図々しい

図々しい。
よく考えてみると全然読めやしない。
なんで、この漢字になったのだろう。

… 

小説を読んでいるとよく出てくる図々しい人。
流浪の月の平光さんのような
わずかな情報量で他人の生活をまあまあ正確に把握して、それを大勢の前で悪気なく口にする配慮の無さに自分を重ねてしまう。

自分が気にしてこなかったことに配慮するのはすごく難しいことのように思う。

受験する予定の学校名、
付き合ってる人の有無、
結婚歴 などなど

私はこういうことを他の誰に言いふらされても
たぶん人より気にならない質(タチ)なのだ。

でも今まで色んな人に出会って
自分の愛する人たちは配慮に長けた人で
自分には出来ないことができるところというのも私が彼女らに惹かれる所以で
彼女らのおかげで私は少しは配慮が出来るようになったと思う。

小説やマンガを読むと、
主人公がこういった悪意のない配慮ができない人間のせいで傷つく様子やそういう人間に嫌悪感を抱くのと同様に、読んでいる自分も平光さんのような人に嫌悪感を持つ。
その後、自分自身も平光さんのように気付かないところで誰かを傷つけてきたんだろうと、毎回思ってしまう。

私には配慮が足りないところがある。
それを自覚して、認めて、咀嚼しよう。
すごく喉の奥が苦い…気がする。

それでもソクラテスの無知の知のように
これを認めることが一種の配慮なのだとおもう。

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