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こよみ薬膳 #立冬 11/7〜21頃

冬の気配が立つ頃。木枯らしの便りが届き、近くの山々の頂も雪をかぶりはじめる。

木枯らしは冬の気圧配置で吹く風速8m/sの強い北寄りの風を指すのだそう。関東と関西ではその年初めて吹いたときに木枯らし1号と発表されますが、関東では平均するとこの立冬の頃に当たり、まさしく冬の到来を告げる風物詩です。

春に芽生え、夏は太陽の力を得て成長し、秋に実りを収穫し、冬はその恵みを以って次の春のために力を蓄える。自然の生命の循環は私たち自身のものでもあります。

冬の体調管理はからだを冷気にさらさず、体力気力の温存を第一に。中医学のもっとも有名な古典のひとつに「傷寒論」というものがあるほど、寒さはからだを傷め、あらゆる不調や病につながります。

日照時間が少なくなると太陽がもつ温めたり何かを生み出したりする自然の力を借りにくくなり、冷えたからだをあたためたり消費した体力や気力を回復する力は弱くなります。自分の内側にある熱と力が頼り。それをやすやすと失わず、食べものや衣服、睡眠や休養で補い守って大切に使うように心掛けるというのが冬の過ごし方の基本です。

もう一つおすすめは、このあたりで今年の経験をふりかえり次の春から育て伸ばしたいものをゆっくりと考える時間をもつこと。

年末に近づくにつれ慌ただしさを増していきます。今年もあと2か月弱、年内ぎりぎりで何かを成そうとするより早めに一年を締めくくり、次の年に大きく育てたい目標を描き具体的な方法を調べたり友人と話したりして春に撒きたい種を選びゆったりと熟させる時期にする。個人的な習慣ですが、これ、効きますよ。

今日のお菓子、菓銘は「木枯らし」。木枯らしと聞くと侘しいイメージがありますが、実際に吹くのは樹々が色づく頃。散りゆく前の紅葉が弱まっていく陽光をやさしく受けとめてきらりとひかる様は厳しい冬を迎える心に小さな希望の灯を残していくようです。

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