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【ドイツ】ピアノ・ソロコンサートのお誘い

今回は私のコンサートではなく、同じ職場で働いているフランス人ピアニストのソロコンサートに訪れた時のことをお話したいと思います。

自己紹介のブログでも書かせていただきましたが、私は2020年より、ドイツ・ハンブルク公立音楽学校で、バイオリン常勤講師として勤務しています。

ハロルド・シュタネーゼ (Harold Stanese)さんは、ドイツ・ハンブルクで活躍しているフランス人ピアニストで、私と同じ職場でピアノ常勤講師として働いています。

ピアニストとして活動したい彼は、ソロでのピアノコンサートを多く主催してきました。

ハロルド・シュタネーゼさん


コンサート会場へ

会場はハンブルクにあるピアノハウス「C. Bechstein Centrum Hamburg」という場所でした。

訪れたピアノハウスの外観
2階建てで広い😉


ドイツには、このようなピアノだけを取り扱う専門のピアノハウスがあります。
購入はもちろん、調律、修理、ピアノ貸出、ピアノ付き練習室など、ピアノに関することなら何でも対応しています。

アップライトはもちろん...
グランドピアノもたくさんあり、
まさにピアノ博物館のようでした♪


ドイツのコンサート代

ドイツのコンサートでは、通常のチケットの販売以外の方法として、演奏直後にお客様が自由に直接現金で支払うSpende(募金)があります。

Spende(募金)のメリットは、100%演奏者の報酬につながるところです。

デメリットとしては、コンサート開催前におおよその報酬を計算することができない、またお客さまが支払わずに帰ってしまうリスクがあるということです。

バイオリンの場合、ピアノのようにソロというより、他の楽器と一緒に演奏することが多い弦楽器の一つです。

そのため私は、一緒に演奏する共演者の方と相談して、チケット販売にするか、Spende(募金)にするか、決めて開催しています。ちなみにドイツでの一般的なピアノソロコンサート料金は、会場の規模にもよりますが、安くても大人一人につき、20ユーロ(約2900円)します。


ハロルドさんのコンサートは
Spende(募金)制だったため、
ピアノハウスの出口に
ボックスが置かれていました


ピアノコンサートがスタート

私がピアノハウスに到着したときは、コンサート開始15分前でしたが、すでに多くのお客様が席に座っていて、ハロルドさんの登場を待っていました。

自由席だったので、すでに前は埋まってました
配られたプログラム


今回彼が演奏した作品は、ロシア人作曲家、モデスト・ムソルグスキーのピアノ組曲「展覧会の絵」でした。

「展覧会の絵」は、そのタイトルのように、10枚の絵画を順番に眺めていく背景をモチーフにした作品です。
様々なヨーロッパの国々を舞台にした絵画を取り扱っていて、その国々に訪れ、見ているかのような作品になっています。

ハロルドさんが登場し
コンサートがはじまりました😊


ハロルドさんのコンサートの魅力

コンサートは、演奏者とお客さまがいて成り立ちます。
今回のハロルドさんのコンサートを通じて、私が感じた魅力をシェアしたいと思います。

1. ピアノは一つのオーケストラ

私はハンブルクの音大にて副科でピアノレッスンを受けていたのですが、当時ピアノの先生がお話していた、印象深くて忘れられない言葉があります。
それは「ピアノは一つのオーケストラ」という言葉です。

ピアノはヴァイオリンと違い、鍵盤の多さから、演奏することができる音の高さの幅、音域がとても広いです。
そのためその良さを引き出すことがとても重要だとおっしゃっていました。

今回彼が演奏した「展覧会の絵」は、後にオーケストラ用に編曲された作品でもあり、ピアノの演奏であっても、多くの楽器が登場し音色が聞こえてくるような演奏で、ピアノなのにオーケストラのコンサートの場にいるような雰囲気を楽しむことができました。

