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能登半島地震 大相撲初場所・郷土力士の活躍 報道リンクその7(千秋楽)


能登半島地震 大相撲初場所・郷土力士の活躍 報道リンクその6(12日目~14日目)からのつづき


能登半島地震 大相撲初場所・郷土力士の活躍 報道リンクその1~その7



令和6年初場所が千秋楽を迎えた。
 
被災地出身の中堅関取、朝乃山遠藤は、怪我を抱えながらも、現在の彼らの限界以上の力を出し切ったと思う。
すでに数場所前から怪我と不調を隠せなかった遠藤は、今場所、大きく負け越しはしたが、随所に持ち前の技能が光った。
輝は久しぶりの勝ち越し、途中休場後に再出場した朝乃山も9勝をあげた。
 
若手関取の大の里欧勝海は、ともに勝ち越して力を示した。
特筆すべきは、新入幕で11勝をあげ、敢闘賞を受賞した大の里。
彼の大活躍は、被災地の方々を大いに元気づけたであろうと想像する。
 
中盤から終盤にかけて、3日連続で関脇、大関、横綱戦の割が組まれたが、これは、審判部が大の里に寄せる期待の大きさを物語っている。
自分に寄せられる期待の大きさを正確に理解し、たとえ最初の挑戦は跳ね返されたとしても、決して腐る様子はなかった。
連勝に待ったをかけられた3連敗は、悔しさも大いにあったと想像するが、それすらも貴重な経験と受け止める素直さ、おおらかさ、屈託の無さ。
何か、北陸の希望の光のように感じられる。
 
幕下以下の郷土力士たちも奮闘した。
とくに、朝乃山と同部屋の西幕下12枚目の深井(石川県羽咋市出身)の好成績に期待したが、惜しくも3勝4敗で負け越した。
西幕下59枚目の栃登(石川県鳳珠郡能登町出身)、東序二段56枚目の綿谷(石川県小松市出身)も、残念ながら負け越した。
いっぽう、西三段目33枚目の豊雅将(石川県白山市出身)、西序二段82枚目の大翔(石川県鳳珠郡穴水町出身)は、見事に勝ち越した。
 
来場所(春場所、3月場所)を迎える頃には、北陸にも春が訪れるだろう。
気温の上昇とともに、少しずつでも被災地に暮らす方々の生活に、希望と平穏が戻るように願ってやまない。心を寄せつづけたい。



1.初場所千秋楽(2024年1月28日)


1-1.北陸の郷土力士の報道


NHK石川 NEWS WEB(動画あり)大相撲初場所 千秋楽 郷土力士の結果
※   大の里、敢闘賞受賞インタビュー動画あり


出典:NHK石川 NEWS WEB
出典:NHK石川 NEWS WEB
出典:NHK石川 NEWS WEB
出典:NHK石川 NEWS WEB
出典:NHK石川 NEWS WEB
出典:ABEMA
出典:ABEMA
出典:ABEMA
出典:ABEMA
出典:ABEMA
出典:NHK石川 NEWS WEB
出典:ABEMA
出典:ABEMA


NHK富山 NEWS WEB(動画あり)
大相撲初場所千秋楽 朝乃山は今場所9勝3敗3休


北國新聞
大の里11勝 朝乃山9勝3敗3休で終え 大相撲初場所


北國新聞
【がんばれ!郷土力士】被災地励ました15日間 敢闘賞の大の里「いい報告」

●「石川の応援ずっと届いていた」
 石川が生んだ大器が幕内デビュー場所で抜群の存在感を示した。横綱、大関にも挑戦した大の里は初場所千秋楽の28日、11勝目を手にし、13勝の照ノ富士、琴ノ若に次ぐ成績を収めて敢闘賞を受賞。被災したふるさとを少しでも元気にしたいとの思いを胸に15日間を闘い抜き「ずっと応援が届いていた。石川にいい報告ができると思う」とすがすがしい笑顔を見せた。

 津幡町後援会から贈られた「火牛(かぎゅう)の計」をモチーフにした化粧まわしを着用し、千秋楽の土俵入りに臨んだ大の里。16歳上の「鉄人」、玉鷲との初顔合わせは、立ち合いで一気に押し込み、タイミングよくいなして引き落とした。(・・・)

