非密の写真集、Social Distanceの秘密
押忍です!
今回はアニソンシンガーの黒崎真音さん(以下まおんさん)と、オンラインによるリモート撮影だけで制作した、非密の電子写真集Social Distanceについて少しだけ解説してみようと思います。
前回、前々回の記事と重複する箇所もあるかと思われますがご容赦ください。
写真集にしようぜー
まおんさんとは過去に4冊の写真集を制作しております。いずれもまおんさん本人の企画で構成で編集です。そして被写体です。
そもそもSNSで新鮮な写真を届けようと始めた企画ですが、二回目の撮影の段階で上がりの良さからSNS用途だけではなくて、写真集とか写真展とかも出来そう!などと話が膨らみました。
そしてその翌々日くらいに、写真集にすることが決定。
個人的にはなんとなく、紙の写真集のイメージだったのですが(わたくし、年齢も相まって古典的なのです)まおんさんは電子書籍のイメージだということで笑、電子書籍として進めていく!ということになりました。
よく考えてみればわかることなのですが、密や人との接触を避けなければならないこの時期に、印刷したものを配送なんて密の極み乙女じゃないですか!(大げさ・・・。)
印刷では入稿から完成品が手元に届くまでの時間もかかります。
撮影からお届けまで、非密のソーシャルディタンスでやるほうがブレがない。
そしてなにより、自粛期間中にファンの皆様のもとにすばやくお届けできるというのは良いなと思いました。
PDFか電子書籍か
PDFは縦スクロールが微妙という話に。
設定やブラウザ、リーダーによっては紙をめくるようなエフェクトがかかるのもありますが、多くの端末で紙の書籍的な動作を示す電子書籍(EPUB)が良いということになりました。
セレクトなど
今回はおよそ7800カットの写真から300程度セレクトしました、まおんさんがね・・・。結構大変な作業。
通常でしたら、ここからさらに100程度に絞るのですが、相談したところ、そのままいくこととしました。
従来、というか、通常、写真を組む作業は出来るだけ絞り込んで、スッキリと見せる編集にするのですが、、、というか、そう言われて育ったし、そう思い込んでいました。
その思い込みがいつも通用するとは限りません。
今回はそういう意味では余計な写真もあるかもしれませんが、沢山の写真を見たい人もいるでしょ!と勝手に解釈してそのまま出発進行!
編集作業
写真全体をザーッと眺めると、ある程度流れができていたので、基本は時系列で行くこととします。(ここでまおんさんに確認します)
テストで数枚EPUB形式に出力してみます。
EPUBを自分で作るのは初めてです。
初めてのときはいくつになっても緊張と高揚感に満たされますねぇ笑。
私はAppleユーザなので、Mac標準のブックアプリで展開されました。
なるほど。単ページで制作したものも見開きで表示されるのか。
iPadでも確認します。
なるほど。横だと見開き、縦にすると単ページ表示になるのか。
ただ、完全なる単ページではなく、隣のページが余分にくっついてます。
iPhoneも同様でした。
ということで、見開き前提で流れを作ったほうがいいなと判断しました。
AdobeのLightroomで324枚の写真を見開き(2枚1組)で確認できるように設定します。
プリントモードで一枚の用紙に二枚づつ表示されるようにしました。
左綴じと想定して流していきます。
流れが途切れる箇所が何箇所かあったので、どう修正するか検討します。削除か、余白ページの挿入か、順番を入れ替えるのか。
今までの私ですと迷わず削除ですが、今回は入れ替えすることに。
一旦、すべての写真をコンタクトシートにして印刷します。
コンタクトシートに直接書き込んで、入れ替えの部分をけんとうするのですが、案外入れ替えられる箇所がすくない・・・。一箇所入れ替えると、他に影響が出てしまう。
結局、入れ替えに加え、余白ページを入れることにしました。
余白ページは休符の役目を果たし、いい感じでリズムも作れたのではないでしょうか?
