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SEOの秘訣は、Googleの戦略を先読みする事。

Web担の「デジマはつらいよ」原作者の中澤です。Webサイトの集客を考える上で最も重要な導線は「SEO(自然集客)」。そしてSEOで最も重要なのは「いかにGoogleの戦略を先読みするか」です。

圧倒的なGoogleの検索シェア

皆さんは、日本における検索エンジンのシェアをご存知でしょうか?既に全体トラフィックの80%近くをモバイルが占めるため、日本におけるモバイルでの検索エンジンシェアを見てみましょう。出典元は「SEOジャーナル様」の記事から拝借させて頂きました。


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Google圧倒的ですね。でも日本は特殊な土壌であり、かろうじてYahooが4分の1程のシェアを保っていますが、世界全体で見ると以下の通り。

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恐ろしいシェアです。もはや「Google上に存在しなければ、ネットの世界では存在しないも同じ」と言っても良いかもしれません。

よって、検索エンジン経由の自然流入を考える上においては、「Googleといかに歩調を合わせていくか」が戦略の中心になるという事になります。

よって、Googleの検索アルゴリズムにいかに対応していくか、またはコンテンツマーケティグを強化して、いかに全体トラフィックを上げていくのか(収益性の低い流入だとしても)といった事が重要になってくるわけですが、それに加えて、もう一つ重要な視点があると考えています。

それは、「より長期の視点から、Googleそのものの戦略を先読みしていく」という事です。

現在のGoogle検索(モバイル)の盤面

現在のモバイルにおけるGoogle検索の盤面を見てみると(2019年12月時点)、検索するワードにより違いはありますが、既にオウンドメディアの表示順位の面積が大幅に減っている事がわかります。

下記の画像は、「プリウス 中古車」を検索した場合の検索結果ですが、白抜きの部分がオウンドメディアの表示部分、他の色のついた部分は、それ以外の部分です。

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この変更が行われた時期を正確に覚えて無いのですが、この時期に、自分の管轄するWebサイトの自然流入のトラフィックが、大きく減少した事を覚えています。2位以降の順位表示だと、3スクロールくらいしないと、もはや表示されません。

Googleはなぜこのような変更を行ったのでしょうか?もちろん、Googleのミッションの中核である、ユーザーに最適な検索体験を、という結果ではあるのですが、もちろんそれ以外にも理由はあります。そこには、Googleの企業としての戦略方針が読み取れます。

Googleの戦略方針(100%、個人的な推量です)

ここからは、完全に私個人の推量となり、何の裏付けも無い事を前提とさせて頂きますが、あながち間違って無いんじゃないかな?とか思っています。

ただ、あくまで私見なので、「こんな考え方もあるんだな」程度でお読み頂けると助かります。(厳しいコメントとか貰うと、心が折れるので)

まず大前提として、Googleの収益の大部分は「広告収入」です。以下はGoogleの親会社「Alphabet」の収益内訳です。「FINDER」様の記事よりお借りしました。

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そしてGoogleは当然企業として成長し続ける事が求められています。

検索盤面(Listing)における広告収入は、入札単価と出稿量で決まる訳ですが、「出稿できる場所(ワード)」には自ずと限界が存在します。そしてもう一つの課題として、広告出稿を行う企業としても、その業界ごとに、入札単価として張れる金額の上限というモノがあります。つまり「限界CPA」です。

入札は同じワードを奪い合う競合との単価合戦で行われますが、これ以上の入札単価は採算が合わない、というラインが、業界ごとに決まってくるわけです。よって、「広告出稿できる場所も、入札単価も、どこかの時点で天井がくる」事になります。そして、現在、結構いっぱいいっぱいのところまできてるのでは無いかなというのが所感です。

流石にこれ以上Listingの面積を増やす事は、ユーザーの検索体験を損なう事になります。ではどうやって収益面積を増やすのか。おそらくGoogleは以下の2つの戦略方針にシフトしていると考えています。

2つの戦略方針_1 SMBの強化

その一つが、「SMB(中規模、小規模企業)」への広告出稿面積の拡大です。現在、主要なワードはコスト的な体力のある大企業に占められており、Googleとしても大企業アカウントからの収益はもう上限に近づいています。しかし、SMBの領域はまだ伸び代がある。しかし、どこに出稿させれば良いのか。

そこで重要になってくるのが「Googleローカル広告(Google My Business)」です。

エリアワード、および、検索と位置情報を連動させた場合、検索ユーザーの検討進度が深い事が予想され、より収益性の高いアクションに結びつきやすいため、SMBであっても、十分に出稿金額に対するリターンが見込めます。よって広告出稿に参加しやすくなります。

この出稿を伸ばす為には、積極的に「Google My Business」に参加して貰う必要があります。また、出稿に対しリターンを生み出す為にも、検索盤面上で有利な位置に表示させる仕様にする必要がでます。この結果、検索盤面において、Googleマップ関連の情報が上位表示されるようになったと考えられます。

