【木曜日のしかけ#20】「失敗/ミス」でなく「すっぱい/みそ」
木曜日は経営言動、すなわち社長の言動に関する「7秒しかけ」を紹介していきます。社長の言動は幹部や社員のモチベーション、社長への信頼度に大きな影響を与えます。
「失敗は成功のもと」は、学校や企業などのスピーチでもよく登場する有名なことわざです。
失敗しても諦めず、反省点や改善点を見つけ改良し続けることで、成功につなげられるという意味です。
個人ベースでも成功のもとですが、組織全体で失敗を共有しそれを上手く活用することは極めて効果的な戦略です。
しかし、実際にはその戦略を実践している会社は少ないです。
どうして少ないのでしょうか?
・ 失敗を公にすることが恥ずべきことと見なされるから
・ 失敗が個人的な批判やペナルティにつながるから
・ 失敗すると上司から怒られるから
・ 失敗すると減点評価されるから
以上のような理由が考えらます。
失敗を共有することが組織の成長と発展に不可欠であると社長が全社員に熱く語り、理解されるようになれば失敗をみんなが共有するでしょう。
ただその前に、私が社長に提案したいことは社内で
「失敗」という言葉を使わない!
なんです。
「失敗」という言葉自体にはネガティブなイメージが付きます。そのため失敗を共有することに対する抵抗感や恐れが生じます。
そこで、7秒しかけ
「失敗」でなく「すっぱい」
言葉の言い換えを社長におススメしたいです。
ミスの場合は「ミス」でなく「みそ」
失敗の共有が組織の成長と発展に不可欠であると全社員が理解し実践するまでには多くの時間がかかります。
それまでの期間は「失敗」と言うのではなく「すっぱい」と言い換えてみてはいかがでしょうか?
ミスの場合は「ミス」でなく「みそ」です。
どうして「すっぱい」や「みそ」を使ってもらいたいのか、そのこころを紹介していきます。
0 7秒しかけとは(1度読んだ方は読み飛ばしてください)
「7秒しかけ」とはしかけ研究家白潟敏朗と白潟総研のコンサルティング経験・ノウハウをベースに、次に示す習慣化の4つの技術を活用し開発したしかけです。
① 小さな行動から始める
~ 小さすぎてばかばかしいと思う行動が習慣になる(小さな習慣) ~
② If thenプランニング(もしXだったらYをする)
~ 「◯◯した時に□□する」で実行率アップ ~
【If-Thenプランニングの例】
・ 帰りに電車にのったら、明日見る動画の1行ゴールを書く
・ 行きの電車にのったら、ロジカルシンキング動画を1本見る
・ お風呂に入る前に、腕立て5回する
・ 先輩・上司に声をかけられたら、メモ帳を出す
できたら、自分を褒めましょう「よくできた!」
③ 20秒ルール
~ 始めるまでにかかる時間を20秒短くする ~
何かを始めるまでの手間を20秒短縮すると、20秒分の手間のかからなさが、頭によぎる「面倒くさい」を遠ざけ、「気がついたらやっていた」という達成感につながります。
20秒以内にすぐにやれるように準備することが大事!
④ マジックナンバー4
~ 週4回以上の実践で習慣化しやすい ~
習慣化の4つの技術に加え、最近流行りの行動経済学も活用しています。
特にナッジ理論「行動科学に基づいた小さなきっかけで人々の意思決定に影響を与え、行動変容を促す手法・戦略」を活かすことで、より簡単に実行できる工夫をしたしかけです。
具体的には1秒から7秒で実行でき小さな成功により少しだけ自信がつき、気がつけば習慣になっている、そのような効果のあるしかけです。7秒以内で実行できるので「7秒しかけ」と呼んでいます。
1 「失敗/ミス」でなく「すっぱい/みそ」とは
できればしたくない/避けたいのが「失敗/ミス」ではないでしょうか?
ただ、どんな人でも「失敗/ミス」はします、例えばメジャーリーガー大谷選手でも三振はします。
なので「失敗」「ミス」から学び、原因を把握し再発防止策を考え実行することで成長や成功につなげられます。
一流のスポーツ選手、ハイパフォーマーであれば「失敗」「ミス」から学び、絶えず成長していけるでしょう。
本田技研工業の創業者本田宗一郎は「成功とは99%の失敗に支えられた1%である」という言葉を好んで使っていたそうです。
そんな失敗の原因と次に失敗しないための施策を全社員で共有すれば、同じ失敗の再発を防止できたり成功のコツが見えてきたり組織が成長していきます。
失敗事例を組織で共有するためには、冒頭で紹介した共有したくない原因を解決する必要があります。
そこでおススメしたいのが
7秒しかけ「失敗/ミス」でなく「すっぱい/みそ」です。
「失敗/ミス」という「ネガティブ言葉」は使わず
味覚をベースにした言葉「すっぱい/みそ」に言い換えましょう!
