【品川区ラグビー協会主催セミナー】ウチの子と楽しむラグビーW杯!トップレフリーだからわかる「カンタン観戦法」だけじゃなかった、レフリーから学ぶコミュニケーション術! 学び003-①

■ラグビーのレフリーから学ぶポジティブコミュニケーション術

「笛を吹いて取り締まるのがレフリーの仕事ではないです。」
セミナーの冒頭で川原佑氏(日本ラグビー協会公認A級レフリー)はこう仰ってました。
「え。。。だって反則したらピピってやって、規律を守らせる・規律に沿ってちゃんとプレーさせる事がレフリー仕事じゃないの?(心の声)」って思ってました。
でも聞いていくと、それはレフリーという立場としてだけでなく、チーム・家庭・会社での人間関係構築への大きなヒント・アドバイスになる話でした。

特に今回のセミナーは自分にとって、『ラグビー未経験』の父として、ラグビークラブのジュニアコーチとしての立場で、どうやって息子・選手と信頼関係を築き上げていくかの貴重なアドバイスになったと感じています!

自分が学生時代、昔ながらの圧力の中で、剣道という競技を続け、周りの仲間のお陰で結果を残せてきました。
それから自分が子供達を指導する立場になって、自分のコーチングって本当にあっているのか!?と悩んだ事がありました。自分が感じた圧力と同じ事を子供達にしているだけでは?と。
そこで1度、剣道の指導から身を引こうと決めました。
それから、息子が誕生してラグビーに出会い、少しして息子が競技を始め、自分はコーチングを勉強するようになりました。この年齢で学び始めて良かったのが、昔の自分の経験も相まって、コーチングの理論を深く学べるなと感じました。
そこに今回のセミナーで学べた事は気付きも多く、自分の考え方のブラッシュアップにもなりました。

今回は、特に自分には必要だと感じた2つのポイントの紹介と、そこからの持論を書いていこうと思います。


■”取り締まる”のではなく『一緒に作り上げる』

5番の選手が試合中に『オフサイド』の反則をしました。レフリーがその後にかけた言葉が2種類ありました⇩

①『5番オフサイド!ルールブックに書いてあるのに何で出来ないんだ!』と言うレフリーと、
②『5番オフサイド、もう一歩下がる努力お願いね!』
と言うレフリーがいました。
選手が『ルールを守る努力をしよう!』と感じられるのはどちらの言葉掛けでしょうか?

言わずもがな、だと思います。

ちなみに川原氏は試合中でも、そういった言葉を『選んで』使われているそうです。それは何故か⇩

■①の場合
試合中に選手は意図せず、スキルや体力不足が原因で反則を犯してしまう事が多いんだそうです。しかも、何が悪かったのかが分からない場合もあり、特にその様な時に①のような発言をしてしまうと、レフリーを敵対視するようになってしまい、レフリー嫌いあるあるに発展してしまうと。
それは選手が一生懸命やったプレーを『完全否定』された気持ちになるから で、信頼関係が築けず、崩壊してしまうという流れです。

▼②の場合
川原氏は、反則の笛を吹いた直後、プレーの合間に②の様な声掛けをするようにされているんです。そうすると選手がどうすれば反則にはならなかったが分かって、次のプレーへの意欲に繋がっていくそうです。またレフリーの事をゲームを一緒に作っていく仲間だと感じてくれるようになり、『ポジティブ(前向き)』な気持ちが生まれ、信頼関係の構築に繋がっていくという流れです。

「押しつけ」や「否定」は、相手の気持ちを削いでしまったり、反発を生む原因になってしまいます。そこで必要になってくるのがフォローアップです。上の流れで言うと、「1歩下がる努力を・・・」と言うような提案や、寄り添うようなアプローチ方法になるかと思います。

それを、ラグビー以外でも考えてみると、
選手を ⇨ 子供・部下・生徒に
レフリーを ⇨ 親・上司・先生に
そうするとゲームは、 ⇨ 家庭・会社(部署)・学校(クラス)
の様になっていき、置き換えても話は通じるかと思います。
その場の雰囲気であったり、流れを作り出すのは一見すると選手だけに思われがちですが、裏方的な存在はやはりレフリーだと思いました。その流れに沿ってワクワクするようなプレーを見せて、盛り上げてくれるのはやはり選手であるかと思います。

上記の様な場を作り出すコミュニケーション、言葉かけの1つずつを大切にして、選手との信頼関係を構築をしていく事で『一緒にゲームを作り上げていく』そうです。
そうなると、ワールドカップでもレフリーがどのタイミングで、どう声を掛けているかを見ていくのも新しい観戦方法ですね!しかも信頼関係構築が得意になるかも!?