店舗をお持ちのオウンドメディア担当者の方は、一度、自社Webサイトの店舗系ページの流入数をチェックしてみた方がいいかもしれません。結構な割合で、Google My Businessに流入シフトが起こってる可能性があります。

そして、Googleマップに上位表示されるためには、レビューの蓄積など、ストック型の打ち手が必要になってくるので、すでに先行者利益を他社に取られている場合には、容易にはその状況をひっくり返せません。

逆にまだ他社が取り組んでいないのであれば、先行者利益のチャンスです。

2つの戦略方針_2 新たな出稿面の開拓

もう一つの戦略が、検索盤面以外への出稿面の開拓です。具体的には「Youtube」の大幅な強化と利用者の拡大です。

成長の限界が見える検索市場に比べ、Youtubeは広告収益の場として大きな成長が見込めます。Youtubeへの広告出稿を増やす為には、広告テクノロジーやメニューの開発は当然ですが、それ以上に利用者の増加、視聴数の増加が必要となります。

その結果、キーワード検索から、Youtubeへの導線強化が必要となり、検索盤面における動画の掲載面積が拡大される事になります。現在、こちらもキーワードによりますが、検索結果における動画の表示順位は、かなり上位の位置に表示されます。

ショッピングサーチについては、SMB対応、出稿面開拓の両方の視点が入っていると思います。

今後どのような戦略が必要になるのか

もはや、検索盤面における戦いは、Googleアルゴリズム適合の戦いではなく、より大きな検索市場全体を視野に置いた戦いとなっています。そしてこの戦略に適合していく為には、Googleの戦略を先読みし、かなり早い段階で取り組まなければ、先行者利益を得る事はできません。

Google My Businessにしろ、YoutubeをSEO的に捉えて対策を行うにしろ、ストック型施策の積み上げ(レビューを集める、コンテンツを大量に制作する)といった活動となるため、先行して始めた企業に、後発企業が追いつくのは容易ではありません。

検索盤面を、これまでの「テキスト中心」から、「カテゴリ」の考え方にシフトさせ、カテゴリ全体をSEOと捉え対策を打っていく為に、戦略の転換が必要かもしれません。

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そして、戦略転換はもしかしたら、我々のような事業者サイドだけではなく、「二次検索ビジネス(と勝手に呼んでいます)」である、価格コムやカーセンサーといった、メディアサイドにも影響があるかもしれません。

例えば、カーセンサーを例に取ると、今まではGoogleのキーワード検索の盤面を圧倒的な資金力と技術で、Listingと自然検査表示上げで抑え、「中古車」などのビッグーワードから自社サイトに流入させ、中・小規模企業にサイトに出稿させる事で、送客手数料として収益を得ているわけです。

Googleから見れば、そこから得られる利益は「中古車」というビッグキーワードをクリックした収益でしかなく、その先の中・小規模企業への送客収入は全てカーセンサーに流れてしまいます。

もし私がGoogleの戦略担当者であれば、当然ながら、このカーセンサーに流れている広告収益を何とかできなかな?と考えます。その戦略は・・・・・

すいません。おおよその戦略の想像はつくのですが、ここまでで止めておきます。

Googleはユーザー体験と収益のバランスを取ろうとしている

ここまで、まるでGoogleが自らの収益の最大化のみを目指しているかのような、誤解を与えてしまう内容だったかもしれません。

もちろんそんな事は無く、Googleが最も重視している事は「ユーザーの検索体験の最大化」です。そして、上記のような戦略をGoogleが取る事は、結果的にはユーザー体験の向上に繋がります。

一人のユーザーとして考えれば、「中古車 世田谷」と検索した場合には、もちろん、「世田谷に良い中古車屋さん無いかな?」と考えているわけで、そこに、実際には世田谷区に店舗の無い大型チェーン店の広告が出ても、得たい情報では無いわけです。

また、せっかくGoogleで検索しているわけですから、わざわざ、カーセンサーに移動して、一覧から探すといった事なく、その場で、自分のいる位置から最も適した場所で、かつ評判の良いお店を知りたいわけです。

Googleは慈善事業では無く企業です。よって、最適な検索体験を提供し続ける為には、大きな投資が必要であり、その為には収入が必要です。体験の向上と企業収益の成長のバランスを考えた結果、今の戦略方針となっていると思います。

今回の記事でお伝えしたかった主旨は以下の通りとなります。様々な意見があるかと思いますが、あくまでも私見という事で、広い心でお受け止めくださいませ。

1:検索盤面における戦略は、地図、ショッピング、Youtubeといったモノまで含めた、より大きな視点で描く必要がある。

2:より長期的な視点で戦略を描き、先んじて始める事で先行者利益を得る

現場からは以上です。

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