2. お客様とのコミュニケーション

ハロルドさんのコンサートは過去に何度か訪れたことがありますが、お客様がこれから聴く作品が理解できるよう、お話を交えながらコンサートを行っています。

今回は「展覧会の絵」の演奏ということで、10枚の絵画のプリントを持参し、途中何度か絵を見せながらお話していました。

ただその絵について説明するだけではなく、その絵に対して彼が感じたこと、またお客様がその絵を見て発言したことに対して答えるなど、演奏者とお客様の音楽を通しての繋がりをとても大事にしていました。

ハロルドさんの演奏という部分以外の、人間的な魅力が伝わるコンサートでした。

絵を見せながらお話ししている
ハロルドさん
コンサート終了後の舞台写真
ピアノ椅子の後ろに彼が持参した
絵画のプリントが置いてありました


3. 演奏表現の可能性

ピアノ以外の楽器でもそうなのですが、演奏で発した音はもう弾きなおすことができません。
だからこそ、一瞬見えるコンサートの演奏に対する集中した表情は、とても印象深く忘れることができません。

オーケストラを扱う1人の指揮者のように深く耐えながら堂々と演奏していることもあれば、出てくる絵画のキャラクターが、まるでその場に出てきて一緒に楽しく触れているかのような演奏もありました。

特に5番目の絵画「卵の殻をつけたひなの踊り」は、タイトルのようにリズミカルで高い音域を扱っていて、自身のバイオリン演奏でもこの面白い表現ができないかと音に対する探究心が生まれました。

私の自主開催しているコンサートでは様々な楽器と一緒に演奏していることが多いので、表現の可能性の幅を広げるということは、とても大切なことです。


自主開催しているコンサートシリーズへの今年の抱負


最後に、2017年より自主開催で行っているコンサートシリーズ「ZielKonzertSerie」(ツィールコンサートシリーズ)に対する抱負をお話ししたいと思います。


今年(2023年)に、ハンブルクで開催が決まっているコンサートは3つあります。

  1. バイオリン•ギターのデュオ (6月11日)

  2. バイオリン・フルート・トロンボーンのトリオ(9月10日)

  3. バイオリン・チェロ・ピアノのトリオ(秋冬予定)


どのコンサートも楽しみにしていますが、特に強くこだわりたいと感じているのは、1のバイオリン•ギターのデュオです。

理由は、コロナ前に日本で初めていただいた、ギターソロコンサートのバイオリン共演の依頼で演奏する曲を、プログラムに取り入れているからです。

昨年12月に開催した
クリスマスコンサートの様子


私は日本で高校を卒業した18歳に、すぐドイツへ単身で行ってしまったこともあり、日本での下地が弱く、演奏の依頼をいただくことが少ないです。

依頼を受けたギターソロコンサートは、本来2020年に開催予定だったのですが、コロナの影響を受け、今年8月11日をもって、3年越しの開催になります。

(初めていただいた依頼) + (外部的な理由での延期) が続いてしまったコンサート出演は、珍しく、貴重な体験です。

ハンブルクでのコンサートを通して、しっかり準備を整え、依頼してくださったギタリストの方、一緒に共演される方、訪れるお客さま、多くの方が、一緒に音楽を通して時間を共有できるコンサートに繋げたいと思っています。

ギターソロコンサートの共演の
依頼をくださった
ギタリストと上原淳さんと私😊
ギターとピアノで共演出演される
坪川真理子さん(左)
昨年は合わせ練習も行ったので
今からコンサートが楽しみです❣️


「様々な発見や、新しいインスピレーションをその都度見つけ、アップデートできる」

これが、コンサートに訪れることで得られる魅力の一つだと思います。

積極的に取り入れて、今年のコンサートの成功に結びつけていきたいです。


<<夏期短期集中レッスンを再開します♪>>

レッスン期間: 2023.07.20 〜 2023.08.21
レッスン場所: 千葉、都内、首都圏 (オンラインレッスンについては要ご相談)
お問い合わせ&詳細→下記リンクへクリック!

コロナで2019年の冬が最後でしたが、やっと復活し、数年ぶりのレッスンになります。多くの方のお力になれるレッスンの時間が、今からとても楽しみです☺️

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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