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大切にしたいその瞬間

この前、午前中に外で仕事が終わり、そのまま午後はお休みにしました。
思ってたよりも早めに仕事が済んだので、自転車で家から少し離れたパン屋さんへ。

前に彼と行ったカフェの近くにパン屋が二店あることに気付いて、
そのうちの一つにお邪魔をしました。
看板は青い英文字で可愛らしく書かれており、広くはないけれど、
パンを置いた木のテーブルも洒落ています。
どこか外国のパン屋を思わせるそのお店は
香ばしいパンの香りでいっぱいでした。

惣菜パンやおやつにもなりそうなスイーツ系のパン。
どれにするか迷いに迷って、
選んだのは新メニューだというカツサンドと、細長いクロワッサン生地にモンブランのペーストが入ったもの。

袋に入れてもらい、自転車籠に入れたら、ゆっくりと漕ぎ始めます。
その日は風も穏やかで、快晴。
つい大きく息を吸いたくなるほどに、気持ちのいい日です。
風が、後ろの髪たちの間を通っていく瞬間も心地よく、いい午後のスタートだと思いました。

カツサンドは食べかけ☺︎

家に帰ってパンを温め直している間にコーヒーを淹れて、
窓を開けました。秋の日差しが部屋の中に入り、明かりをつけなくてもいいくらい。

ランチョンマットを敷いて、食欲をそそる香りがするパンを置いたお気に入りのお皿に、お気に入りのコップを置きます。椅子に座って、さあいただきます。
いつもご飯を食べるときは何かをパソコンで見たり、ポッドキャストを聞いたりしますが、その時はあえて何も見たり聞いたりをしませんでした。
部屋に入ってくる光や、外から聞こえる木々の枝たちが揺れる音たちを楽しみたかったからです。

パンもとても美味しくいただきました。
カツサンドは、ソースにチーズが混じっているらしく、こってりとしていました。モンブランのペーストが入ったパンはそのペーストに栗の粒粒が入っていて、上品な甘さ。
どちらもコーヒーに合い、つい「美味しい…」と呟いて頬が緩みました。

ふと窓の方を見ると、窓辺に置いて日光浴をさせていたガジュマルの影が、レースカーテンに映っていました。
その時にふと「ああ、自分はこういう瞬間を大切にして生きていきたいのだな」と思いました。閃いたというより、すっと自然に自分の中に浸透していくというか。

美味しいパンとコーヒーと、自分のお家と、風と光と。
日常の中にある、ちょっとした幸せ、寛ぎ。
それは働いたり、外で人と接しているからこそ、ありがたみを感じるものでもあるのかもしれないとも思いました。

実は最近仕事を変えようとしていて、奮闘したり、落ち込んだり、悩んだりと、少々疲弊気味。だからこそ、すっと、その瞬間が心の栄養になってくれたのだろうと思います。

そういう瞬間を、大切に生きていきたいです。
人には一つの軸だけではなくて、複数の軸があるのではないかと思っているのですが、私の中の軸の一つは周りにある何気ない日常の寛ぎです。

だから自分は大変だけれど作り置きをしたりすることも好きだし、お皿だったり、部屋の日当たりとかも重視するのかなと。
一生懸命に生きて、その贅沢な時間を大切にしたいです。

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