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オススメの映画や本を観る気になれない

日常的に聴くPodcastの中に映画評論家とかカルチャー雑誌のライターみたいなひとが映画や本を紹介しているような番組がある。
作品を面白く紹介してくれるので、時々そういった番組を聴くことがあるんだけど、なぜかそこで紹介されている作品を観ようと思えないことが多いんだよね。

なんでかっていうと、映画評論家とかカルチャー雑誌のライターみたいなひとのおススメって、その作品の良いところを説明しきっちゃう。まあそういう人たちの作品説明はすごく詳細に分析されているからそれはそれで面白いんだけどね。でもそれってもう「この作品はこう好きになってくださいね」と書かれた模範解答みたいな解説書を一緒に渡されているような感じなんだよね。

その作品の解説書を渡されちゃっているから、解説書以外で自分が好きなポイントを見つけられる気がしなくなっちゃう。
色を塗るスペースが残されてないままキャンバスを渡される感じ。自分で色を塗る余白が無いから、渡されたその人のキャンバスをただ眺めているだけみたいな感じ。


あまり情報を入れずに作品を観ると、自分が何を感じて、どこが良いと思ったのかを考えることが出来る。だけど、観る前からその作品の良いポイントを知りすぎてしまうと、ただそのポイントをオーバーラップするために観る感じになっちゃう。
観る前の情報ってめっちゃ引っ張られる。

一方で友達から勧められる作品は、あんまり抵抗なく見れる。だいたい友達とかから紹介される時は、作品の良いポイントをそんなに細かく伝えられることってあんまりない。だから自分で「ここが好き」っていうポイントを見つけられる余白がある気がする。
まだ自分が絵を描くスペースが残されたままのキャンバスを渡される感じ。だから自分の色も塗れる。

余白って大事ね。
知らないところがあるからもっと知りたくなるものだし、
満腹じゃないからもっと食べたくなるものだし、

あとは、友達から勧められるときだと、今の自分に勧めてくれた理由がちゃんとあるのも大きな理由なのかもね。友達は、自分が考えていることとか悩んでることとかを知っている相手だから、「そういうこと考えてるんだったらこの作品オススメだよ~」と勧めてくれる。自分を知ってくれた上で勧められるかどうかは観る理由として大きいかもしれない。

でも自分の場合、根本のところには第一発見者でありたい気持ちはめっちゃある。
「これめっちゃいいんだけどさ!!!!おれが見つけたんだよ!!!」って言いたいw
だから誰かが好きなモノをそのまま好きになるってこと自体が、そもそもちょっと嫌なのかもしれない。

ズレるけど、人が自分の好きなことについて話している時っていいよね。めちゃくちゃ好きなモノがある人が、その良さとか面白さを話すときの、めっちゃ早口になって目がキマった状態で食い気味に喋ってくるあの感じが、もはや愛おしい。だからそういう話をたくさんしてたい。

オススメを観る気になれないとかいう文章書いておきながら最後にオススメ!
このMVはめちゃくちゃいい。
(これは僕が第一発見ではなく友達に教えてもった。)


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