●輝9勝目、欧勝海と石川対決
 東十両7枚目の輝と、新十両で西13枚目の欧勝海との初の「石川対決」は先輩が意地を見せた。

 左から押して浮かせ、休まず追撃して押し出した輝が9勝目。場所前から被災地のことを心配する言葉を何度も口にしていた輝は「(自分の取組から)少しでも何か伝わればいい」と話した。3場所ぶりの勝ち越しで幕内復帰に一歩近づき「最後に自分らしい相撲で終われた」と満足そうに語った。

 敗れた欧勝海は「石川同士でやりたくなかった」と苦笑。同じ土俵に上がるのは、高校1年時に高田川部屋に合宿に行き、ぶつかり稽古で胸を借りて以来で「あの時は全く押せなかった」というが、成長の跡も示した取組となった。初の15日間を終え「勝ち越せて良かった」と一息ついた。

●遠藤は逆転負け
 西前頭13枚目の遠藤は東前頭9枚目の御嶽海を突いて攻めたが、土俵際で突き落とされて5勝10敗で終えた。苦しみながらも土俵に立ち続け「声援に支えられた」と感謝。十両陥落の可能性もあるが「一生懸命やった結果」と受け止めた。(・・・)

●朝乃山9勝で終える
 西前頭7枚目の朝乃山(富山市出身、高砂部屋)は関脇大栄翔に引き落とされ、9勝3敗3休で終えた。被災地へ「自分なりに土俵の上で闘う姿を見せられたかな」と思いを寄せた。

【がんばれ!郷土力士】被災地励ました15日間 敢闘賞の大の里「いい報告」
(北國新聞、2024年1月29日)


時事通信
支度部屋=大相撲初場所

 ◇戦う姿を
 朝乃山 大栄翔に屈して2桁白星はならず。富山市出身。能登半島地震の被災者に思いをはせ、「北陸で応援してくれる人がいる。物足りないが、戦う姿を見せることはできた」。

 ◇ご褒美あると
 大の里 新入幕で11勝を挙げ、敢闘賞を獲得。「2桁勝てば、ご褒美があると聞いていた。僕の存在を(ファンに)知ってもらってよかった」

支度部屋=大相撲初場所(時事通信、2024年1月29日)


1-2.朝乃山の報道(西前頭7枚目、富山県富山市出身、高砂部屋)


取組動画
朝乃山 - 大栄翔


大相撲 朝乃山ー大栄翔 <令和6年一月場所千秋楽>SUMO
日本相撲協会公式チャンネル



富山新聞
朝乃山、故郷へ届けた闘う姿 難敵攻略ならず、9勝で終え

(・・・)能登半島地震で被災したふるさとに元気を届けたいと土俵に立ち「物足りない部分はあるけど、自分なりに土俵の上で闘う姿を見せられた」と思いを寄せ、来場所は三役復帰に挑む。(・・・)

朝乃山、故郷へ届けた闘う姿 難敵攻略ならず、9勝で終え
(富山新聞、2024年1月29日)


富山新聞
1番でも多く白星を 朝乃山、負傷乗り越え前へ

(・・・)
●被災地思い力が入った
 今場所は被災したふるさとへの思いも強く持っていた朝乃山。連日、富山後援会から贈られた化粧まわしを着用しての土俵入りを続け「僕だけじゃなく、北陸の力士はみんな力が入ったと思う」と語った。地元の期待に応えるためにも新たな気持ちで来場所に臨む。

1番でも多く白星を 朝乃山、負傷乗り越え前へ(富山新聞、2024年1月29日)


富山新聞
「けがかばい頑張った」朝乃山の地元呉羽、健闘ねぎらう

 朝乃山の実家が近い富山市呉羽町の貴船巻公民館では28日、地元住民約20人がテレビの前で声援を送った。10勝達成を逃したことを残念がりながらも、今場所での健闘をねぎらう声が上がった。

 朝乃山が画面に登場すると、住民は「慌てんな」などと声援を送った。負けが決まると、「あー」というため息や「駄目や」という声が漏れた。

 貴船巻町内会の酒井龍男会長(71)は「10勝を逃したのは残念だが、今場所は落ち着いた良い相撲が取れていたので来場所での活躍が楽しみだ」と期待した。朝乃山富山後援会相談役の小林福治さん(75)は「けがをかばいながら、よく頑張ってくれた」といたわった。

