はじめてのロジカルシンキング③~包含関係とMECE~
みなさん、こんにちは。宮口紫苑(しおん)です。
今回は、ロジカルシンキングについての第三弾。
基本となる包含関係についてです。
ロジカルシンキングって何?となっている人は、こちらの記事もぜひ読んでください。
また、前回の因果関係の記事についてもぜひ読んでください。
包含関係とは
学生時代、数学でこんなマークを勉強したこと覚えてませんか?
『⊂』『⊃』
視力検査ではありません。
これは、部分集合のマークです。
包含関係とは、ある集合が他の集合の部分集合であるとき、二つの集合の間に成り立つ関係のことをいいます。
何言っているのかよくわからない。。
大丈夫です。意外と簡単です。
いきなり例を出します。
B:野球は、A:球技に内包されています。つまり、BはAの部分集合です。
C:水泳は、AともBとも包含関係が成り立ちません。
このように、ある事象が他の事象に内包されているのか、内包しているのか。それとも無関係なのかを把握することが大事です。
それでは、ビジネスでどう使うのか。
あるセレクトショップの売上を構成する販売チャネルを考えるとき、下図のように、ECと店頭で切り分けられます。
この包含関係が次の章となるMECEを考えるうえで非常に重要になります。
MECEとは
ロジカルシンキングの真髄であり、最も重要な考え方といっても過言ではないのがこのMECEです。
MECEとは「モレなし、ダブリなし」という状態です。
例えば、春・夏・秋・冬と季節を正しく並べたときに、春・夏・秋だけだと、冬がモレています。春・初夏・夏・秋・冬だと初夏が夏とダブっています。
もう一つ例をあげます。
あるECの新規流入経路を、MECEに分類するとします。
a. ホームページ
b. Instagram
c. Twitter
d. 知人の紹介
仮に、あるECがリンクを載せている媒体が「a」「b」「c」の三媒体だとしたらこれでMECEになるかと思います。
逆にMECEでない例をあげると
a. ホームページ
b. Instagram
c. SNS
d. 知人の紹介
「c. SNS」が「b. Instagram」を内包し、「c」と「b」に包含関係があります。
これは「ダブリ」が発生しているといえます。
また、本当は店頭でECの案内をしているとしたら、「e. 店頭」も入れる必要があり、それがない場合「モレ」が発生しているといえます。
MECEを意識するようになってからの変化
「本当にそれだけ?」
営業先のお客様や上司によく言われている方はいませんか?
私は、よく言われてました。
あるセレクトショップの売上を伸ばすコンサルティングをやったとき、
「売上を伸ばすために、新規来客数を伸ばす施策を考えます」
と上司に報告しました。
「本当にそれだけ?」
上司からのフィードバックです。
そこでMECEを意識して、店舗の課題を考え直しました。
売上 = 来店人数 × 購入率 × 顧客単価
売上を因数分解して、モレなく、ダブリなく課題を探しました。
このときのケースでは、購入率、顧客単価ともに、同業他社と比較しても遜色がなく、あきらかに来店人数に課題がありました。
来店人数 = 新規来店人数 + 再来店人数
また、再来店人数は、来店人数と再来店率が影響を与えます。
このとき、再来店率は同業他社と比べ遜色なく、あきらかに新規の来店人数が少ないことがわかりました。
そのデータ(根拠)をもって、上司に同じ報告をしたところ納得してもらいました。
このように、MECEの状態を作りだすことが、問題解決や提案するうえで非常に重要となるのです。
最後に
何度も言いますが、MECEは、ロジカルシンキングの真髄で非常に大事な考え方です。
意思決定をするためには、あらゆる選択を比較することが大事なのです。
ですが、ビジネスになると考えられなくなる人が多く、僕もその一人でした。
また、包含関係はMECEを作り出すうえで、必要な考え方になります。
センスがある人は最初からMECEが作りだせると思いますが、これもトレーニングをして身につけることができるので安心してください。
因果関係とMECEの考え方を身につけたら、いよいよ次はロジックツリーの話をします。
非常に実践的で、ビジネスにおける成果の創り出し方を学べる内容になると思いますので、それまでお待ちいただけると幸いです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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