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ノリ!勢い!言語学!

こんにちは、日本の高校2年生のうずしおです。タイトルに深い意味はありません。

突然ですが、皆さんは言語学オリンピックというものをご存じでしょうか?その名の通り、言語学(語学ではない)に関する大会です。今回は、言語学の完全な素人である私が、それにノリと勢いで出てみたお話をしてみようと思います。

1. 言オリのしくみ

言語学オリンピック(以下言オリ)の国内大会は選抜枠とオープン枠に分かれており、選抜枠は満20歳未満で大学教育を受けていない人(早い話が高校生以下)が対象です。オープン枠がそれ以上の年齢対象です。

日本言語学オリンピック(JOL)の上位者がアジア国際言語学オリンピック(APLO)に出場します。APLOでの成績で国際言語学オリンピック(IOL)の代表者が選ばれ、出場します(ちなみに受験生は国際大会があるときに大学に入学してしまっているので、選抜枠で出られますが代表選考の対象にはなりません)。

他の科学系オリンピックと同じく、金賞・銀賞・銅賞というものが存在します。国内大会では、金ボーダーが上位1/18、銀は上位1/6、銅は上位1/3です。点数でいえば(難易度による上下が激しいですが)金は80点弱、銀は70点弱、銅は60点近辺取れていれば賞を貰えるのではないでしょうか?オープン枠の方が点数は高めです。年々参加者が増えているのでボーダーは上昇傾向にあると個人的に予想しています。言オリのおトクな点(?)は、平均以上取れていれば努力賞を貰えるところです。優しくて好きです。

2. 言オリ体験記~対策編~

言オリとの出会いはなんとも慌ただしいものでした。つれづれなるままにTwitterを眺めていた高1の冬のある日、言オリ公式アカウントの投稿が目に入りました。よく見たら申し込み締め切りはなんと今日!みすみす見逃すのも惜しく、ノリと勢いでコンビニまで駆けて申し込む私。

申し込みをしたのが12月中旬で本番が12月末(12/28くらい?)だったので、タイムリミットは実に約2週間…。言語学ガチ勢でない限り主な対策方法は過去問で、7年分ほどが公式サイトにあります(iolingjapan.org/preparation/)。あと2週間で7年分を解かなければならない状況です。

直前1週間に毎日やればよくね?


なわけあるか。ハチャメチャにバカだと思います。なぜその思考になる? 8月に夏休みの宿題やればいいと言う小学生か。案の定5年分くらいしかできませんでした。ちなみにオンライン受験で問題はpdf形式なので、公式委員会曰くpdf編集ツールかプリンターがあったほうが良いとのことです。私は編集ツールを使いました。プリンターは印刷の手間がかかるのでその分不利といえば不利ですね。

過去問を解いて公式サイト(iolingjapan.org/record-jol/)で賞のボーダーを確認してみたところ、「運が良ければ銀賞、銅賞は多分取れる」程度の実力だと分かりました。解説が全体的に丁寧で助かりました。問題は難しいですが楽しく、言語学って面白い!と思えたことも一つの収穫だと思っています。

3. 言オリ体験記~本番編~

前々日夕方。申し込みのためには言オリアカウントを作らなければならないのですが、バカなのでスマホのメールアドレスで登録してしまい、スマホからでしかログインできない事態に気づきました。明後日試験なんだけど!!やばい!!半泣きで公式委員会様に連絡し、メールアドレスの変更をしてもらい事なきを得ました。ありがとうございます…。

そして迎えた当日午後。公式サイトにログインすると、試験開始/試験終了までの残り時間が表示されます。これまた優しい仕様で、開始からピッタリ2時間になるよう終了時刻を個人ごとにずらしてくれるらしいです。また、自宅でGoogleスプレッドシートに解答を記入し、時間になると自動的に提出されます(恐らく自動採点)。なんて便利なのかと感動していました。

13:00。試験開始。問題ページを開きます。大問は全部で5つ。問題はパズルのような形式です。大問3が個人的に一番簡単で、すべて自信を持って答えられました。1・2・4も自信はないものの完答。ここまでは順調です。大問5も恐らく普通。よし、解こう。

~5分経過~

何も分からない。やばい。

大変まずい状況です。一旦1~4の自信がないところに戻って解き、再度取り掛かります。本当に手も足も出ない。まずい。しかしここで諦めたら賞を取れないかもしれない!そう思って必死に解くと、数問は解けました(この大問は2.75/20だったので、何もしなかったよりもマシだったと思っています)。ちなみに部分点ありなので、分かることはとにかく書くのがベストだと思います。諦めないことが肝心ですね…。

4. 言オリ体験記~結果発表編~

試験が無事終了した夕方。上位者(APLO出場候補者)は不正防止のため面接に呼ばれて口頭試問を受けるので、当日夕方に連絡を受けます。そして私は絶賛待機中というわけです。諦めと期待が半々、緊張のひととき。公式サイトをリロードすると表示が!

「選ばれませんでした」

ああ、やっぱりかと思いつつふて寝したのでした。

時は過ぎて1月上旬、正式な結果発表のときです。予定時刻から1時間遅れて、とうとう結果の表示が!!

銅賞の画面

銅賞!!

SNSには金賞の人が溢れており若干死にたくなりましたが、とても嬉しかったです!何せ人生初のメダルでしたので。パズルっぽい問題だけあって数強が無双しているようです。

5. おわりに

言オリに出会うまでは、私は言語学というものを全く知りませんでした。偶然SNSで見かけなければ、銅賞を取ることも、今回こうして記事を書いていることもなかったでしょう。今でも素人ですが、言オリは言語学の入り口の1つだと思っています。確実に私の人生を豊かにしてくれた言オリと、その運営をしてくださっている公式委員会様に心からの感謝を申し上げます。
皆さんもぜひ、今年の言オリに出てみませんか?


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