「けがかばい頑張った」朝乃山の地元呉羽、健闘ねぎらう
(富山新聞、2024年1月29日)


北日本新聞社
来場所の朝乃山躍進に期待 地震被害の氷見・高岡、ファンがテレビ中継見守る

 大相撲初場所の千秋楽が行われた28日、能登半島地震で大きな被害が出た氷見市と高岡市でも、朝乃山のファンが白星を願ってテレビ中継を見守った。惜しくも敗れたが、けがを負いながら勝ち越した元大関の姿に「勇気をもらった」との声が聞かれた。朝乃山の地元・富山市呉羽町ではパブリックビューイング(PV)があり、住民が声援を送った。

 朝乃山の取組を毎日テレビで観戦してきたという氷見市島尾の浜井祐雄さん(82)は「朝乃山から『富山、北陸のために勝つ』という気迫を感じ、たくさんの勇気をもらった」と話した。

 浜井さんは同所で経営するスーパー「浜井フードセンター」前に、応援のぼり旗を毎場所飾るほどの朝乃山ファン。昨年末には高砂部屋に氷見産のブリ2本を贈ったという。「優勝争いに絡んでいた中でけがを負ったのは悔やまれるが、来場所の躍進に期待したい」と語った。

 高岡市伏木国分の西廣志さん(80)も「朝乃山の活躍に元気づけられた人は多い」と言う。初日からの7連勝で「盛り上げてくれた」とたたえ、「2桁勝利に届かず残念だったが、来場所は番付が上がるので、再び土俵を活気づけてほしい」とエールを送った。

 富山市呉羽会館のPVには住民約15人が集まり、タオルなど応援グッズを掲げて観戦。引き落としで敗れると「あー」と落胆した。

 近くに住む齋加武志さん(81)は「最後は気負いすぎた感じだったが、今場所は相撲勘が戻ってきた。11月場所までに三役に復帰してほしい」と期待した。猪島信隆さん(76)は「休場があったが、最後までやり切った。来場所までにけがを治し、さらに力をつけてほしい」と話した。

来場所の朝乃山躍進に期待 地震被害の氷見・高岡、ファンがテレビ中継見守る
(北日本新聞社、2024年1月29日)


スポニチアネックス
朝乃山は三役復帰?西前頭7枚目で9勝3敗3休 5枚目で8勝の錦木とどちらが優先されるか・・・


1-3.遠藤の報道(西前頭13枚目、石川県鳳珠郡穴水町出身、追手風部屋)


取組動画
御嶽海 - 遠藤


日刊スポーツ
多くを語らずとも…地震被害受けた石川・穴水町出身の遠藤、故郷ゆかりの化粧まわしで土俵入り

多くを語らずとも、その行動には深い意味が読み取れた。

能登半島地震で大きな被害を受けた石川・穴水町出身の平幕、遠藤(33=追手風)が、千秋楽を残し故郷にゆかりのある化粧まわしを次々と着けて土俵入りを行っている。各場所で2、3種類ほどを使い分ける力士が多い中で、今場所の遠藤は初日から4日間連続で変更するなど5種類の化粧まわしを着けた。

デザインもさまざま。地元で伝わる漁業用のやぐら「ボラ待ちやぐら」を着けて臨んだ初日には、館内から大きな拍手と歓声が上がっていた。故郷の石川県全体の地図や県の観光PRマスコットキャラクター「ひゃくまんさん」や名所の兼六園の灯籠などが描かれた化粧まわしには、故郷への愛が伝わってくる。不死鳥を思わせるものや、大きな日の丸が描かれたデザインも目を引いた。

当の本人は「それは感じるものであって、あまり口にするものではないでしょ」とピシャリ。震災から2週間がたった際には「何日たとうが一緒。本当に心配です」と胸を痛めていた。負け越しが決まっても変わらない。精いっぱい土俵に上がる姿を故郷に届けるつもりだ。【平山連】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)

多くを語らずとも…地震被害受けた石川・穴水町出身の遠藤、
故郷ゆかりの化粧まわしで土俵入り(日刊スポーツ、2024年1月28日)


1-4.大の里の報道(西前頭15枚目、石川県河北郡津幡町出身、二所ノ関部屋)