そうして、表紙、本編、裏表紙と完成。
EPUBへと変換。
この後、数回のチェックと修正を経て、やっとこさ完成しました。
・選んだ写真をパラパラと流して見られるように、
・二枚一組で見たときに違和感のないように、
・単ページでみたときも違和感のないように、
ここいらへんを意識しました。
すばやくスワイプして見たときにパラパラ漫画のように動きを楽しめたらいいかなと。そういう意味では、スマホやタブレット端末のほうが相性はよいかもしれません。
パラパラ楽しんだら、お気に入りの一枚を見つける・・・・、と私はそんなふうに楽しみましたよ、、、、。
今更気付く電子書籍の良さ
本番を書き出す前に少し時間を置いてからダミーを見直すのですが、カンプをスマホに転送しておいて、寝る前にも眺めていました。
この行為が案外良くて、電子書籍は照明なしでも楽しめるのだなと。
Kindleで買った本はこうして読んでたのですが、当たり前過ぎて全く気づきませんでした。
と、チェックしてるうちに寝落ちるのでした・・・。
写真のクオリティについて
前々回の記事でも触れましたが、クオリティに関してはとても満足の行くものでした。この状況下、限られた機材ということもありますが、それ以上に写真としての存在感というか、強度みたいなものがあるように感じました。
ここでいうクオリティというのは写真機材のカタログスペックで語られるような写真とはちがいます。画素数や階調性、ステイタス、そういったことは一旦下げておいて、魅力ある写真に仕上がったと自負しております。
チェキで撮った写真に近いかもと思いましたが、あらためて見るとやっぱり違いました笑。まぁ、似て非なるとごまかしておきましょう。
結局、このタイミングの空気感なのかもしれません。
色調や現像の方針について
LightroomCCとPhotoshopですべての工程を完遂させます。
基本シャープネスは切る、テクスチャという細部のコントラストは下げる、という設定をすべての写真に当てていきます。
レンズのプロファイルは画像を見ながら適時。
今回はiPhone11proのfront cameraとBack camera。
すべての写真に基本の設定が当てられたら、色の調整に入ります。
わたし好みの写真の色の傾向は、黄、オレンジ傾向なのですが、まおんさんのインスタグラムを見ていると青傾向でした。本人に確認をとると、青傾向が好きだと。
なので、青傾向に寄せるようにするのですが、、、難しい笑
そんな私も今年に入って青傾向の写真作りの検証と実験を少ししていました。
それもあり、少しは反映されてるはず・・・。
Lightroomでの現像作業は基本的にパラメータを上から順番に操作していきます。
その前に基本現像のプリセットを当てます。こちらは自分で作ったものです。
(ここ数年でプロファイルの出来が良くなってきたので、わからない人は好みのプロファイルを当てて終了でもいいかもしれません。)
ホワイトバランス、露光量、コントラスト、ハイライト、、、、何も考えずに上から順番にスライダを左右にふっていきます。
何も考えずとは言いましたが、ヒストグラムは読みます。
私の写真は基本ヒストグラムでできています。写真を見ずにヒストグラムだけ見て詰めていきます。
最後に色を見るために目視用のカラーマネジメントディスプレイで確認。
調整→ヒストグラム→目視
調整→ヒストグラム→目視
を何回かループして完成。
ディスプレイはデュアルなので、iMacのディスプレイでも一応確認します。
こちらはどちらかというと、解像感や細部のディテールを確認します。
RAWでの撮影でもなく、露出も自動なので、白飛びがどうしても避けられません。そこをなんとかうまく誤魔化す笑。
馴染ませるという言葉のほうがよいですね。こちらはPhotoshopを駆使して雰囲気で作業します。
表紙など
表紙はカンプを作って、文字の大きさや追加など確認してもらいます。
GOサインが出たら、本番を書き出して終了です。
と、こんなふうに写真集はできあがりました。
最後に、、、人智を超える
さて、どうしめましょうか笑
結局、面白かったのはリモート撮影ですね、やはり。
新しいことでしたし、置かれてる状況を楽しむことが出来たのはでかい。
これは本当いい経験になりました。
思い通りにならないのが面白い。これは写真の醍醐味だと思ってます。
頭の中のイメージ通りに出来上がる写真ほどつまらないものはないと思ってます。
写真はうまくいってしまったり、写ってしまったり、不可抗力が功を奏すメディアだと思ってます。
人智を超えたところに面白さがある。
毎回こんなことが起きればいいのですが、毎回起きないのも写真。
今回の撮影から制作ではそれをあらためて思い知ることとなりました。
長いw
以上です。いかがだったでしょうか?
少しテクニカルな話も折り込みましたが、難しいことは何もしてません。
誰でもできることをやってるだけです。勉強不足故に・・・。
しかし、こんな機会得られるなんて、恵まれてんなーオレw
KISS THE FUTURE!!
それではまたの機会までごきげんよう!
以下、関連記事です。
前回の記事→単なる宣伝
前々回の記事→経緯など
参考 インスタグラム #facetimephotoshoot
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