おでかけのまえに:絵本

おススメ度:★★★★★
対象年齢:1~6歳ぐらいまでのお子様のいらっしゃる方へ

これは、もうなんていうか、菩薩のような母と父が出てくるので、忙しい日々が続いた後、ふと読むと、好奇心旺盛で素直なかわいい あやこちゃんが、自分の娘に被って、ふわっと涙腺が緩みそうな愛おしさがこみ上げてきます。

筒井 頼子 (著), 林 明子 (イラスト)『おでかけのまえに』 福音館書店 

1歳前後から激しく自己主張をし、わんぱくで片時もじっとしていない、隙を見つけるとパーっと駆け出してしまう我が子に手を焼いていた頃、私はこの本を子どもに読み聞かせては、「このお母さんすごすぎる、私だったら激怒しているところよ」と手に届かない思いで呆然としておりました。あやこのやることなすこと、我が子とそっくりで、読んでいると、つい、イラっとしそうになることもあるほどでした。

でも、だんだんと子どもが落ち着いてくるに従い、また、自分が色々と育児書を読んでいくに従い、あやこが 愛おしくてたまらなくなり、素直ではつらつとした あやこを そのまま受け止めて優しく成長を促すご両親のすばらしさが、改めて心に沁み入るようになってきました。

こうはできなかったけど、こうやって接してあげたかった。

そういう親の反省が込められた絵本なのかも、と思えたりする今日この頃です。

こんな風に天真爛漫で好奇心旺盛な子猫のような時期は、過ぎ去ってみると本当にあっという間でした。小さなお子さんがいらっしゃる方は、毎日忙しくて大変で、これまで大人のリズムで進んでいた生活がこどもにふりまわされて、モデルチェンジされた生活に四苦八苦だとは思います。でも、どうか、かけがえのないお子さんの好奇心をどうか上手に救い上げて、そのまままっすぐ伸ばしてあげてほしいなぁと思う次第です。

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