取組動画
玉鷲 - 大の里


大相撲 玉鷲ー大の里 <令和6年一月場所千秋楽>SUMO
日本相撲協会公式チャンネル


NHK sports
大相撲初場所千秋楽 大の里 敢闘賞インタビュー

出典:NHK sports

大の里 敢闘賞インタビュー 文字起こし
 
※ 冗語は省略。

Q.(NHKアナウンサー) おめでとうございます。

大の里
「ありがとうございます」

Q. まずは、敢闘賞受賞に関して、どんな風に感じてますか。

大の里
「そうですね。二桁、勝てたんで、良かったかなと思います」

Q. 新入幕で11勝4敗。どんな15日間でしたか。

大の里
「いやあ、ほんとに。場所前と、想像してませんでしたね、この15日間は。イレギュラーな事ばっかでしたけど、ほんとにいい経験ができました」

Q. イレギュラーなこととは。

大の里
「いやあ、もう、ほんとに。すごい充実した3日間を過ごさせてもらったんで。また、来場所に向けて、頑張りたいなと思いますね」

Q. 今日は、優勝経験もある玉鷲関との相撲でしたけれども、内容どうでしたか。

大の里
「いやあ、ほんとに。疲れはありますけど、やっぱり、最後は気持ちだと思って。星をのばしたいなと思って。最後勝てて良かったかなと思います」

Q. これまでにできていない、横綱や大関との対戦。今場所、経験もできました。どんなところが勉強になりましたか。

大の里
「いやあ、ほんとに。結びの一番や、後半で相撲を取ることができて、あの空気感を味わえたことはすごい大きなものなので。また、いいものにしたいなと思います」

Q. ふるさと、石川。苦しんでいる方たちにとって、少し元気を届けられる相撲になったんじゃないですか。

大の里
「そうですね。15日間、今日で終わりましたけど、ほんとに石川からの応援はすごい届いてましたし、いい報告ができたかなと思うので、また来場所以降も頑張りたいなと思います」

Q. また次の目標は何ですか。

大の里
「いやあもう、ほんとに。次もしっかり、勝ち越し目指して頑張れるようにしたいなと思います」

Q. おめでとうございました。

大の里
「ありがとうございました」


三賞受賞 若元春・大の里 <令和6年一月場所>SUMO
日本相撲協会公式チャンネル


北國新聞
大の里 新入幕敢闘賞 11勝締め

 大相撲初場所(両国国技館)千秋楽の28日、新入幕の大の里(津幡町出身、二所ノ関部屋)は東前頭10枚目の玉鷲を引き落とし、11勝で新春の土俵を締めくくった。新入幕場所で2桁勝利を挙げたことが評価され、敢闘賞に選ばれた。所要5場所での三賞受賞は4場所の伯桜鵬に次ぐスピードで、能登半島地震の被災地を元気づける活躍を見せた。

 大の里は取組後、新入幕会見で師匠の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)から敢闘賞を目指すようハッパを掛けられたことに触れ「師匠に言われた通りにできて良かった」と喜んだ。

 石川県出身力士では、2014年初場所で遠藤が敢闘賞を受けており、三賞受賞は21年名古屋場所で遠藤が選出された技能賞以来となった。

大の里 新入幕敢闘賞 11勝締め(北國新聞、2024年1月28日)


NHK NEWS WEB
大相撲 琴ノ若が初の技能賞 敢闘賞は大の里 新入幕で11勝

(・・・)敢闘賞は能登半島地震の被災地、石川県の出身で新入幕の大の里が受賞しました。大の里は初土俵から5場所目での三賞初受賞となり、雅山と逸ノ城に並び、歴代で2番目の早さとなりました。

敢闘賞 大の里「石川県からの応援 届いてた」
能登半島地震の被災地、石川県出身の大の里は、新入幕ながら11勝を挙げて、初めての三賞となる敢闘賞を受賞し「想像していない15日間を過ごすことができ、いい経験ができた。2桁勝てたのでよかったかなと思う」と話しました。

そして「石川県からの応援は届いてたし、いい報告ができたと思う。次もしっかり勝ち越しを目指して頑張りたい」と話していました。(・・・)

大相撲 琴ノ若が初の技能賞 敢闘賞は大の里 新入幕で11勝
(NHK NEWS WEB、2024年1月28日)


