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部下からの進言は重要&ダイバーシティ研修の限界【DE&I#20】

こんにちは。中小企業診断士のさとうたろうです。
ダイバーシティに関するトピックを紹介しています。

部下からの批判は上司の創造性を高める

こんな研究結果があるそうです。

ケンブリッジ大学ジャッジ・ビジネススクール上級講師のユェン・ジュン・キムとオハイオ州立大学博士過程のジュンファ・キムは、ある韓国の健康食品企業においてフィールド実験を行った。
同社の製品開発担当者は、四半期評価でフィードバックを受けるが(中略)、その結果を調べたところ、上司または同僚の社員から否定的な評価を受けた場合、創造性のレベルが低かったが、部下から批判を受けた場合、創造性は高いレベルを示していたことがわかった。
キムらはこの結果から、「部下からの批判は上司の創造性を高める」と結論付けた。
(出所)DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー 2021年 6月号

他国における実験であるため、文化的な違いも考慮する必要がありますが、「部下からの進言を大切にすることは、自分にとってもプラスに働く」
という点を説明する上では格好の材料ですので紹介いたしました。

「部下からの進言を増やす」には「心理的安全性を高める」ことが重要です。そして、「心理的安全性を高める」ためには、以前ご紹介したように、あなたの弱みを見せることです。

ダイバーシティ研修の限界、1回では行動変わらず

こちらは日経新聞1/10朝刊に出ていた東京大学山口慎太郎教授の記事「ダイバーシティ進化論」の副題です。

「研修を通じて問題認識は深まるものの、職場での行動には反映されなかった。」との米ペンシルバニア大学の研究成果を紹介しています。
必要なのは「継続性」「絶えず検証すること」が重要と述べられています。

似たような話題として、ハーバード・ビジネス・レビューの2021年12月号に「アンコンシャスバイアス研修はなぜ機能しないのか」というレポート記事が掲載されていました。

従来型のUB(アンコンシャス・バイアス)トレーニングの欠点として、以下のようなことが述べられています。

3つ目に、対象者の87%は、自社のUBトレーニングがバイアスに関する科学的事実や組織内の差別による弊害について説明するだけで、それ以上には踏み込んでいないと回答した。実際、バイアスを軽減する方法を参加者に伝えていたプログラムはわずか10%だった。例えるなら、減量プログラムで参加者を体重計に乗せるだけで、後は放置するようなものだ。

「どのようにすれば行動につながるのか」。
その解決策の一つとして、「正しい実践と継続的な学習を奨励する」ことが挙げられています。
一例としては「メンターからフィードバックをもらう」こと。自分の行動にバイアスがかかっていないか、他社に観察してもらい、フィードバックをしてもらうことが効果的です。

「継続性」、「リマインド」という観点では、
継続的にダイバーシティに関するトピックに触れるだけでも良いと思います。このnoteが、皆様にとってダイバーシティを身近に感じ、「自分事化」のための一助となれば嬉しいです。

ちなみにこのハーバード・ビジネス・レビューの2021年12月号は、
「これからの人事」というテーマでまとめられていますが、興味深い記事が多くておススメです。興味ある方はぜひトライしてみてください!

【引用・参考】

DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー 2021年 6月号
出版社 ‏ : ‎ ダイヤモンド社
発売日 ‏ : ‎ 2021/5/10

DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー 2021年12月号
出版社 ‏ : ‎ ダイヤモンド社
発売日 ‏ : ‎ 2021/11/10

日本経済新聞1月10日朝刊・ダイバーシティ進化論
東京大学教授 山口慎太郎氏

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