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自由な形式で書かれた詩を収めています。幻想的な詩、物語的な詩、ナンセンスな詩など。
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記事一覧

明るすぎる 【詩】

未だ 何ものでもなかった ある日 空 雲 そして お日さまは チョキン チョキン チョキン …

汐田大輝
4日前
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最初の詩人 【詩】

泡になっておる いつの間にか 泡になっておる いまだ 言葉になっておらぬものが 泡になって… …

汐田大輝
7日前
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現場付近 【詩】

また 一日がはじまろうとしていた 黒糖のような ねっとりとした一日が 〈妙高警察署によると2…

汐田大輝
2週間前
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美しい村 【詩】

美しい村で ひと夏を過ごしたことがある その村は これといって 特徴のない村だったが 美しく…

汐田大輝
2週間前
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夏至 【詩】

満員電車の中で ドアにへばりついていると 花火が上がるのが見えた 紅い火花 青い火花 やがて…

汐田大輝
3週間前
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真昼の丘 【幻想詩】

真昼の丘では 神々も 愚かになるらしい 蜜蜂が集まって 円を描きはじめる (おもしろいもの…

汐田大輝
1か月前
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ふわとろ 【詩】

パン屋さんのはらわた つかみます その感触 おどろおどろ ぎゅっと つかみます ふわとろ ふわとろ (うしろの作業場でよい匂いがいたします) 水曜日のひるま あまたたび どんちぇりーの呪い ほどきたく パン屋さんのはらわた まっさらに 剥いてゆきまする どろどろしています この ふじょうのみやこ ほどかんと パンぐりらの旅路へつかんとするに (こんどの品評会 参加されますか) (まだ焦げ目がついておらぬ  お許しねがいます) ふわとろ ふわとろ

王 【詩/現代詩】

足の裏から 畳の目 よく見えて いとおかし 額の穴から 天井裏 よく見えて いとおかし 尾骶…

汐田大輝
1か月前
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海鮮 【詩】

こんな時代になっても 空腹は止むことがない 悲しみをぎっしり詰め込んで 市場に運ばれる海鮮…

汐田大輝
1か月前
70

氾濫 【詩/現代詩】

夜もすがら 熱に浮かされていた 下水道から 潮が満ちてくる明け方 (七色の雨が 降っていた…

汐田大輝
1か月前
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この扉を開けなさい 【詩/現代詩】

この黄色と 青の コンパスで 未知の図形を描く 角度を広げながら 平行移動する夏の三角 蠍座…

汐田大輝
1か月前
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バタフライ 【詩/現代詩】

バタフライをしながら 正気を保つのはむずかしい いつの間にか 三本の角が首から生えている …

汐田大輝
2か月前
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電車 【幻想詩】

その時刻になると 僕たちは 床にはりついて 夕方の音を聴いていたのです (ガタン ゴトン …

汐田大輝
2か月前
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円 【詩】

さいきんは 社会というものに興味をなくして 円を描いています 裏庭にきつねがおりましてね よく化かしに来たものでしたが もう 愛想を尽かされました 竹藪がざわざわする頃には ただ円を描いています 謡もやめましたが まあ ときどき 円を吟じています 愛想のカケラもないところがいい ただ 記憶はしておりません 何ひとつ覚えていないのです 漢詩だったと思いますが... ああ眩暈がしてきた もう寝ます ×× さいきんは 色というものに興味をなくして モノクロです 言葉も忘れ