母子3人で修学旅行にいってきました。 @LivingAnywhere Commons 館山
こんにちは。
岸 志帆莉です。
先日、母子三人で千葉の館山へ修学旅行に行ってきました。
目的地は、青く輝く北条海岸に面した「LivingAnywhere Commons館山」という宿泊施設。ここに五日間滞在し、さまざまな生き方や価値観に触れながら、母子ともに成長するというのが今回の旅の目的です。
なぜ母子三人で修学旅行?
そもそもなぜ母子三人で「修学旅行」にいくことにしたのか。
このnoteでもお話ししてきたとおり、我が家では春から夫が海外へ赴任しました。以来、残された母子三人でつつましく暮らしています。
そんななか、今後の生き方や働き方についていろいろ思うところが出てきて、6月にランサーズ主催「新しい働き方LAB」というコミュニティの門を叩きました。以来、あたらしい生き方や働き方について、自分なりに模索を続けています。
そこで私が探求しているテーマのひとつが、「変化に耐えうる力」をつけること。めまぐるしく人生の状況が変わるなか、変化に対応する力をつけることは私たち家族にとって喫緊の課題です。変化への対応力をつけるには、場数を踏むしかありません。あたらしい場所へ行くこと。あたらしい人々と出会うこと。それらを通していろんな生き方に触れ、母子ともにひとまわり成長したい。というか、東京のマンションでの母子生活にももううんざりしてきた。純粋にリフレッシュしたい。きれいな空気を吸いたい……。
そんななか、新しい働き方LABでのご縁により、LivingAnywhere Commons(以下LAC)の存在を知りました。さらに宿泊代が40%オフになるクーポンまでゲットしてしまい、「もう行けってこと?」ということで、エイッと館山まで行ってきました。
行ってみてどうだった?
エイッと決めた館山旅行でしたが、とても思い出深い旅になりました。
ひとつの記事にまとめきれないほど様々なことがありましたが、なかでも印象に残ったことをひとつずつ振り返ってみます。
さまざまな生き方に触れ、心に翼が生えた
今回もっとも印象に残ったのは、なんといっても素敵な方々との出会いでした。
自分らしい生き方を模索しながらイキイキと暮らしている方がLACにはたくさんいました。
驚いたのは、多拠点生活をしている人たちの多さ。決まった住居をもたず各地を転々としながら暮らす、いわゆる「アドレスホッピング」という生き方を実践されている方と複数お会いしました。ほかにも東京と館山の二拠点で生活されている方や、日本と海外を往復するように暮らしている方、館山への移住者や地元の方々ともお会いしました。
あたらしい場所に飛び込むと、本当にさまざまな生き方との出会いがあります。アドレスホッピングや二拠点生活など、メディアではよく目にするけれど、どこか遠い世界の話だと思っていました。まわりにそういう生き方をしている人が少ないこともあり、リアルなこととして受け止めたことはなかったように思います。でもいざそういう生き方をしている人を目の当たりにすると、遠い世界と捉えていたことがたちまちリアルなものとして立ちのぼってくる。これはネットの記事を読んでいるだけではなかなか体験できないことです。多様な生き方にじかに触れ、心が解き放たれていくような、発想がどんどん自由になっていくような、そんな感覚がありました。
たくさんの出会いを通して母子ともに成長した
私だけでなく、子どもたちもさまざまなことを感じ取ったようです。滞在期間を通して素敵な大人の方々と触れあえた息子たちは、帰るころにはすこし表情が変わっていました。
LACでお会いした皆さまには本当によくしていただきました。コミュニティマネージャーの北村さんおよびスタッフの森さん、そしてお会いしたすべての宿泊者の皆さまにやさしく接していただきました。なぜか母子三人で来ている私たちにわけも聞かず、温かく受け入れてくださったことに、感謝の思いしかありません。
とくに二日目の夜にお誘いいただいたバーベキューは、母子にとって忘れられない思い出となりました。
眼前にはマジックアワーに燃える北条海岸の夕暮れ。旅行者も地元の方も一緒になり、波風に吹かれながらテーブルを囲みました。さざ波の音、時おり打ち上がる花火。子どもたちにとっては、夜のバーベキューも、こんなにたくさんの大人たちとテーブルを囲むことも、すべてがはじめての経験でした。
「大人の会話ばかりでぐずってしまうかな」と心配していましたが、杞憂に終わりました。皆さまに可愛がっていただき、三歳の長男は絶好調。次男もいつもと違う雰囲気が手伝ってか、離乳食がよく進みました。これだけ生き方も年代も異なる方々と触れあえたことは、子どもたちにとって貴重な経験となりました。
