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読書まとめ「星を編む」

凪良ゆう小説「汝、星のごとく」の続編です。前編では、暁美(アキミ)の恋人だった櫂(カイ)が花火大会の日に亡くなり、物語も終了しました。櫂(カイ)亡くなったあとのストーリーが後編「星を編む」で語られています。


どこから、話せばいいのでしょう。
続編もとても良い話です。
結ちゃんを産んだお母さんの話から始めましょう。


結ちゃんのお母さんと北原先生との関係

結ちゃんのが生まれる前、北原先生は本土の高校で教師をしていました。自身の父親が病気の為に大学院を中退し、教師になった北原先生は父親のお見舞い帰りに自身の学校の女生徒が彼氏のキックボード練習に付き添っているところに遭遇します。夜中だったので、キックボードの騒音で通報され、警察に補導されそうになったところを北原先生が救いました。ところが女生徒はスノボ選手の彼氏との行為で、妊娠してしまっていることを誰にも言えずにいました。なぜなら、彼氏のスノボ選手としての未来を崩してしまう可能性があるからです。しかし、いつまでも隠し通すことはできず生んでしまいます。病院の院長である父親は、元気に生まれてきた赤ちゃんを死産したと思わせて特別養子縁組で子どもが欲しい家庭に、引き渡そうとしましたが、生まれた時に一緒にいた北原先生が、自分の子供だと主張して女生徒の子供を引き取ることになりました。


結ちゃんのお母さん

結ちゃんのお母さんは、北原先生が勤務する高校の生徒であり、地域の総合病院長の娘でした。彼氏は旅行中に出会ったスノーボート選手の男の子です。結ちゃんのお母さんは、お父さんが決めた相手と結婚しなければならない運命を背負っていました。レールに敷かれた人生に辟易としていた結ちゃんのお母さんは、秘密でバイトをして自立資金を貯めていました。実家から逃げて、スノーボート選手の彼氏を支えながら生きていく道を想像していましたが、結ちゃんを妊娠していることが発覚してしまします。自身で妊娠していることに気付いているけど周囲には言えず、時が流れてしまします。
カップラーメンしか食べられなかったり、体調が悪そうな表情から北原先生は女生徒の変化に気づいていて妊娠していることに気づいていました。大会で遠くにいる彼氏に妊娠を伝える時も北原先生が車を出してくれています。
彼氏に妊娠をしている事実を伝えようとしたとき、陣痛が来てしまいます。
駅で会話をしていたので、ファンにバレてしまうことに恐怖を感じている様子の彼氏に北原先生は、すぐに気がついて、女生徒と交際しているから関わらないでほしいと言います。そのあと、女生徒は病院に搬送され無事に赤ちゃんを産みます。


結ちゃんと北原先生


赤ちゃんが無事に生まれてきて、女生徒の両親は養子に出そうとしましたが、北原先生が自分の子供だと偽りの告白をし「結(ユウ)」と名付け、娘として育てます。そして、かなり追い詰められていた結ちゃんのお母さんは、病院を退院したあと、両親に名にも告げずに家を出てしまいます。そのため、北原先生も赤ちゃんが無事に生まれてきて、自身が育てている事も告げられずに時が過ぎてしまいます。男で一つで育ててきた血のつながらない結ちゃんを北原先生は本当の娘のように大切の育てます。


結ちゃん、お母さんとの再会

結ちゃんが大人の仲間入りをした頃、北原先生は今治のスーパーで、結ちゃんのお母さんでもある女生徒・明日見菜々さんと再会します。そして、北原先生は、結ちゃんが元気に生まれてきて、育てている事を伝え、親子の再会する場を設けます。久しぶりに再会した娘に気まずさも感じる明日見菜々さんでしたが、結ちゃんのお母さんを受け入れる朗らかな態度のおかげで、再開の場は和やかな雰囲気に包まれました。


明日見菜々さんの生き方

明日見総合病院の一人娘だった明日見菜々さんは、親に敷かれたレールの上を歩む女の子でした。しかし、明日見総合病院を継ぐために親に導かれるまま知らない男の人と結婚したくはありません。だからこそ、家族に内緒でバイトをし、貯めたお金で家を出る計画を立てます。生まれながらに背負わされた人生を明日見さんは家族を裏切る覚悟で自分の人生を変えようとします。そこで、想定外にも彼氏との子どもを妊娠してしまいますが、身体の変化に本人も驚き隠すのに必死です。そんなときに助けてくれた北原先生の存在に、暖かい安心感を得られたのではないかと思います。一度の過ちで出来てしまった新しい命を大切にし、結ちゃんを産んでからも生んだ赤ちゃんを忘れずに必死になって生きる明日見菜々さんは、とてもカッコいい女性です。




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