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rabo_t
このグラデーションのような気持ちで
この感情は「寂しさ」だ。
そう思ったら、恋人に連絡するのをとどまった。
うまくメイクができた。今日、転んでしまったよ。飲み会、疲れた。
元気にしてる?最近、天気が急に変わったから、片頭痛が心配だよ。
たくさんの言葉たちが、私の部屋に宙ぶらりんのまま、浮いている。
彼からの連絡が来ない夜は、初めてだった。
寂しい。でも、それを伝えるのはずるい。
私は彼に「別れよう」と言う準備をしている最中なのだ。
5つ年下の彼は、私にきらきらした感情を持って、接してくれていた。
思い出は短いけれど、心と心で会話することができた相手だった。
涙はやはり出ないし、1年後には違う感情に苦しめられているはず。時間が解決してくれた過去や、深い夜をきちんと乗り越えてこられたことが今の私を支えている。
何も考えないで、いられたらなあ。
でも、それが相手のためにはならないし、私のためにもならないんだよなあ。
バドミントンの羽のように、気持ちがあっちへゆらゆら、こっちへゆらゆら。
仕事以外の時間は、少しマヒした脳内で、お笑いやドラマ、漫画など笑顔になれる行動をとる。私はここ数日、真剣に笑っている。
彼と今度会うときは、別れを告げる。
そのシミュレーションをする。
彼の悪いところも良いところも一回すべて、会う前に吐き出しとかなきゃ。
どっぷりと夕日の液体に沈み込み、重力を心地よく感じる。
私の心は空に溶け出して、雨となる。
寂しさを持て余している2人が、それを持ち寄って、
温めあうことも素晴らしいが、そこには悲しみも含まれる。
私はそれを知っている。
このグラデーションのような気持ちで、私は私を抱きしめ続けている。
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