マガジンのカバー画像

206
自由な形式で書かれた詩を収めています。幻想的な詩、物語的な詩、ナンセンスな詩など。
運営しているクリエイター

#創作大賞2024

明るすぎる 【詩】

未だ 何ものでもなかった その日 空 雲 そして お日さまは チョキン チョキン チョキン …

汐田大輝
3か月前
82

最初の詩人 【詩】

泡になっておる いつの間にか 泡になっておる いまだ 言葉になっておらぬものが 泡になって… …

汐田大輝
3か月前
77

現場付近 【詩】

また 一日がはじまろうとしていた 黒糖のような ねっとりとした一日が 〈妙高警察署によると2…

汐田大輝
4か月前
70

美しい村 【詩】

美しい村で ひと夏を過ごしたことがある その村は これといって 特徴のない村だったが 美しく…

汐田大輝
4か月前
78

真昼の丘 【幻想詩】

真昼の丘では 神々も 愚かになるらしい 蜜蜂が集まって 円を描きはじめる (おもしろいもの…

汐田大輝
4か月前
82

ふわとろ 【詩】

パン屋さんのはらわた つかみます その感触 おどろおどろ ぎゅっと つかみます ふわとろ ふ…

汐田大輝
4か月前
86

王 【詩/現代詩】

足の裏から 畳の目 よく見えて いとおかし 額の穴から 天井裏 よく見えて いとおかし 尾骶骨の割れ目から プレアデス よく見えて おかし イバラードの都 見わたして おもしろし 五年ぶり 羅漢さま 詣でました みな タテヤマの方 見ておりまして 片眼つぶったり 脚 上げたりして あかときのほう 見ていましたら うましあしかびひこぢのかみ とりのいわすくふねのかみ いもはやあきつひめのかみ ひなてりぬかたびちをいこちにのかみ あめにきしくににきしあまつひたかひこほのに

海鮮 【詩】

こんな時代になっても 空腹は止むことがない 悲しみをぎっしり詰め込んで 市場に運ばれる海鮮…

汐田大輝
5か月前
69

氾濫 【詩/現代詩】

夜もすがら 熱に浮かされていた 下水道から 潮が満ちてくる明け方 (七色の雨が 降っていた…

汐田大輝
5か月前
78

この扉を開けなさい 【詩/現代詩】

この黄色と 青の コンパスで 未知の図形を描く 角度を広げながら 平行移動する夏の三角 蠍座…

汐田大輝
5か月前
76

バタフライ 【詩/現代詩】

バタフライをしながら 正気を保つのはむずかしい いつの間にか 三本の角が首から生えている …

汐田大輝
5か月前
88

電車 【幻想詩】

その時刻になると 僕たちは 床にはりついて 夕方の音を聴いていたのです (ガタン ゴトン …

汐田大輝
5か月前
84

高地は晴れている 【詩/環境文学】

さわやかな朝 吹き抜ける風 (今日も夏日の予想) こころをしずめて 明るい丘陵を崩してい…

汐田大輝
6か月前
59

マルゲリータ 【詩/現代詩】

見えない矢が かたちのない速度が 光の束になって (どきゅん どきゅん) 純正の イロガミである マルゲリータ 君を 切り刻んで バラバラにして 空いちめんに 散らす 舞わす… (つないでおいてくれよ) 夕べ カフェーで見かけたのは 青く 赤く ひかる マルゲリータ 丸く 四角く 三角の おがクズのかおり 楕円のものには 焦点が合わない ねえ マルゲリータ (グッとくるね) ちょいと デンジャラスな ハイヒールを履き マルゲリータの眼鏡が青い 喉があいてる 鼻