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【実験】孤独な子育てをしていた私が「チーム育児」を実践することで、日本の仕事・育児両立のあり方を変える道筋は見つかるのか

こんにちは。
岸 志帆莉です。

今年も新しい働き方LABで半年間の実験をすることになりました。

新しい働き方LABとは:
今の自分の「働き方」からステップアップしたい。さらにスキルアップしたい。新しい働き方に挑戦してみたい。研究員制度はそんな働き方のパイオニアが集まり、一緒に前進していくコミュニティです。

公式ウェブサイトより

今年の実験テーマはずばり、

孤独な子育てをしていた私が「チーム育児」を実践することで、日本の仕事・育児両立のあり方を変える道筋は見つかるのか

です。


●実験の目的

「チーム育児」について学び、実践することで、日本の仕事・育児両立のあり方を変える道筋を見つけること

●実験の背景

私について

私はいま、中国・江蘇省で2人の子どもを育てながら文筆活動(ノンフィクションライター)をしています。
昨年までは東京の出版社で働いていました。

私が「弧育て」をしていたころ

今はこうして家族4人で中国に暮らしていますが、実はここに来る前は日本で1年間ほどひとりで子育てをしていました(夫の仕事の都合により)。
当時、子どもたちは3歳と0歳で手のかかる時期でした。

とりあえず最初は気合いで生活していたのですが、ひとりで育児と仕事を両立していくことは想像以上に厳しく、すぐにノックアウト寸前になりました。

さらに、体の疲労に加えてしんどかったのが社会からの孤立感でした。
2人の子どもたちの命と安全をひとりで守っていくこと。生活に関わるすべての意志決定をひとりでしていくこと……。さまざまなプレッシャーもありました。

暗中模索の末、気づけば100人で子育てをしていた

そんななか、まずはとにかく母子3人で孤立する事態を防ぐため、地域とのつながりを深めていくことにしました。長男の幼稚園の先生方や保護者の皆さま、児童館、ご近所さん、商店街の皆さまなど。毎朝挨拶を交わすくらいのつながりも含めると、本当にたくさんの方に関わっていただきました。

さらに、民間のベビーシッターさんやボランティアのビジターさん、街で出会った人、旅先での出会いなど……。ありとあらゆる方に少しずつ力を分けていただきました。

そうして一日一日と過ごしていくうち、ある日ふと振り返ると、100人を超える方々になんらかの形で関わっていただきながら子育てをしてきたことに気づきました。(※一期一会の出会いなども含みます)

この気づきがかなり衝撃的で、思わずnoteにまとめたところ、多くの反響をいただきました。

孤独な子育て(=弧育て)をなくしたい

このように、一時期はノックアウト寸前までいった私がなんとかその後も子育てを続けられたのは、まぎれもなく当時私たちを支えてくださった100人の皆さまのおかげです。
(ちなみにその後、岸家の子育てに関わってくださった方の数はさらに増え、最終的には150人を超える大所帯となりました。心より深く御礼申し上げます)

一方、まわりを見回すと、日本にはまだまだ「弧育て」をしているママやパパが多いことに気づきます。

弧育ては、親子の生活に影を落とすだけでなく、仕事などプライベート以外にも影響を及ぼすと当時の経験から感じています。

一方、家族以外の人やコミュニティとつながることで、親は仕事と子育ての両立がしやすくなるだけでなく、仕事のクオリティも向上することが海外の研究等からわかっています[1]。

日本の働くママやパパが「チーム育児」をもっと実践できれば、仕事と育児の両立のあり方は変わるのではないか。

すべての人が100人で子育てできる社会になれば、働きながら子育てをする日々はもっと明るくなるのではないか。

そんな想いから、今はノンフィクションライターとして「チーム育児」や「開かれた子育て」をテーマに取材執筆を行っています。

運営しているウェブメディア:

今後も取材活動を通して、そしてなにより自分自身の実践を通して、チーム育児をもっとあたりまえのものにしたい。

そして、日本から孤独なママとパパをなくしたい!

それを模索する一歩として、この実験を進めていけたらと思います。

●検証したいこと

孤独な子育てをしていた私が「チーム育児」を実践することで、日本の仕事・育児両立のあり方を変える道筋は見つかるのか

●活動の概要

①先行研究レビュー

「チーム育児」に関する国内外の文献をレビューし、チーム育児が仕事や生活全般にもたらす影響について考察します。

②インタビュー調査

日本の働く親へインタビュー調査を実施し、子育てにおける他者との関わりの実態を明らかにしていきます。

  • 子育てにおいて、家族以外の人やコミュニティと日常的に接点を持っている?

  • それらの人やコミュニティとはどうやって接点を築いていった?

  • それらの交流は、仕事や生活の質にどのような影響をもたらしている?

③専門家からの意見聴取

より広い視点からチーム育児に関する知見と方法論を取り入れるため、親子支援に関わる専門職(看護・助産師、保健師、保育士、学校教員、研究者等)にインタビューを行います。

④自分自身でのチーム育児実践

同時に、私自身が中国という完全にアウェイな環境のなかでチーム育児を実践していくことを通して、日本の仕事・育児両立の改善につながるヒントを模索していきます。

●測定方法

①~③:
文献レビューおよびインタビュー結果に対し定性分析を行います。

④:
中国での子育てのなかで、何らかの形で関わってくださった人の数が100人を超えること(※実験終了時点)を定量目標とします。
またそれらの関わりを通して自分に起こった変化を分析しつつ、他者にも再現可能な方法論などを検討します。

●アウトプット・成果

上記①~④の成果をまとめ、最終報告書をnote上で公表

●スケジュール

6月
・キックオフ
・各調査にかかわる準備スタート
・文献レビュー開始
・中国で100人子育てチャレンジ開始

7~10月
・インタビュー調査(ワーキングペアレンツおよび専門家)
・文献レビュー
・中国で100人子育てチャレンジ継続
・調査結果の分析

11月
・まとめ、最終報告書を公開

この実験は私ひとりの生活にかかわる範囲を超え、日本の働くママやパパに少しでも役立つ内容にしていきたいと思っています。
そのために、ひとりでも多くの方のご意見が必要です。

「チーム育児」や「弧育て」などのテーマについて私と話してもいいよ、というワーキングペアレントの方がいらっしゃったら、どうかお話を聞かせてください。

これから半年間、楽しく実験していきたいと思います。よろしくお願いいたします。

●参考文献

[1] Allen, Tammy D., and Lillian T. Eby (eds), The Oxford Handbook of Work and Family, Oxford Library of Psychology (2016; online edn, Oxford Academic, 3 Feb. 2015), https://doi.org/10.1093/oxfordhb/9780199337538.001.0001, accessed 22 June 2024.

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