■聞く事:---割 / 話す事:---割

レフリーも選手と同じ様に海外に行って、レフリングを勉強したりする事があるそうです。川原氏が海外で出会った師匠とも呼べる方がクリス・ポロック氏(現ニュージーランドラグビー協会会長)。この方のコーチングで自身が成長したことをすごく感じる事が出来たそうです。どんなコーチングだったのか。
まずは聞く事だったそうです。(日本だと傾聴と言われることも多いですが。)では、なぜ聞く事が重要なのか。
それは、『聞き手に考えさせる事で自発的成長を促す事』が目的になってきます。
川原氏はポロック氏に会う前は、『与えられたことをやる=それは成長があるの?』と感じていたそうです。
実際ポロック氏のコーチングは、
ポ「何でそう思ったんだい?」
川『こういう風に考えています。』
ポ「そうか、そう考えるんだね。僕はここはこう思うけど、どう考える?」
といった流れのコーチングだったそうです。
しっかりと相手の意見・考えを聞いて、間に別の意見・同調などを入れてさらに深堀をしていく。

なので大切なのは『聞く事:8割 / 話す事:2割』

自分の意見ばかり「話す」のはコーチングと言うよりも、ティーチングの手法に近く、では「聞く」事に専念かとなるとそれは相手が話すだけになってしまいます。
なので、この割合を考えながら受け答えをしてみると、上手く相手の意見を引き出して、尚且つ考えられるような思考を持つ事が出来るようになると川原さんも仰っていました。もちろん家庭・会社でも応用が利きます。

でも、聞く事ってすごく難しいと僕自身感じています。それは子供に対するシーンで多いのですが、息子6歳(になったばかりです)にどうしても「こうしなさい!」と言ってしまう事が多いんです。
でも時々、聞く事に注力!って思って息子の話を聞いていった時に「あ、そんなこと考えてたんだ。」「なるほど、そういう見方あるよね」という風に6歳児からも学ぶ事は沢山あります。
だから、いかに自分が自分の意見で固まっていってるのかがよく分かる時があります。自分の話をしたいのは子供も大人も一緒。でも大切な人だからこそ相手の意見を優先して聞いていけるようになりたいと思いました。


■今回の2点から考えるコーチング方法・信頼関係の構築のまとめ

「聞き手に考えさせる事で自発的成長を促す」
昔の僕にそんな余裕はなかった(笑)
僕も剣道をやっていたけど「こうやって、こうしたら出来るんじゃないか!なんでやらないんだ!」って言われて、「はい!」って返事して素直に実行していた方でした。その通りやらなきゃまた怒られました。。。
そういった環境下でも成長という面で、「技術的」には物に出来る事もありました。

では、その成長の意味合いを、自分で考え、解決に至る道筋を立てて、実行出来るかという所に置いた際に、「聞き手に考えさせるコーチング」が果たして「YES・絶対そう」と言えるか?という事になると、

僕の中での答えは50-50なんです。

いや、普通なら「YES」でしょ。って考えますよね。
でも、6歳の息子の父、ジュニアのコーチとしての僕が思うのは、
①考える地盤がある人には出来るコーチング方法である
②その地盤を作ろうという目的があって行うコーチング方法である

と思っています。

幼少期から中学生の頃までは、考え・答えを導く為の経験値や選択肢も少なかったり、それこそ小さい頃から怒鳴られ、強制されている子もすくなからずいると思っています。なのでそこの見極めがまずは必要になるかと思います。
そうでないと、
いつまでたっても答えが出ない。
単なる誘導尋問になってしまう。
というマイナスな方向にしか行かなくなってしまう。
ただ、育成を考える場面では多少の時間を設けてあげる事は絶対に必要です。
ではどうするか、「ティーチング」を上手く使う事も必要になります。最初は誘導尋問でも良いから、考え方を学んでもらう事を目標にするなど段階を踏んでいけば良いと。
最終段階が、考える事での自発的成長。

ただ「聞き手に考えさせるコーチング」を実施する前段階として、聞き手との良好な信頼関係を築いた上での話です。
信頼関係が構築されていない状態では、意見を言ってもらったり、聞き入れてもらう事はかなり難しいと思っています。
例えば、自分が信頼していない人に設問をされて、気持ち良く「こうです」と答えられるでしょうか?
僕がこれをすごく感じた事があって、低学年幼児の練習でコーチの手伝いに入った時でした。
いつもは「なんでやらないの?こうしようよ!」という声掛けをしていても、なかなか話を聞いてもらえない子がいました。
でもその日は僕もそれじゃ変わらないなと思って
「それってこうしたら良いんじゃないかな?」といつもとは感じの違う疑問形でその子に尋ねた事がありました。そこから数回受け答えをすると、「こうでしょ!」と言って練習をやってくれた事がありました。
その時に何で今日はこうなったんだろう???と思っていたのですが、
子供でも大人でも「信頼が置けない人の意見に対して、素直に聞き入れるのは難しい」ってことなんだと、正に今回のセミナーの話で気付かせてもらいました。
声のかけ方・タイミングなどでそこは大きく変えていけるんだと。あの時の何でいつもと違ってこうなったんだろうという疑問がスーッと解けたような感じでした。

対象者の成長の場を一緒に作りあげた上で、自発的成長を促す様なコミュニケーションを取っていく。

言葉にするとこの2行だと思っています。
でもこの2行には、声のかけ方・タイミング・聞き方など、1つ1つを本当に大切にしてようやく信頼関係というのは築けていけるものなんだなと改めて実感して学ぶ事となりました。
僕も息子の活躍出来るような場所をしっかりと裏から支えて、その場所で予想しないくらい大きく羽ばたいてくれるように、促していける1番の理解者として隣にいれたらと思いました。

川原さん、沢山の気付き・学びをありがとうございました!
息子と浦安まで選手だけでなく「レフリー」を見に行きます!

追伸:うちの息子勝負が大好きなので、良ければ実践の相手もしてください!(笑)

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