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オンライン学習へのモチベーションをどう保つ? ―オンラインで海外大学院に行こう! マガジン #27

こんにちは。
岸 志帆莉です。

このマガジンでは、「オンラインで海外の大学院に行く」というテーマで定期的に情報をお届けしています。

大学院の学習は長丁場なので、モチベーションが続くかどうか不安な方もいるかと思います。とくにオンライン学習の場合、「何年もやる気が続くかわからない」「途中でやめたくなったらどうしよう」など不安になる気持ちもわかります。私自身、過去にそんな不安を抱えていたひとりです。

そこで今日は「オンライン学習へのモチベーションをいかに保つか」というテーマで考えてみたいと思います。

私自身はもともと飽きっぽい性格で、これまでに三日坊主で終わった物事もたくさんあります。それでも大学院の二年間はなんとか駆け抜けることができました。その理由を自分なりに分析すると、次のポイントにまとまりました。


自分が本当にやりたいことをする

まず何より、自分が本当にやりたいことをするのが継続への一番の近道です。あたりまえのようですが、「やりたいこと」には他者目線による動機が紛れ込みやすいので注意が必要です。たとえば「まわりから認められたい」「あの人よりも評価されたい」といった他者目線からくる動機ではなく、自分自身の内側からくる純粋な動機に耳を傾けてみてください。

モチベーションには「内的」なものと「外的」なものがあります。両者を見分けるポイントは主語に注目することです。内的モチベーションの主語は常に「私」にあります。「私」がこれを知りたい、「私」がこうなりたい。そう思えることに取り組んでいれば、困難に突き当たっても先へ進む力が湧いてくるはずです。

なぜそれをやりたいのか明確にしておく

同時になぜそれをやりたいのか明確にしておくことも大切です。「初心にかえる」という言葉がありますが、大変なときに助けてくれるのが「初心」、つまり自分なりの動機です。

社会人学生をやっているといろいろな困難に突き当たります。また日々いろいろな誘惑があります。SNSやテレビ、突発的な用事にさほど重要ではない家事など――。しかし目的がはっきりしていればそれらの誘惑よりも目標を優先することができます

また目的がはっきりしていれば余計なことに時間を使わずに済みます。たとえば大学院では統計の知識が必要ですが、統計を一から学ぶのは大変です。しかし「○○の研究に生かす」という目的がはっきりしていれば、必要な部分を効率的に学ぶことができます。

学びたいと思う背景には一人ひとりの動機や思いがあるはずです。あなたなりの動機を一度整理してみてはいかがでしょうか。

ゴールを細かく設定する

長い大学院生活を乗り切るためにはゴール設定が欠かせません。ただし「修士号を取る」というのが唯一のゴールでは、遠すぎてくじけそうになってしまいます。またゴールまでの道筋もなかなか見えてきません。そこでおすすめしたいのがゴールまでの間に小さなスモールステップをたくさん作ることです。

たとえば大学院への進学計画を立てることはひとつのステップです。大学院の授業に対応するために英語を学ぶこともひとつのステップです。さらに入学後に科目を履修しながら単位を積み重ねていくことも、一つひとつがゴールに向けてのステップとなります。

ちなみにゴールやステップを設定するにもコツがあります。私は「SMARTゴール」という考え方を参考にしています。

【SMARTゴールの五つの要素】
 ・pecific…… ゴールが具体的であること
 ・easurable…… 達成度合いを測定できること
 ・chievable…… 現実的に達成できそうであること
 ・elevant…… 自分自身の大きな目標と一致していること
 ・ime-bound…… 達成までの期限が明確に決められていること

これらの要素を満たすことで、効果的なゴール設定ができます。ちなみにSMARTゴールにはいくつかのバリエーションがあるようですが、ここでは私が普段利用しているものをシェアしています。

小さなごほうびを作る

目標とご褒美をセットで設定しておくのもいい方法です。私も大学院にいたころはかなり頻繁に自分にご褒美をあげていました。目標を細かく設定すればするほどご褒美のタイミングが増えるので、楽しみも増えます。ご褒美といってもささやかなものばかりです。「この箇所まで終えたらお茶を淹れよう」「○○ページまで読み終えられたらチョコを食べよう」など、負担にならずに気分が上がるものを選んでいました(むしろ負担にならない程度のものがおすすめです)。

そして普段よりも大きめの目標を達成できたときには、ご褒美も少しだけ奮発します。たとえば「最終課題を提出したらマッサージに行く」「論文を一章書き終えたらちょっと高いランチに行く」など、ここぞという時に奮発するとさらなるモチベーションアップが期待できます。

仲間を作って励まし合う

さらにおすすめなのが仲間を作ることです。普段ひとりで学習を進めることが多いオンライン留学において、仲間の存在は大きな支えになります。とくに高い目標を持つ仲間に囲まれていると、彼らのモチベーションの「おすそわけ」をもらうことができます。モチベーションが伝染するということは研究等からもわかっています。目標に向かって頑張っている友だちに会うと、自分も頑張ろうという気持ちになったりしますよね。

オンラインコースの場合、クラスメイトや先生方はとても身近な存在です。家族や友人なども強力な支えとなります。そのほか外部のネットワークに目を向けてみるのもおすすめです。オンラインコミュニティとつながったり、学会に参加してみたり。専攻する分野のイベントやセミナーがあれば積極的に参加してみるのもいいでしょう。普段から関わりを持つことで有益な情報を得られるだけでなく、モチベーションの維持にもつながります。

いいコミュニティを見つけることが難しい場合は、自分で作ってしまうという方法もあります。たとえば「みんチャレ」というスマートフォンアプリでは、同じ目的を持つ人が最大5人集まって日々励まし合うことができます。自分の目的に合ったグループを探すこともできますが、見つからない場合は自分でグループを作ることもできます。あるいはSNSで同じような活動をしている人を見つけてゆるくつながってみるのもおすすめです。SNSなら日本だけでなく世界中の人々と繋がることができます。

良い仲間やネットワークは学習にとって欠かせない存在です。クラスメイトや先生方に限らず、幅広い視点でつながりを模索していきたいですね。オンライン学習での仲間づくりについては、こちらの記事でも詳しく触れています。

皆さんもそれぞれに合ったやり方を見つけてみてくださいね。

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