082 おもひわび【令和訳百人一首】
【原文】
思ひわび さても命は あるものを
憂きにたへぬは 涙なりけり
(道因法師)
【個人的解釈】
恋に思い悩んでも命は流されず耐えるものだけど
辛さに耐えられず流れるのは涙である。
【感想】
耐えられないと思った命は長らえて、耐えられると思ったはずの涙はこぼれてしまう、という命と涙を対比させた首。
異色の存在であったはずの作者を、定家がこの歌に執着して百人の中にいれようと選んだ。
もうな、結局死のうと思ってもなかなか死ねないんですよな。
恋愛ではことさらに死ねない。実は一番ちっぽけで浅はかな領域なんだよね。
もはや恋愛で自殺した奴はダサすぎて笑われ者レベルでっせ。理性なさすぎ、人間やめすぎ、サル。
恋愛なんかで自分を振り回しちゃあ、おしめえよ。
相手に依存してるわけじゃなくて、相手を忘れられない自分に依存しているだけだもの。
【令和に言い換え】
恋の辛さなんかじゃ人は死ねない。
そのかわり死んでしまう程の涙は出る。
【備忘録】
・思ひわび:思い通りにならず悲しく思う。
・さても:然ても。それでもやはり。
【自己評価】
★★☆☆☆
あなたが好きなその人は過去の女たちが育てた男なんだよ。
あなただけで形成された人間じゃないからね。
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