NHK新潟 NEWS WEB 
大相撲 大の里 新入幕で敢闘賞 母校の高校でも喜びの声

大相撲の大の里が、初場所で新入幕ながら11勝を挙げて敢闘賞を受賞したことを受け、母校の糸魚川市の県立海洋高校の相撲部では活躍を喜ぶ声が聞かれました。

石川県出身で糸魚川市の県立海洋高校が母校の大の里は、西前頭15枚目で臨んだ初場所で、新入幕ながら11勝を挙げて初めての三賞となる敢闘賞を受賞しました。

大の里が所属した海洋高校の相撲部では29日、7人の部員たちがしこを踏んだり、すり足を確認したりと練習に励んでいて、先輩の活躍を喜び、自分たちも負けずに頑張りたいという声が聞かれました。

相撲部の部長を務める2年生の男子生徒は「先輩が活躍していて、いい刺激になります。プライベートでは面白くて話しやすい先輩ですが、相撲になったら格好いいです」と話していました。

また別の2年生の男子生徒は「大の里と同じ中学・高校を上がっているので、自分も頑張りたい。次の大会では団体と個人で優勝を目指したいです」と話していました。

また、大の里を指導していた相撲部顧問の村山大洋さんは「今場所では成長した姿を見ることができてうれしく思いました。生徒たちも刺激を受けて稽古に臨んでいますし、目標となる力士です。また一つ一つ確実に成長して、幕内の上位や三役、さらに上を目指してほしい」と話していました。

大相撲 大の里 新入幕で敢闘賞 母校の高校でも喜びの声
(NHK新潟 NEWS WEB、2024年1月29日)


中日新聞
大の里、避難所照らす11勝 故郷と共に15日「石川の応援届いた」

 28日に行われた大相撲初場所千秋楽(東京・両国国技館)で、石川県津幡町出身で新入幕の大の里(23)=本名中村泰輝、二所ノ関部屋=が、初の三賞となる敢闘賞を受賞した。付け出しから所要5場所での三賞獲得は史上2位タイの速さ。初場所で11勝4敗の好成績を収め、能登半島地震で被災した地元を元気づけるような大活躍。「石川に良い報告ができた」と安堵(あんど)した。

 小学校卒業までを津幡町で過ごした。地震で津幡町の実家は「なんとか大丈夫だった」と振り返るものの、液状化現象の被害を受けた同県内灘町に住む祖父は避難生活を余儀なくされた。2月に金沢市で予定されていた自身の昇進パーティーも延期になった中、初場所の土俵に上がった。

 身長192センチ、体重183キロの恵まれた体格を生かした圧力をかける相撲が武器。ざんばら髪ながら西前頭15枚目で迎えた今場所も、6連勝を飾るなど星を伸ばし、25日の12日目には、優勝した横綱照ノ富士との結びの一番に抜てきされた。惜しくも敗れたが、「まさかまさか。1年前まで(日体大の)大学生で想像していなかった。あの空気感で相撲を取れたのは大きい。この負けを無駄にせず頑張りたい」。今後に生きる大きな経験になった。

 声援も日に日に大きさが増し、初の幕内ながら2桁勝利を挙げたことが、28日に開かれた三賞選考委員会で評価された。初場所後に、帰郷するかは決めていないという。「15日間、石川からの応援が届いていた。来場所も(この活躍を)続けていきたい」とさらなる飛躍を誓った。(禰宜田功)

「苦しい気持ち忘れられた」

 新入幕ながら大相撲初場所で敢闘賞を受賞した石川県津幡町出身の大の里。千秋楽を避難所でテレビ観戦した能登半島地震の被災者からは「苦しい気持ちを一瞬でも忘れることができた」と感謝の声が上がった。

 避難所の同県珠洲市の正院小学校では、高齢者らがテレビの前に集まり、取組を見つめた。白星を挙げると「バンザーイ」と両手を上げて喜び、70代の女性は「大変なときだからこそ、活躍はうれしいし元気が出る」と笑顔を見せた。

 2次避難所の同県野々市市の老人福祉センター椿荘でも同県輪島市鵠巣(こうのす)地区から集団避難する被災者が観戦。同市大野町の信田暢男さん(88)は「避難所にいると、古里の被害状況を思ってしまうが、勝ってくれると苦しい気持ちを一瞬でも忘れられる」と話した。

