バタフライ 【詩/現代詩】
バタフライをしながら
正気を保つのはむずかしい
いつの間にか
三本の角が首から生えている
(押し寄せる蒼い泡 ブクブク)
万物の根源へ向けて
触角をのばす
先端に触れたものを鷲掴み
幻の臓器をえぐり取る その
エモーショナルな運動は
もはや 地球への暴力である
(メエルシュトレエムが渦を巻いている)
火口の中心に向かって
叩きつけている瀑布の音は
もはや
(それは 万物を吸い込む七色の渦)
太陽の墜落
月光の没落
メエルシュトレエムの影を見ている
エイハブ船長の年老いた耳に
全人類の泣き声が聞こえている
女王様を怒らせている赤子の啼き声も聴こえる
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