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怪我をして中学最後のバスケットの試合に出れなくなった女の子の行動に感動した話

風が吹いた時、帆のはり方次第で
その船の進む方向が変わる。

人生も同じだな。
そう感じることがあります。

以前、母校の中学校の
女子バスケット部の顧問の先生から
臨時コーチをお願いされた事があります。

中学最後の中体連の
試合の数日前でした。

その時にレギュラーのある子が
足をねん挫してしまったんです。

足を見ると、とうてい、
試合に出れるような状況ではない。

3年間、一生懸命練習してきたのに、
最後の試合に出ることが
出来なくなったわけです。
その気持ちを考えると本当に胸が痛い。

顧問の先生は僕にこう言ったんです。

『あの子の性格からして、
明日からもう練習には来ないと思います』


そこで僕はその子に
声をかけました。

『残念だけど、君はもう
試合に出ることは出来ない』

『ただ、君がチームの一員である
ことに変わりはない』

『試合に出れなくても
一緒に戦うことは出来る』

『チームのために何が出来るのか
自分なりに考えてみたらどう?』


そして、迎えた翌日の朝の練習。

僕と顧問の先生が
体育館に到着すると、
誰よりも早く来て、
足を引きずりながら
みんなの飲み物を準備している
女の子の姿がありました。

僕と監督さんは目に涙を
浮かべながらお互いの顔を
見合いました。

そして、迎えた試合当日。
誰も予想していなかった
その大会の優勝チームに大善戦。
残り数分までどちらが勝つか
分からない試合でした。
必死に声援を送る
怪我をした女の子。
その思いにこたえようとする仲間たち。

僕はチームの状況を知っているだけに
半分、涙目になりながら
その試合を観戦していました。
結局、試合には負けて
しまいましたが、
本当にいい試合を見させて頂きました。

同じ風が吹いたとしても、
その人の受けとめ方次第で
進む方向がまったく違ってきますね。

その女の子は
試合に出ること以上に
多くの事を学んで
一生、忘れられないような
思い出が出来たと思います。

実はそのエピソードなどを
まとめた手作りの文集を
顧問の先生と一緒に
職員室で作ったんですよ。

明日の朝までに作成
しなければならかった日、
とても間に合いそうにない。
もうすでに夜の12時を回っている。

仕方がないので、
遅い時間にも関わらず、
数人の友人に電話。
そしたら、ぶつぶつ言いながらも
4名が来てくれたんですよ。

そして、朝方、やって完成させる
ことが出来ました。

完成したのは、300冊。
その文集を選手、父兄の
方々に配りました。

すごく喜んでくれました。
怪我をした女の子の
お母さんが直接、お礼を
言いに来てくれました。

ものすごく嬉しかったんですが、
数日後、まさかの
文集の増刷依頼が殺到。

再度、顧問の先生と
職員室で夜中まで作成しました。

今となってはものすごく
良い思い出となっています。

今でもその文集は
家のどこかに一冊、
残っていると思います。

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