 両国国技館まで応援に駆けつけた大の里の父、中村知幸さん(47)は本紙の電話取材に「被災した皆さんに一秒でも相撲に熱中させる時間をつくってくれた。15日間、石川県のヒーローだった」と称賛。13日目の懸賞金をプレゼントしてくれた息子に感謝しつつ「角界を背負う唯一無二の存在になってほしい」とさらなる飛躍を願った。

大の里、避難所照らす11勝 故郷と共に15日「石川の応援届いた」
(中日新聞、2024年1月29日)


東京新聞
大の里「石川のヒーロー」「バンザーイ」 大相撲初場所で敢闘賞 被災者ら苦しい気持ちに活力

 28日に閉幕した大相撲初場所で、石川県津幡(つばた)町出身の大の里が新入幕ながら11勝4敗で終え、敢闘賞を受けた。能登半島地震で被災し、避難所で活躍を見守った人たちは「苦しい気持ちを一瞬でも忘れることができた」と笑顔を見せた。

 珠洲(すず)市の正院小学校では、避難したお年寄りらがテレビの前に集まり、取組を見守った。白星を挙げると「バンザーイ」と両手を上げ、70代女性は「大変な時だからこそ、活躍はうれしいし、元気が出る」と喜んだ。

 野々市(ののいち)市の老人福祉センター椿荘でも、輪島市鵠巣(こうのす)地区から集団避難した被災者らが観戦した。信田暢男(のぶお)さん(88)は「避難所にいると古里の被害状況を思ってしまうが、勝ってくれると苦しい気持ちを一瞬でも忘れられる」と目を細めた。

 「力強さがある相撲。ここまでやったのだから、敢闘賞をもらって当然だ」と、金沢市の額谷ふれあい体育館に身を寄せる輪島市里町の農業田尻隆也さん(46)。「大変な地震があったが、これはうれしいこと。来場所も頑張ってくれるだろう」と期待した。

 大の里の父、中村知幸さん(47)は東京・両国の国技館に駆けつけた。取材に「被災した皆さんに、一秒でも相撲に熱中させる時間をつくってくれた。15日間、石川県のヒーローだった」とたたえた。13日目の懸賞金をプレゼントしてくれたといい「角界を背負う唯一無二の存在になってほしい」と願った。

大の里「石川のヒーロー」「バンザーイ」 大相撲初場所で敢闘賞 
被災者ら苦しい気持ちに活力(東京新聞、2024年1月29日)


日刊スポーツ
新入幕の大の里11勝目、敢闘賞初受賞「去年は大学生だったから」和製横綱候補として大きな自信

(・・・)能登半島地震のあった石川県出身。「地元にいい報告ができる。次もしっかり勝ち越しを目指したい」と、春場所(3月10日初日、エディオンアリーナ大阪)を見据えた。

新入幕の大の里11勝目、敢闘賞初受賞「去年は大学生だったから」
和製横綱候補として大きな自信(日刊スポーツ、2024年1月28日)


スポニチアネックス
大の里 地元・石川に「良い報告」 玉鷲撃破締めで新入幕敢闘賞

(・・・)能登半島地震で被害を受けた石川県津幡町出身。「石川からの応援は凄く届いていた。いい報告ができた」と被災地からの声援も力になった。

大の里 地元・石川に「良い報告」 玉鷲撃破締めで新入幕敢闘賞
(スポニチアネックス、2024年1月29日)


デイリー
ざんばら髪の大の里 故郷の被災地・石川県へ届ける11勝「応援もすごい届いていた」新入幕で敢闘賞 NHK解説も絶賛

(・・・) 1月1日の能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県出身。「自分にしかできないことなので。石川からの応援もすごい届いてましたし、良い報告ができたかなと思います」と語り、新入幕ながら力強い相撲でファンを沸かせた。

ざんばら髪の大の里 故郷の被災地・石川県へ届ける11勝「応援もすごい届いていた」
新入幕で敢闘賞 NHK解説も絶賛(デイリー、2024年1月28日)


