お稲荷さんの引っ越し相談
お稲荷さんを祀っている祠をお引っ越しさせたいという方から相談がありました。土地を売却するタイミングで、鳥居などもいっしょに祠ごと、自宅の敷地内へ移動させても大丈夫かどうか、と心配されていました。
具体的には、お稲荷さんが怒らないかどうか、移動させて罰が当たったりしないかどうか。これまでお稲荷さんの維持をしてきた先祖たちが怒らないか、などが心配とのことでした。
また、お稲荷さんだけは残して、それ以外の土地だけを売却するのがいいのかどうか。ただ、祠を除いた土地を売却するとなると売れる面積が少なくなってしまうという現実的な問題もありました。
やっぱりその人とお稲荷さんの関係性が大前提なので、一般的にどうするのがベストかというマニュアルは存在しません。関係性は唯一無二の化学反応なので、その人物とお稲荷さんの両者を深く理解しなくてはなりません。
相談者は、今ある大きな鳥居ごと自宅へい移動させなければならないものだと思っていて、大がかりな引っ越しになりそうでなかなか着手できなかったそうです。
いざお稲荷さんの様子をうかがってみると、物理的な入れ物にそれほどこだわっていないようでした。敷地面積や鳥居のサイズなどは(物理的な世界に生きている)人間のための基準であって、お稲荷さんに平米数や豪華さはあまり関係ないのでした。
それこそミニチュアの卓上鳥居でもいいのだという説明をしたら、お客さんはそれはそれはホッとした表情になりました。
こういうことだけ心がけていれば大丈夫、というかんじで、お稲荷さんとの日々の接し方について具体的な提案をしました。お稲荷さんはこういう風貌でこういう服を着ており、こういう性格ですということなどもお伝えしました。
お客さんは安心したようで良かったです。想像してたような大規模工事も必要なく、腰が重くなるようなスケールではなくてもいいと分かり、費用もそれなりにかかると覚悟していたようですが、当初の値段から1桁2桁少なくて済みそうです。
お稲荷さんとコンタクトを取ったのでボロボロに疲れました。翌日予定していたスペシャルな小旅行はキャンセルという結末になりましたが、事情をよく理解してくれている方だったので、お言葉に甘えて延期してもらうことができました。
こういうことに理解ある人がたくさん私の周りにいて、風邪や病気ならまだしも霊障で延期できますか? なんてことが通用する環境は有り難いです。
一方これに慣れすぎると、なかなか普通の生活がむずかしいです。説明しなくても話がスムーズに通るようになると、それが当たり前になってしまうし、わからない人に対して説明を省いたり、そもそもコミュニケーション自体を諦めたりするようになってしまうので、またにこうしてブログに書いてなんとなく自分で整理しているというかんじです。