「すっぱい」は4文字で、かつ「し」を「す」に変えただけなので、言いやすいかなと思います。
言いやすさに加え「すっぱい/みそ」という味覚をベースにした言葉にしたねらいは次の3つです。
① 味覚に関連した言葉を使うことで感覚的な連想を引き起こさせる
② 記憶に残りやすい
③ 味覚は感情と密接に関連しているためポジティブな感情を抱かせる
更に「すっぱい」という言葉には特別な意味を込めました。
インド人の経営学者サラス・サラスバシー氏が提唱した理論「エフェクチュエーション」の「5つの行動原則」の4番目の原則「レモネードの原則」をひっかけています。
「すっぱい」という言葉からレモンを連想する方は多いでしょう。
「すっぱい」レモンには失敗作というニュアンスがあり使い物にならない。失敗作でも、工夫やアイデア次第では、新たな価値を持つ製品へと生まれ変わらせることが可能です。
「すっぱい」を成功に生かしてもらいたい。
そんな思いも込めて「すっぱい」というネーミングにしました。
そして、「すっぱいの共有」/「みその共有」を朝礼やチームミーティングで定期的に開催することで、組織的に失敗を共有し一度起こした失敗を二度と起こさないようにするのです。
自らの「すっぱい」をさらけ出しそこから全員が学ぶ。これが成長の原動力の1つになります。成功よりも「すっぱい」のほうが学ぶことは多いです。
ここまでいかがでしたでしょうか?
もちろん、「すっぱい/みそ」という言葉に抵抗がある会社や合わない会社は別の言葉に変えてください。「失敗/ミス」という言葉を変えることが重要です。
2 アンカー(「失敗/ミス」でなく「すっぱい/みそ」を思い出させるきっかけ)
「失敗/ミス」でなく「すっぱい/みそ」今すぐ準備をすれば実践できるでしょう。
3 今すぐ準備しましょう
「失敗/ミス」でなく「すっぱい/みそ」を実践するには次の準備が必要です。
今すぐ準備しましょう!
① 社長から全社員へ説明
組織全体で失敗を共有しそれを上手く活用することが組織の成長と発展に不可欠です。これを実践しやすくするために今日から「失敗」と言う言葉を死語にします。
代わりに「すっぱい」という言葉を使ってください。
どうして「すっぱい」という言葉にしたのか?
(この後は「1「失敗/ミス」でなく「すっぱい/みそ」とは」の記事を活用してください)
② 各部門で「すっぱいの共有/みその共有ミーティング」の実施
各部門の朝礼やチームミーティングで5分~15分の時間をかけ「すっぱい/みそ」を共有する「すっぱいの共有/みその共有ミーティング」を実施するよう依頼してください。
③ 全体会議のプログラムに「上手くいった事例発表」の追加
全社員が参加する全体会議/定例会等で「すっぱいの共有/みその共有ミーティング」で失敗やミスが減った事例や失敗を生かして成功した事例を発表してください。
4 いつ実践しますか?
「失敗/ミス」でなく「すっぱい/みそ」いつ実践しますか?
実践したいと思った方は今ここで実践時期を決めましょう!
・ 来週の月曜日から
・ 来月から
・ 上期/下期から
決めた実践時期を手帳やカレンダーに書き込みましょう。
「失敗/ミス」でなく「すっぱい/みそ」実践と記入した付箋を手帳や
パソコンに貼ってもいいです。
「失敗/ミス」でなく「すっぱい/みそ」の紹介は以上でおひらきです。
皆さんが失敗から多くを学び成長することを心から願っております。
実践したらX(Twitter)への投稿、またはNoteへコメントしてもらえたら嬉しいです!
今日も、「日刊7秒しかけ」を読んでくれてありがとうございます。
「失敗/ミス」でなく「すっぱい/みそ」の7秒しかけを気に入ってもらえたら、「日刊7秒しかけマガジン」のフォロー頂けると嬉しいです!
それでは、また明日!明日はフツーの会社のすごいしかけです。
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