サンスポ
新入幕の大の里、ベテラン玉鷲を下し11勝目 被災地の故郷・石川県へ「いい報告ができたかなと思う」/初場所

(・・・)被災後で苦しんでいる故郷の石川県に対して「15日間、きょうで終わりましたけど、石川県の応援が届いていましたし、いい報告ができたかなと思うんで、来場所以降も頑張りたいと思います」と感謝と抱負をコメントした。

新入幕の大の里、ベテラン玉鷲を下し11勝目 被災地の故郷・石川県へ
「いい報告ができたかなと思う」/初場所(サンスポ、2024年1月28日)


サンスポ
大の里が11勝で敢闘賞を受賞 能登半島地震で被災した地元に勇気と希望を届ける/初場所


サンスポ
舞の海氏、大の里の課題は「露骨に右から差しにいく立ち合い」/初場所


サンスポ
舞の海氏、大の里の「何がすごいかっていうと4敗したうちの3敗が・・・」


サンスポ
舞の海氏、大の里は豊昇龍に「取り口次第では勝てるなという負け方」


中日スポーツ
大相撲初場所、新入幕の大の里が敢闘賞 14日目までに10勝、ほかの三賞力士も決まる


東スポ
【初場所】大の里が敢闘賞「経験を来場所につなげたい」 親方はご褒美を明言


サンスポ
舞の海氏、大の里はあまり時間がない「人よりも早く技術を吸収して」


サンスポ
舞の海氏、大の里は「横綱、大関と対戦しても憧れるのではなく…」


サンスポ
【ベテラン記者コラム(560)】月探査機SLIMの快挙も「60点」 大相撲の力士と通じる抑制の美?


1-5.輝の取組動画(東十両7枚目、石川県七尾市出身、高田川部屋)


取組動画
輝 - 欧勝海


1-6.欧勝海の取組動画(西十両13枚目、石川県河北郡津幡町出身、鳴戸部屋)


取組動画
輝 - 欧勝海


1-7.その他


富山新聞
珠洲、いつ帰れるのか 富山のホテル「ぜいたくなくらい」〈1.1大震災〉

(・・・)
●楽しみは郷土力士の活躍
 27日、ホテルのロビーでは、避難者がテレビを囲んで大相撲を観戦していた。穴水町出身の遠藤や津幡町出身の大の里ら石川の郷土力士の活躍が避難生活の楽しみの一つになっている。

 避難者は歓声を上げたり、手をたたいたりしながら、取組を見届けた。大相撲ファンだという珠洲市馬緤町の女性(84)は「やっぱり遠藤、大の里に頑張ってもらいたい。勝つとうれしいね」と声を弾ませた。同市大谷町の70代男性は「大の里は石川だけでなく、角界のホープ。今場所は立派や」と、この日、10勝目を挙げた新星をたたえた。

珠洲、いつ帰れるのか 富山のホテル「ぜいたくなくらい」〈1.1大震災〉
(富山新聞、2024年1月28日)


長野放送
相撲でつながる信州と能登 飯田市の相撲クラブ 出身者いる金沢市の中学校相撲部通じて支援物資

長野県飯田市の相撲クラブが中心となって集めた能登の被災地を支援する物資が28日、金沢市へと送られました。

段ボール箱に入っているのは食料品や水、トイレットペーパーなど。松尾相撲クラブの子供たちや保護者が中心となって集めたものです。

クラブの出身者が金沢学院大学附属中学校に進んで相撲部に入っており、中学校相撲部を通じて、物資を珠洲市や七尾市の被災家庭に届けてもらっています。

石川は相撲が盛んで遠藤などの出身力士が大相撲で活躍。松尾の子供たちも毎年、珠洲市で行われる大会に参加しています。

物資を送るのはこれで3回目。息の長い支援を続けたいとしています。

クラブの生徒:
「苦しんでいると思うけど、早く元の生活に戻れればと思って」

松尾相撲クラブ・清水里香コーチ
「一回で終わる『点』ではなく、継続して『線』となるよう支援していきたい」

相撲でつながる信州と能登 飯田市の相撲クラブ 
出身者いる金沢市の中学校相撲部通じて支援物資(長野放送、2024年1月28日)


能登半島地震 大相撲初場所・郷土力士の活躍 報道リンクその8(場所後)につづく


※ ヘッダー写真の出典は、二所ノ関部屋公式X(2024年1月8日付)。


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