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人間はわたしたちが思っている以上に感覚が鋭い

2〜3年前、電車に乗っていた時、とある広告をみつけた。

それは、とある会社が企画するとある外国人の画家さんの絵画の展示会の案内だった。その広告には、その外国人の画家さんの絵が描かれていた。

わたしはその絵画に妙に惹かれてしまった。透き通るように純粋な光の描写を描いたその絵はとても美しかった。

無料の展示会だったし、場所も日にちも都合が良かったから、わたしはその展示会に行くことにした。

そして展示会当日。会場に入ると美しい絵がたくさん飾られていて、わたしの心は、美しい絵がたくさん見れることや、その絵を感じられることにとっても喜んでいた。

だけど、少し時間が経つと、なんとなく違和感を感じ始めた。

そもそもわたしは展示会というものを勘違いしていた。美術館のようにただただ絵を見る場所と思っていたのだ。

だから、会場の真ん中に椅子や机のセットがいくつか、そしてそこにスタッフとお客さんと絵画が置かれていたことを不思議に思った。

その時初めて気づいた。
展示会って、美術館のようにただ絵を鑑賞する場所ではなく、鑑賞した上でよかった作品を購入する場所だったんだ・・・!

その後、わたしの後ろで年配の女性スタッフと若い男性スタッフがコソコソ話をした後、若い男性スタッフがわたしに話しかけにきた。
「素敵な絵ですよね〜」って。
それは服屋さんに入った瞬間、店員さんに話しかけられるような感覚と同じだった。

それから少しすると、わたしの体に異変を感じた。
呼吸がしづらいような息苦しさを感じる。なんだか頭も痛くなってきた。
この場所はあまり居心地が良くない・・・

なるべく早めにここを出よう、
そう思った後、今度は年配の女性スタッフが話しかけてきた。

「嫁入り道具にいかがですか?」

なんとなく感じていた居心地の悪さが確信に変わった瞬間だった。

ここは絵画の美しさやその絵を通して感じるものを大切にしている場所ではない。絵画を利益を生み出すお金としか見ていない方が何人かいらっしゃる場所だ。

その純粋ではないエネルギーが空気から伝わって来たのだと確信した。そこから早足で歩き、展示会を後にした。


どこかのお店に入る時、
何かを購入するとき、
誰かとお話をするとき、
人は無意識のうちに、その場にいる人の”想い”を感じてしまうのだと思う。

働くのが面倒くさい、お仕事が嫌いと思っている店員さんのお店は
なんか親切じゃないお店だなぁ、とか、なんだか感じの悪い店員さんだなぁ、って感じるし、

何件売ったか?いくら売ったか?ばかりに固執しているセールスマンからは、どんなに”あなたのためを想って”と言葉では言われたとしても、”君の決断が私の成果につながるんだよ!お願いだから買ってくれ!”という圧を感じるし・・・笑

綺麗な言葉を並べて本心ではない言葉を言ったりして心の奥の想いをどんなに隠そうとしても、目に見えない空気、エネルギーは嘘を付けないのだと思う。

人間は、わたしたちが思っている以上に感覚が鋭い。

だからこそ、できる限りエゴを手放す努力をして、純粋で愛に溢れた心で生きていきたいなって思う。

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