さらに今回発見したLACのすばらしいところは、ほかの宿泊者の方たちと仲良くなれるスピードが速いこと。こちらが子連れだったせいもあるかもしれませんが、こういう場に集う人同士、価値観が重なる部分があるのかもしれません。会話がはずみ、母子ともに楽しい時間を過ごさせていただきました。
旅のよさを再確認した
今回ひさしぶりに旅に出てみて、旅のよさもあらためて実感しました。あたらしい空気、あたらしい景色、東京とはちがった雰囲気をまとう人々……。東京からバスでたった二時間なのに、別世界のようでした。みどりの田園、のどかな里山。直視できないほど眩しくきらめく北条海岸。水上バイクが車に牽かれて道路を走っているところをはじめて見ました。ほんの二時間来ただけで、これだけ新鮮な景色の数々に出会える。旅ってやっぱりすごいなぁ、と再認識しました。
わたしが個人的に思う旅のよさ。それは「今この一瞬」に集中できることです。
旅においては見るものすべてが新しく、予測不可能。そんななか、意識は自然と「今」へ向かっていきます。マインドフルネスという言葉がありますが、旅をしているあいだはまさにマインドフルな状態。頭を一度からっぽにして今に専念していると、自分自身の声もよりクリアに聞こえてきます。
ちなみに今回の旅行はほぼノープランだったのですが、旅の醍醐味である観光もバッチリ楽しんできました。北条海岸であそんだり、バスで海岸線を旅しながら植物園に行ったり。内房線に乗って鴨川シーワールドにも遠征しました。電車が大好きな長男は、内房線という新キャラとの出会いに大興奮。母子三人でしっかり夏の思い出も作ってきました。
自宅のよさも再確認した
最後に、今回の旅の意外な収穫をもうひとつ。それは自宅のよさを再発見できたことです。思いもよらない景色や出来事に出会える旅は、もちろん最高です。毎日すてきな出会いがあり、いろんな人とにぎやかに食卓を囲めるLACも言うまでもなく最高。でも、家は家でいいものです。子どもたちがどれだけ騒いでもノープロブレムだし、お風呂も布団もすべて使い慣れたものばかり。『オズの魔法使い』で主人公ドロシーが ”There’s no place like home!”(我が家がいちばん) という名ゼリフがありますが、三十過ぎてその言葉が味わい深く感じられます。
夫がいなくなってからというもの、あまりの負担と孤独に押しつぶされそうになるときがあります。自分以外の大人の目がない環境が恐ろしくて、「もうこの家には住めない」と思ったことも。いっときは本気で母子世帯向けのシェアハウスを探していました。でもそんな自宅も、すこし距離を置いてみるといい部分が思い起こされてきます。もちろんひとり子育ての負担と孤独がやわらぐことはありません。しかしなんだかんだ言って、長男を身ごもってから四年以上暮らしてきた我が家。思い出があるし、なにより落ち着きます。やっぱり私たち三人のホームはここ。日本を離れるまでの残りの時間、私たちはやっぱりここで暮らしていこう。そんなふうに我が家のことを捉え直すことができたのは、うれしい収穫でした。
とはいえ、私たち三人だけで生きていくことはやっぱり難しいことです。これからも周囲の人たちの力をすこしずつお借りしながら、希望を忘れず前向きに暮らしていきたい。そんな思いを抱きました。
忘れられない夏になった
長々と振り返ってきましたが、本当に忘れられない旅となりました。
実は出発前には不安のほうが大きかったのですが、いまは行ってよかったと心から思います。子どもたちに夏の思い出と写真を残すことができてよかった。慣れない環境のなか、子どもたちはどう思っているのかなぁと内心気にしていたのですが、彼らなりに楽しんでくれたようです。三歳の長男にいたっては、バスで東京駅に降り立った瞬間、「また旅行に行きたい~~~!!」と泣きながらバスへ引き返そうとする始末。通りすがりのインド人女性に本気で心配されました。びっくりしたけれど、それだけ楽しんでくれていたことにほっとしました。
私もひさしぶりに大人と話せてリフレッシュできたし、疲れていた心もかなり回復しました。子連れの私たちを受け入れてくださったLAC館山の皆さま、および現地でお会いした皆さまお一人おひとりに、あらためて心より深く御礼申し上げます。五日間を無事に過ごせたのは、ひとえにここで出会えた皆さまのおかげでした。
人に会うたび、元気をもらいます。そしてまた明日を生きていく活力がわいてきます。人とのつながりって、あたりまえだけど大切だなぁと思います。東京に戻ってからも、たくさんの人たちとの関わりを大切にしながら、また一つひとつ生活を紡いでいきたい。そんな思いを新たにしました。
館山の海と街、そしてLAC館山の皆さま、北条海岸のように燦然とかがやく夏の思い出をありがとうございました。
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