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ドルトムントvsシャルケの感想です

 こんにちは。普段はDAZN派なので、ブンデスリーガはあまり見られていません。ところが今回、なんとスカパーオンデマンドで無料で見られるということで、どちらのチームにも詳しくないけど見てみました。スカパー様ありがとう。

 まずはお互いの形から。ドルトムントは攻守に3-4-3、シャルケは守備時は3-4-3、攻撃時は4-1-5って感じでしょうか。シャルケの攻撃時は3-1-4-2かな、とも思ったんですが、アリは基本外だったので、4-1-5っぽかったです。後半の話は一旦置いて、前半はこんな感じでした。

 まずはドルトムントの攻撃、対するシャルケの守備から。ドルトムントのHVにボールが渡った段階で、シャルケは強くプレスをかけます。WGはHVへ、WBはWBへ、HVはWGへ。よくあるパターンです。ただ、問題がありました。相手のボランチに対するケアです。普通対面にプレスをかける場合、ボランチにはボランチが寄せる場合が多いです。これはあくまでボールサイドの話で、逆ボランチは逆WGがマークするチームも多いですが、少なくとも近くに穴を作らないことが、プレス時には求められます。ところがシャルケは、ボランチが行く訳でもなく、トップが隠す訳でもなく、しばしば普通に相手ボランチにボールを持たれ、前を向かれてしまっていました。こうなると厄介で、ボールがオープンである以上、ラインを下げざるをえず、プレス作戦は一旦取り下げざるをえません。ただ、あくまでこれは二元論にすぎないので、実際の試合だと色々幅がありえます。シャルケもそうで、ボランチに持たれたり、持たれる可能性があっても、3バックは相手3トップを後ろから狙っていました。ナスタシッチが特に鋭かったです。ただ、やっぱり原則に反している分、歪みは徐々に明らかになってきます。最序盤こそ、ドルトムントはHVからサイド裏、ないし中央裏へのロングフィードが多かったためなんとかシャルケは対応できましたが、HVからWGを経由し、外をスプリントするWBへスルーパスとなってくると、スペースを残したまま人についているシャルケDFはついていくのが難しくなります。特にドルトムントのWGは片方に寄ったり入れ替わったりして面倒くさいですから、尚更です。逆にドルトムントからすれば、先にサイド裏でWGvs相手HVやホランドの裏を見せておいて、食いつきの勢いを削いでから、何もかも中途半端になった相手をボコボコにって意図があったのかな?なかったのかな?結果論かも?まあ別に結果論でも気持ちよければいいです、知に対して背を向けるのもたまにはいいでしょう。先制点もこういう形からでした。

 一方シャルケの攻撃、ドルトムントの守備です。ひとまず、シャルケのDFラインが落ち着いてボールを持っているシーンから考えましょう。ドルトムントは5-4-1ブロックで構えます。これに対し、シャルケは4-1-5?みたいな立ち位置でした。右肩上がりというか、右WBケニーが大外高めへ、左WBオツィプカはSB。右HVのトディボは右SB、マッケニーがアンカーで、セルダールが左IH、カリジューリが右IHってところでしょうか。以下4-1-5ってことでポジション名を呼びます。ドルトムントは、1トップで2CBを追わせます。アンカーはひとまず放置します。シャルケとしては当然、中央で相手1トップを外す、そしてCBが持ち上がるもしくはアンカーが受けて前を向く、そこから同数の前線に向けて、楔のパスなり裏へのスルーパスなりチャレンジって話になりそうな構図です。ドルトムントも決して引いている訳ではないので、なんとなく両チームとも攻撃計画は似てきそうだなあ、と思って見ておりました。しかし、シャルケはほとんど中央を使おうとしません。大概左SBが相手WGの脇、タッチライン際で受けて、ドリブルで前進、しかし相手集まってきて取られるって感じでした。一回左SBからアンカーに入って、そこからサイドチェンジっていう試みがありましたが、そういうのがもっと見たかったです。中央で持たなかったのはカウンター対策だったんですかね、わかりません。リスクケアは逆SBをカバーに回したりすればいいじゃないかってのは素人考えですかね。そんなことを安易に考えちゃうくらい、シャルケの攻撃はもったいない感じがしました。一応わずかながら中央で前向いたこともあったんですが、その時も前の5枚は横並びのまま動かず。ラマンが縦パスを収められなくて悲しい感じになってました。プレスくらった時もそうですが、ラマンがみじめな感じになった責任は、その横の4枚にもありそうです。もうちょっと手前で落としを受けるとか、それにスイッチも絡めちゃおうとか、ほしかったです。という訳で、構えられると全然シャルケはチャンスを作れません。では相手が構えなかった時は?ここまで対5-4-1ブロックについて見ましたが、ドルトムントはボールが暴れてる時は、割と前からプレスに出ていました。対面にそのまま出たり、逆ボランチに逆WGがついたりしてました。これをかわすには、いったんGKを使って時間稼いで人をずらしたり、ラマンに収めてもらうくらいしか解決策は浮かびませんが、どっちもキツかったですね。理由はわかるようなわからんような。

 前半終了、2-0で後半に入ります。先に動いたのはシャルケ、当然です。攻守ともに4-3-1-2に変更してきました。これは結構良さそうって思ったんですが、よく考えれば色々はてなが浮かんでくる形です。それを今から説明します。ガン無視してもらっていいんですが、僕の推測で、まずはワグナー監督の狙いを語ります。前半で、シャルケはひとまず相手のボランチ前で堂々とボールを持てることが判明しました。ということで、うざいのはアタックしてくる相手の3バックです(WBあたりが裏狙えばこの悩みは解消できるのでは?とも思いますが)。ここを奥に引っ張っておいて、その手前の隙間、ボランチの背後で誰かが受けたい。前半両IHにやって欲しかった仕事になりますかね。3対3だと相手は付きやすいので、2トップを前に出して、その風除けの後ろにトップ下を置けば、うまくフリーになれるのではってことです。そこに逆ボランチあたりがマークしてきても、こちらには2枚のIHがいます。相手WGもここまで絞らんだろうし、誰かがフリーでしょってことです。ああ良いアイディアだなって思ったんですけど、色々疑問も多いんです。僕の推測が正しい保証はないので、ワグナー監督の作戦に対する疑問であり、尚且つ僕の推測に対しての疑いにもなりうるんですが。まず、大外がいないんです。ボールサイドの大外はいます。4-3-1-2に多い、SBが大外をとるパターンです。でも、逆サイドの大外はいません。こうなると、ドルトムントは逆サイドを捨てて、中央に大量投入できます。ざっくり数えると、中央はシャルケが2IH+トップ下+2トップの5人、ドルトムントが3CB+2ボランチ+逆WBの6人です。数的優位の割合は人数が増えるほど小さくなります。そしてシャルケには裏を狙ってスペースを広げる動きがありません。密集で大変、ミスして奪われてカウンター、辛い流れです。だったら、SBを両方とも上げて大外をまずとる。IHが適宜相手のトップの脇に降りてリスクケアしつつ中央で前を向き、2トップで相手DFラインを引っ張った上でライン間のトップ下に入れる、とかの方がごちゃごちゃならずにすみそうな気がします。まあ実際は、ボールサイドのSBで相手のWBを釣り、その背後にトップ下が走る、とかが多かったので、僕の推測と監督の狙いが違っていた可能性が高いです。アリもなんとなくサイドの選手っぽいイメージですし、ライン間でのプレーを要求していた訳ではなさそうです。ただ、そうだとしてもすっきりしないんです。そもそも相手のボランチの前、中央で持てる訳なんで、まずはそこで持って、ライン間、裏、幅を使っていきたいなっていうのが自然だと思うんです。わざわざサイドを使う、ましてや中央から外へ走ってボールを引き出して密集を作らなくても良いでしょう。逆大外もいないからサイドチェンジの線もありません。以上のことから、トップ下はアリじゃなくて誰かライン間向きの人を連れてきて、僕の考えたさいきょうのさくせんを実行すべきだと思うんです。夢物語もたまにはいいでしょう、知らないチームを見るときの醍醐味です。

 何はともあれ、シャルケの攻撃はなんだかモヤモヤのままうまくいきません。シャルケの守備はどうだったでしょうか。ドルトムントが中盤で奪ってカウンター、という形に味を占めたため、シャルケのDFラインが持つ時間が長くなり、そこまでドルトムントの持つ時間は長くなかった(僕のフィーリングです)ですが、一応見ておきましょう。シャルケは、そんなに悪くなかったです。2トップでまずは中央を塞いで、トップ下がボールサイドのボランチを消します。前進してくるHVに対してはIHが出て、空きがちなボールサイドのWGはアンカーがスライドして掴みます。それならとばかりに、ドルトムントは逆WGへのサイドチェンジを2、3回成功させましたが、これはもう仕方ないでしょう。方法ではなく、程度?強度?の問題です。人を集めるならボールサイドで潰し切らんとダメです。何度か水が漏れたけど、やり方自体は悪くなかったと思います。ブラントがうざいんだよなあ。ぬるぬるしてます

 以上、CLとEL以外では見ることのできなかったドイツ勢の試合を、しかもルールダービーというビッグマッチを、幸運にもと言っては失礼、スカパー様の優しさでもって観戦することができました。ありがとうございました。楽しかったです。

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